リロケーションとは?仕組みや利用方法などを解説します!

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「リロケーション」という言葉を聞いたことはありますか?

リロケーションとは、転勤などで一定期間自宅を留守にする間、他人に賃貸することです。もしあなたがこれから転勤などでしばらく自宅(持ち家)を留守にする場合、リロケーションを利用すればその期間自宅を他人に貸し出して家賃収入を得ることができます。ちょっとした期間を利用して副収入を得られれば、とてもおいしいですよね。

ただ、そうは言っても「リロケーション」なんてあまり馴染みがなくよく分からないので、利用するのは何だか怖いと考える方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、リロケーションとは何かという点から、リロケーションを利用するメリットとデメリット、リロケーション会社とはどのようなものか、リロケーションを利用する時の注意点など、リロケーションを利用する上で絶対に押さえておきたいポイントについて徹底的に解説します。

この記事を読めば、リロケーションに対する疑問が解決し、自宅を留守にする間の活用方法の選択肢が広がることでしょう。ぜひ参考にしてください。

1.リロケーションとは?

リロケーションとは、転勤などで一定期間自宅を留守にする間、他人に賃貸することです。
普通の賃貸とは違い「一定期間」という限定付きですが、賃貸している間は家賃収入を得ることができます。

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自宅を留守にしている間も、物件の管理費はかかってしまいます。また、転勤などには引っ越し費用もかかります。こうしたお金をまかない、上手くすればプラス収入が得たい場合、リロケーションを利用するのがオススメです。

2000年に借地借家法が改正され、定期借家契約という期間を限定した賃貸借契約が可能になりました。これを契機に、リロケーションという方法が注目されたのです。

定期借家契約

定期借家契約とは、上記の通り期間を限定した賃貸借契約です。これは、一般的な借家契約(普通借家契約)と何が違うのでしょうか。
大きく異なるのは、契約期間です。普通借家契約では、正当事由がない限り契約は更新されてしまいます。つまり、借主が契約終了後も引き続き住むことを希望している場合、貸主に正当な事由(どうしてもそこに住まなければいけない理由など)がない限り、引き続きそこに住まわせなければなりません。
一方の定期借家契約では、契約で定めた期間が満了すれば、更新されることなく確定的に借家契約が終了します。よって、契約終了すれば借主は退去します。
定期借家制度については、国土交通省「定期借家制度について」に詳しい記載がありますので、参考にしてみて下さい。

「民泊」との違いは?

ここまで読んで、「リロケーションは民泊と何が違うんだろう?」と疑問に思われた方がいるかもしれません。
民泊とは、個人宅の一部や空き別荘、マンションの空室などを宿泊用として提供することです。
リロケーションは先述の通り「定期借家契約」を元に成立するもので、あらかじめ契約の中である程度の貸し出し期間を定めるものです。なので、契約期間中は自宅に戻れない可能性が生じます(後ほど詳しく説明します)。
一方の民泊は、宿泊期間につき柔軟に対応することができます。途中でいったん自宅に帰りたくなったら民泊の貸し出しをやめて自宅に戻り、また家を離れたら改めて民泊として貸し出す、ということが可能になります。
ただ、民泊についてはまだ法律が整っていない部分があります。また、マンションでは管理規約で民泊を禁止しているところもあります。リロケーションに比べて、民泊はまだ受け入れられていない部分も多いのかもしれません。

2.リロケーションをするメリット、デメリット

2-1.メリット

リロケーションを利用することのメリットは、以下の通りです。

2-1-1.家賃収入が得られる

リロケーションを利用すれば、貸し出している間の家賃収入が得られます。留守宅をただ空き家にしていたのでは家賃収入も得られず管理費がかかるだけですので、これと比べれば家賃収入が得られることは大きなメリットです。

2-1-2.入居者が住宅の管理をしてくれる

リロケーションを利用すれば、貸し出している間入居者が生活する中で住宅の管理をしてくれます。一方、留守宅をただ空き家にしていたのでは業者に管理を依頼しなければならず、お金がかかってしまいます。
例えば木造住宅の戸建ての場合、適切に管理しないと湿気によるダメージなどで建物が痛んでしまいます。リロケーションを利用すれば、入居者が生活することで自然に換気がなされるので、湿気がたまるのを防ぐことができます。
また、入居者がいることが防犯の役割も果たします。

2-2.デメリット

2-2-1.自宅に傷や汚れが増える可能性が高い

リロケーションを利用すると、自宅に汚れや傷が増える可能性が高いです。
入居者は、自分の家ではないのでどうしても家をきれいに保つ意識が所有者よりも低くなります。そうすると、家の壁、床、設備などの傷や汚れが増えることになってしまいがちです。
対策として、原状回復(傷や汚れなどを元に戻すこと)や修理費用などについて、契約の中ではっきりと規定しておきましょう。

2-2-2.契約期間中自宅に戻れない可能性がある

リロケーションを利用すると、契約期間中自宅に戻れない可能性があります。
留守中空き家にしておけば、ちょっと用があったとき自由に自宅に戻ることができます。一方リロケーションの場合、契約によっては契約期間中自宅を明け渡してもらえなくなる可能性があります。これは少し貸主にとって不便かもしれません。

3.リロケーションの利用方法

ここからは、リロケーションの具体的な利用方法について解説します。

3-1.リロケーション会社とは

リロケーションを利用するには、リロケーション会社を探して契約を結ぶ必要があります。
リロケーション会社とは、リロケーションのために必要な業務を行ってくれる会社です。具体的な業務は以下のようなものがあります。

賃料査定(どれくらいの賃料にするのが良いかの判断)
募集条件を決定する
入居者の募集をする
物件の広告活動をする
入居者との間で賃貸借契約を締結する
賃料の支払いの立て替えをする(家賃滞納や空室の場合)
賃貸期間中の家具や設備の修繕をする
万が一のトラブルに対応する
契約終了後の入居者の退去・物件明け渡しの各種作業を行う
など

普通の不動産会社がリロケーションサービスを行う場合もあれば、大手不動産会社の子会社がリロケーションを専門に行っている場合もあります。

3-2.リロケーションの2つの形態

リロケーションには、①家の所有者が直接入居者に貸すタイプと、②リロケーション会社を介して入居者に貸すタイプの2つの形態があります。

①家の所有者が直接入居者に貸すタイプ
このタイプでは、契約者は家の所有者と入居者になります。ただ、所有者が契約前すでに遠隔地にいる場合、審査・契約に手間がかかります。そこで、リロケーション会社が所有者に代理して審査・契約の手続きを行うという形態もよく利用されます。
リロケーション会社への代理を依頼する場合、所有者とリロケーション会社間で物件の管理の依頼も含めた業務委託契約を結びます。

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②リロケーション会社を介して入居者に貸すタイプ
このタイプでは、まず家の所有者はリロケーション会社と賃貸借契約を結びます。次に、家を借り受けたリロケーション会社は、入居者と賃貸借契約を結びます。これを転貸借方式と呼びます。
このタイプでは、万が一家賃収入が得られなかった場合に備えて、リロケーション会社が家賃保証を用意しているケースも多いです。

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3-3.リロケーションの手数料

リロケーションを利用した場合、リロケーション会社に支払う手数料はどれくらいになるのでしょうか。
リロケーション会社に支払う手数料は、だいたい家賃収入の10%程度(場合によってはそれ以上)となります。一般的な不動産経営で不動産会社に物件の管理を委託した場合の管理料が家賃収入の5%程度であることを考えると、安くはありません。

リロケーションの場合、リロケーション会社に代理してもらう業務が多い点(入居者募集、審査・契約など)や、契約期間が短くその中で利益を確保する難しさなどの点から、手数料が高くなってしまう傾向があります。

もしリロケーション手数料が惜しい場合、自分で不動産会社と媒介契約を締結し、自ら入居者管理や物件管理をする方法をとれば一番手数料をおさえることができます。ただ、この場合非常に手間がかかります。

リロケーションを利用するかの判断は、お金と手間を天秤にかけて決定しましょう。

4.リロケーションを利用する際の注意点

ここからは、リロケーションを利用する際に気をつけたい細かい注意点について解説していきます。

4-1.リロケーションにかかる税金

リロケーションで家賃収入を得れば、当然そこに税金(所得税)がかかってきます。すると、本業の収入とは別に自分で確定申告を行う必要が出てきます。

家賃収入がある場合の確定申告については、初心者でも税理士不要!家賃収入がある人の確定申告の方法に詳しい解説がありますので、そちらを参考にしてください。

4-2.住宅ローンの返済中に利用できるか?

リロケーションは、住宅ローンの返済中でも利用することができます

住宅ローンは、自分が居住する住宅の購入について受けられるローンです。そのため、賃貸用の物件を購入する場合については受けることができません。
ここから、住宅ローン返済中はずっとその住宅に住んでいなければならず、リロケーションは利用できないのではないかと思われる方も多いようです。
ただ、一時的な賃貸であれば問題ないとされているようです。銀行からしてみれば、ローンを返済してくれれば一時的な貸し出しであるリロケーションは問題視しません。また、銀行がリロケーションで貸し出している事実を把握する方法もないのです。

住宅ローン控除

平成25年の法律改正により、転勤命令によって住宅を居住用に利用できなくなった場合も住宅ローン控除を適用できるようになりました。
リロケーションを利用する場合、所有者やその家族が家を留守にすることになります。よって、「住宅を居住用に利用できなくなった場合」にあたり、特別な届け出をすることで住宅ローン控除を適用できるようになります。
この場合の手続きについては、国税庁HP「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」を参考にしてください。

4-3.賃料を少しでも高くするためには?

リロケーションの家賃は、一般の賃貸物件の家賃よりも2割ほど安く設定されます。借りる側からしてみれば、借りられる期間が限られているデメリットがあるからです。デメリット分は家賃を下げないと入居者が集まりません。
そんな中、少しでも賃料を高くするためには、以下のようなことをすると良いでしょう。

①なるべく家具や設備(証明、エアコンなど)はそのままにしておく
家具や設備が充実していると、その利便性から家賃が高く設定できる可能性があります。

②物件の写真の撮り方を工夫する
物件が清潔だと入居者にとって魅力的です。写真で物件の清潔さをアピールできるよう、写真の撮影時に清潔に見えるようリロケーション会社と撮り方を相談しましょう。

5.まとめ

リロケーションについて書いてきましたが、いかがだったでしょうか。
この記事が、リロケーションの利用を検討するすべての方の参考になれば幸いです。

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