空き家問題|深刻すぎる原因と対策を徹底解説します!

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こんにちは!
「不動産投資のススメ」の管理人、松崎 サブローです!

現在、日本の「空き家問題」はとても深刻だと知っていましたか?
なんとその数は平成25年の時点で既に820万戸もあるのです。

一体何がここまで空き家を増やしている原因なのでしょうか??


ススメ先生、最近新聞やニュースなどで「空き家問題をよく耳にするようになりました。「空き家問題」って、主に地方の問題なのでしょうか??


サブロー君、わしもはじめはそう思っていたのじゃが、どうやら空き家問題は都市部でも起こりうる問題のようじゃ。それに、自分は空き家を持っていないから関係ないと思っているといかんぞ。空き家問題は、その周辺に住んでいる人々にも影響を及ぼす問題である。更に一戸建てだけではなくマンションなどの集合住宅でも起こるものだから、サブロー君の周りでも十分起こる可能性があるぞ。


そうだったんですね・・・!!空き家問題について、きちんと僕も学びたいです。


そうじゃな、空き家問題は少子高齢化やこれまでの政府の政策など日本の抱える社会問題と複雑に絡んでおるから、深刻化するのはこれからだと言われておる。一説では「空き家率が30%を超えると自治体財政は破綻する」とも言われておるので、とても深刻な問題と捉えてしっかり学んでいこう。



さて、空き家問題が他人事ではないことがお分かり頂けたと思います。そこでこの記事では、空き家問題について、現状がどうなっているのか、原因は何か、どんな対策がなされているのかなど、徹底的に解説していきます。特に対策の項目では、現在空き家を所有しているという方の参考になる情報も紹介しています。
ぜひ参考にしてください。

1.「空き家問題」とは?

「空き家問題」とは、どのような問題を指すのでしょうか。

ここからはまず、「空き家問題」の概要について解説していきます。

1-1.空き家問題とは?

1-1-1.「空き家」は4種類に分類される

一口に「空き家」と言っても、以下の4種類に分類されます。

○4種類の「空き家」

①売却用住宅
販売中の空き家のことです。売りたいのに買い手が見つからないため空き家になっている状態です。通常は不動産会社が管理しています。

②賃貸用住宅
入居者募集中の空き家のことです。貸したいのに借り手が見つからないため空き家となっている状態です。通常は不動産会社が管理しています。

③二次的住宅
常時住んでいるわけではないけれど、利用してはいる物件のことです。別荘などがこれに当たります。その物件の所有者が管理しています。

④その他
上記3種類のどれにも当たらず、用途がなく利用されているのかが不明な空き家のことです。その物件の所有者が管理しています。

上記4種類のうち、問題となるのは「④その他」に分類される空き家です。

まず、空き家数及び空き家率を見てみましょう。

出典:総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約

空き家数、空き家率ともに上昇していることがわかります。
平成25年の時点で、空き家数はなんと820万戸もの数にのぼり、空き家率も13.5%となっています。

続いて、上で紹介した4種類の空き家それぞれの割合を個別にみてみましょう。


出典:不動産流通促進センター 2015不動産業統計集総務省統計局「住宅・土地統計調査結果」

二次的住宅、賃貸用の住宅、売却用の住宅は減少傾向にあるのに対し、その他の住宅は増加しているのがわかります。

空き家問題とは、主に「その他」の空き家が増加してしまっていることを指します。「その他」の空き家は、所有者の管理が放棄されていることも多く、対策が難しいのです。

1-1-2.空き家は地方だけの問題ではない

空き家問題は地方だけの問題で、都心には関係ないと思われる方もいるかもしれません。しかし、実際には空き家は地方だけの問題ではないのです。


出典:平成25年住宅・土地統計調査(確報集計結果) – 総務省統計局

上の表をみると、比率だと地方の方が高いですが、純粋に数だけを見るとむしろ都市部の方に空き家が多く存在していることがわかります。
空き家問題は、都市部に住む人々にとっても、他人事ではないのです。

1-1-3.空き家問題は様々な物件で発生しうる

「空き家」というと、一戸建てをイメージする方も多いかもしれません。ですが、実際はマンションなどの共同住宅でも、空き家は発生します。

建物の種類ごとに空き家の数、割合をまとめた以下の表をご覧下さい。


出典:平成25年住宅・土地統計調査 特別集計 – 総務省統計局

このデータからも、マンションなどの共同住宅でも空き家が多く発生することがお分かりいただけると思います。
マンションの場合、区分所有などにより所有権が複雑になってしまったり、建物は老朽化してもいくつかの部屋には住んでいる人がいたりして、空き家の解消が難しく、建て替えも除却もしにくいという事情があります。

空き家問題は、あらゆる物件で発生しうるのです。

1-2.空き家問題の原因

上で紹介してきた空き家問題は、どうして発生してしまうのでしょうか。

空き家問題が発生する原因としては、以下の4点が考えられます。

①世帯数の増加以上に新築住宅が増加している
②不要となった建物が無くならない
③中古住宅市場の問題
④相続問題

それぞれについて詳しく解説していきます。

○空き家問題を引き起こす大きな原因

中心となる原因は①と②です。つまり、「新築住宅が増加している一方、不要となった建物が減らない」というのが、空き家増加の大きな要因となっています。

1-2-1.世帯数の増加以上に新築住宅が増加している

1つめの原因は、世帯数の増加以上に新築住宅が増加しているという点です。
総世帯数と住宅総数の推移を示す表が以下の通りです。

  平成5年 平成10年 平成15年 平成20年 平成25年
総世帯数
(単位:千)
41,159 44,360 47,255 49,973 52,453
住宅総数
(単位:千)
45,879 50,246 53,891 57,586 60,629
一世帯当たりの住宅戸数
(戸数/世帯)
1.11 1.13 1.14 1.15 1.16

出典:平成27年度 住宅経済関連データ – 国土交通省 「世帯数及び住宅戸数の推移」

核家族化などで世帯数も増えていますが、それ以上に住宅総数が増えているため、「戸数/世帯」の値が増えていることがわかります。

住宅総数が増えているということは、新築の住宅が建てられているということです。この原因としては、以下のようなことが挙げられます。

○新築の建物がどんどん建てられる原因

①新築への需要の偏り
これから新しい家に住もうとした時、誰でも「できれば新しくて綺麗な新築に住みたい」と思うのではないでしょうか。もちろん、金銭的な事情から中古物件の需要もあるのですが、やはり新築へ需要は偏る傾向があります。
また、住宅を仲介する不動産会社にとっても、価格が高い新築物件を扱った方が、利幅が大きくなります。新築物件には、不動産会社からの需要も高いのです。
こうした多方面からの需要が集まるので、新築住宅の建築が進むことになります。

②景気刺激になるとして、国が積極的に進めた
新たに住宅を建築することには、大きな経済効果があると言われています。つまり、新築の住宅を建てることは景気を刺激することになるのです。このことから、国は積極的な政策(住宅ローン控除や住まい給付金などの優遇策)をして住宅の新築を進めてきました。結果、新築住宅の供給が増えてしまったのです。

こうして住宅の供給が増える中、将来的には

①人口減少に伴う世帯数の減少
②高齢化が進み、高齢者が住宅を離れて老人ホームや医療施設に入る

といった事情で住宅への需要は減少すると考えられています。
供給が増える一方で需要が大きく減れば、需給バランスを欠いて空き家問題はより深刻化する危険があるのです。

1-2-2.不要となった住宅が無くならない

2つめの原因は、不要となった住宅が無くならないという点です。

新しく建てられる住居の数(新設住宅着工数)と解体される住戸の数(滅失戸数)の推移を比較してみると、以下の表のようになります。

平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
新設住宅着工数(A)
(単位:千)
775 819 841 893 987
滅失戸数(B)
(単位:千)
112 137 115 125 127
2つの差
(A-B)
663 682 726 768 860

出典:平成27年度 住宅経済関連データ – 国土交通省 「新設住宅着工数の推移」「住宅の滅失戸数の推移」

表をみると、新設住宅着工数の増加が滅失戸数より大きいことから、両者の差がどんどん広がっていることがわかります。

不要となった住宅がなくならない原因としては、以下のようなものが挙げられます。

○不要になった住宅が減らない原因

①コストの問題
解体には解体費がかかります。また、「土地+空き家」の場合に比べて「土地のみ」の場合の方が、固定資産税が高くなります(最大6倍)。つまり、空き家を解体することで、解体費がかかる上に税金も高くなるというわけです。
以上のようなコストの問題が、解体が進まない原因の1つといえます。

固定資産税が実際に何倍に戻るかについてですが、一般的に6倍と表現されることが多くため、本記事でも6倍で統一しています。
ただし、実際は最大4.2倍(6倍×70%)と考えた方が正確です。 ※70%は負担調整設置

空き家にかかる固定資産税ついては、最大6倍にもなる?空き家にかかる固定資産税の問題で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみて下さい。

②感情の問題
また、感情的な問題から、解体をためらってしまう場合もあります。住んでいた時の思い出から、壊したくないと思ってしまうこともあるでしょう。

③解体後の土地の使い道がない
現行の建築基準法施行以前に建てられた空き家の場合、その敷地が再建築の認められない土地になっているケースがあります。この場合、空き家を解体してしまうと次の使い道のない土地となってしまうので、空き家を解体せずに放置されることが多いです。

④区分所有法の弊害
分譲マンションの場合、解体には管理組合や所有者の中で一定数の賛同を得なければならず(区分所有法)、円滑に解体が進まないことがあります。

1-2-3.中古住宅市場の問題

3つめの原因は、中古住宅市場の問題です。
日本の中古住宅市場は、他の国と比較してもかなり未熟で活性化していません。

その理由としては、

・上で紹介したように、政府が住居の新築を政策的に進めた
・減価償却のための基準(耐用年数)が物件査定にも用いられてしまい、査定の結果が中古物件に不利なものになってしまう
・住宅の価値は最初の10年で大きく下落するのに対し、住宅ローンの残高は返済初期に減りにくいという特性から、オーバーローン状態が発生し、一度購入した住宅が売りにくい状態になってしまう

などが考えられます。

1-2-4.相続問題

4つめの原因は、相続問題です。相続の様々なトラブルから空き家の発生につながってしまうことがあります。

例えば、ある夫婦がマイホームを持っていたとします。夫の側の両親と妻の側の両親が亡くなった場合、両方の実家をそれぞれが相続してしまう場合があります。この時、夫婦は計3つの家を所持することになります。相続した不動産がすぐに売れれば良いのですが、田舎の方の物件だとなかなか売れません。すると、どうすることもできず空き家になってしまうことがあるのです。

また、兄弟や姉妹がいる場合、実家の不動産をどのように相続するかでもめてしまう場合があります。このまま結論が決まらないでどうすることもできなくなった住宅が空き家になってしまうことがあるのです。

1-3.空き家問題が私たちに与える影響

空き家問題は、私たちにどのような影響を与えるのでしょうか。

一般的に、空き家問題は外部不経済機会損失を発生させると言われます。以下、それぞれについて説明します。

1-3-1.外部不経済①:近所迷惑

1つめは、近所迷惑という問題です。空き家があることで、近隣地域に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。具体的には、以下の通りです。

○近所迷惑の例

・植栽や雑草によって景観が悪化してしまう
・老朽化した家屋が倒壊する危険が増す(家屋材の飛散の危険も)
・害獣・害虫の温床となってしまう
・不衛生な状態で放置される
・地震が発生した場合、倒壊して道をふさいでしまう危険がある

1-3-2.外部不経済②:治安の悪化

2つめは、治安の悪化という問題です。

空き家があることで、以下のような犯罪が増加する可能性があります。

○治安悪化の例

・不法侵入、不法占拠、粗大ゴミなどの不法投棄
・空き家による死角を利用した犯罪
・放火(特に木造住宅)

特に放火は、近隣への被害が拡大してしまう危険があります。空き家が多い地域は狙われやすいといえるでしょう。

1-3-3.外部不経済③:住宅の価値を下げる

3つめは、住宅の価値を下げるという問題です。

住宅への需要が下がる中、供給が増えれば、需要と供給のバランスを欠き、住宅がインフレの状態になって住宅の資産価値が下がってしまう危険があります。

1-3-4.機会損失

4つめは機会損失の問題です。

空き家が増えるということは、土地や建物が有効活用されていないことを意味します。本来ならば様々なビジネスに使えるはずの不動産が有効活用されないことは、ビジネスの機会を損失していることになるのです。これは社会に対して良い影響とはいえません。

2.空き家問題の対策

以上みてきた空き家問題には、どのような対策が取られているのでしょうか。
ここからは、空き家問題に対して取られている様々な対策をご紹介します。

2-1.空き家対策特別措置法

空き家対策として、国は2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家対策特別措置法)を施行しました。
参考:住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報 – 国土交通省

空き家対策特別措置法では、空き家の中でも特に危険な空き家を「特定空家等」として指定し、国が「措置の実施のための立入調査」や「指導→勧告→命令→代執行の措置」を採れるようにしています。

「特定空家等」に対して、国は「除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令」をすることができます。所有者がそれに従わない場合は「要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行」をすることも可能です。また、先述した土地の固定資産税に対する特例措置を外すこともできます。すると、所有者にかかる固定資産税の負担が最大6倍まで増えてしまうことになります。

ここで、「特定空家等」の要件を引用しておきます。現在空き家を所有している人は、念のため確認しておきましょう。

① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われないことにより
  著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために
  放置することが不適切である状態
にある空家等をいう。

出典:住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報 – 国土交通省

2-2.自治体の条例や取り組み

空き家対策特別措置法では、「市町村が行う空家等対策の円滑な実施のために、国及び地方公共団体による空家等に関する施策の実施に要する費用に対する補助、地方交付制度の拡充を行う」と定められました。

この規定を後ろ盾にして、自治体は条例により空き家対策を進めています。具体的には、損傷・老朽化が激しい住宅については除却(解体)の費用を補助したり、それによって住居に困る住民がいれば自治体が住宅を用意したりといった取り組みが行われています。
都道府県ごとの空き家対策条例は、NPO法人 空家・空地管理センター 空き家条例一覧にまとめられていますので、参考にしてみてください。

実は、自治体による空き家対策は以前から行われていました。ただ、空き家も個人財産ですので、公権力が介入することには高いハードルがありました。
空き家対策特別措置法が定められたことで、自治体が空き家対策の取り組みを行いやすくなったのです。

他にも、「空き家バンク」という、空き家を活用したい人と空き家を探している人のマッチングを補助するサービスも自治体により行われています。これにより、空き家を活用する方法に困って放置してしまうことを防ぐのが目的です。
また、自治体が進んで空き家を活用する例(公共施設などとしての活用)もあります。

2-4.民間の取り組み

空き家問題に対しては、民間企業や民間団体も様々な取り組みを行っています。

例えば、民間企業が行う空き家管理サービスがあります。
空き家を所有しているけど、管理が面倒で放置してしまっているという所有者も少なくありません。特に遠隔地に空き家を所有している場合、この問題は深刻です。そこで、所有者の代わりに定期的に空き家の管理を行うサービスが最近増えています。

費用の相場は月1回巡回してもらうので約1万円前後のようです。
空き家管理サービスを行っている企業を以下にあげておきますので、空き家を所有していてこうしたサービスを利用してみたい方はぜひ参考にしてください。

空き家管理サービス:大東建託グループ
~ 空き家管理の全国ネット ~【 日本空き家サポート 】

また、財団法人、公益法人、NPO法人といった民間団体も、空き家対策に取り組んでいます。以下、いくつか具体例を挙げますので、参考にしてみてください。

NPO法人 空家・空地管理センター【月々100円で空き家管理できます】
特定非営利活動法人 空き家コンシェルジュ
公益社団法人鎌倉市シルバー人材センター
一般財団法人世田谷トラストまちづくり

3.まとめ

空き家問題について書いてきましたがいかがでしたか。
この記事が、空き家問題に関心を抱く全ての方の参考になれば幸いです。

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