新生活の季節も近づき、様々な期待や不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。なかには引っ越しをするという方もいるでしょう。
引っ越しをするにあたって、注意しなければいけないことの1つに「騒音問題」があります。
新しく入居した部屋の隣人が毎日大音量で音楽を流している、毎晩飲み会で騒いでいるなど。逆に、自分は普通に生活しているつもりでも、気づかないうちに隣人に迷惑をかけている可能性もあります。
この記事では、アパートの騒音トラブルについての実態や対処法について解説していきます。
具体的な解決策についても解説しているので、現在騒音トラブルで悩んでいる方は、本記事を参考にし、実際に行動に移してみましょう。
また、騒音トラブルに遭わないために必要なことも解説しているので、これから引っ越しをするという方もぜひご参考にしてください。
目次
1.アパート騒音の被害に合った時の対処方法
ここからは実際に被害に合った時の対処方法について解説していきますが、その前に騒音問題についてどのような意見があるのか、どの程度の音から騒音になるのかについて見ていきましょう。
下記のツイートを見てもわかるように、騒音に関するネガティブな意見が多いです。
たまに鳴り響くアパートの騒音で目を覚ました…もうアパートなんて嫌だ…古くてもいいから一軒家に住みたい…
— かんかいまま (@k3taca) 2021年2月24日
朝からドカドカ音するなって思ったらお隣さんが引っ越してきてた。
ようこそ
騒音アパートへ— アキ (@1domodomo) 2021年2月13日
実際に筆者の大学時代もアパートで一人暮らしをしていましたが、隣の部屋から急に楽器の音が聞こえてきました。
アコースティックギターを弾いている音で、昼も夜も関係なしに聞こえて困っていたのですが、弾くのに飽きたのか数日で聞こえなくなったので幸いにもトラブルには発展しませんでした。
あれが数週間と続くようであれば、実際になにか行動をとっていたと思いますので、振り返ると身近にそういったトラブルは潜んでいるのだなと感じますね。
1-1.騒音と具体的な基準を知る
騒音の具体的な基準はご存知でしょうか?騒音といっても人によって捉え方は様々ですよね。
ちょっとした生活音は気にならないという方もいれば、耐えられないという方もいます。騒音の基準を明確にし、自分が我慢するべきなのか、抗議して良いのかを判断しましょう。
騒音の基準として「受忍限度」という言葉があります。
受忍限度とは定性的には「社会生活を営む上で、我慢するべき限度」のことです。
参考:耐え難い騒音-受忍限度とは - 日本騒音調査ソーチョー
40〜60デシベルの音は我慢するべき音の大きさとされています。具体的には、洗濯機や掃除機の音でも60デシベルを超える可能性があるため、時間帯や頻度などは気を付けなければいけないことがわかりますね。
ちなみに、布団叩きやピアノなどは約80デシベルとされています。
生活するなかで必須ともいえる洗濯機や掃除機でさえ、騒音トラブルのきっかけになることがわかりましたが、実際に騒音トラブルが発生した場合はどのように対処すべきなのでしょうか。
ここから、大きく分けて2つの対処法について解説していきます。
1-2.管理会社や大家さんに相談する
騒音トラブルが発生した際には、まず管理会社や大家さんに相談しましょう。
間違っても「仕返しをする」という方法はとらないでくださいね。より大きなトラブルに発展してしまう可能性が高いです。
騒音トラブルの場合、当事者間で争っても良い方向に進むというのは考えにくいので、管理のプロである管理会社と、貸主としての責任のある大家さんに相談してみましょう。
1-3.弁護士に相談する
もし、大家さんも管理会社も頼りにならない場合、法的に対処する方法もあります。
弁護士を通して対処する場合、内容証明郵便を送るなど相手側も対処せざるを得ない状態になるので、改善に向かう可能性が高いです。
内容証明郵便が届いた瞬間に相手側が萎縮してしまうというケースもあるので、効果は抜群です。しかし、費用も時間もかかるので、実際に弁護士に依頼するかどうかはしっかりと考える必要がありますね。
騒音を苦にして退去する場合、通常は退去費用を大家さんに求めることはできないとされていますが、弁護士を通じて請求すれば払ってもらえる可能性もあります。
2.アパート騒音・よくある問題のサンプル事例
アパートの騒音トラブルに関して、どういったトラブルが発生しているのか様々な事例を紹介します。
2-1.生活音
アパートのような集合住宅の場合、部屋と部屋が隣接しているため、ちょっとした生活音でも響いてしまう可能性があります。
- 洗濯機
- 掃除機
- テレビ、スピーカー
- 電話
- 話し声
引っ越し作業中や、家族が家にいるとき、自宅で飲み会をしているときなど、想像以上に響いていることがあるので注意しましょう。
2-2.楽器演奏の音
アパートにおいて楽器の音はとても響きやすいです。
- ピアノ
- ギター
- ドラム
契約書に楽器不可と明記されている場合もあるので確認しましょう。音量や時間帯など常識の範囲内で演奏する必要があります。
2-3.子供の泣き声・ペットの鳴き声
子供の泣き声、ペットの鳴き声にも注意が必要です。
子供については走り回る足音なども近隣に響くため、0にはできないとしても可能な限り気をつけましょう。
ペット飼育可の物件でもペットを飼っていないお部屋もあります。頻繁に鳴き声などが響かないようしつけが必要ですね。
3自分がアパート騒音の加害者にならない為に必要なこと
騒音問題は被害者ばかりが話題になりますが、普段の会話やテレビの音など普通に生活しているつもりでも、知らない間に加害者になっているケースもあります。
ここらからは、自分が加害者にならないために気をつけるべき点について解説します。
3-1.防音性の高い物件を選ぶ
建物の防音性は建築構造によって変わります。どれだけ生活に気をつけていても、元々壁が薄いような建物の場合、対策にも限界がありますよね。
防音性の高い建築構造は下記の通りです。
木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造
一番防音性が高いのが鉄筋コンクリート造で、逆に一番低いのが木造です。
もちろん鉄筋コンクリート造だからといって、全く音がしない訳ではありませんが、木造と比較し同じ生活をしていても響きにくいのが特徴です。
子供の足音が気になるようであれば、下階のない1階部分を選ぶのもオススメです。
3-2.過去の騒音トラブルを調べる
入居する前に過去にトラブルがあるかを調べましょう。
騒音問題などが発生した物件では次の入居者に対してその内容を伝える「告知義務」があります。
案内をしてもらう不動産屋に過去にトラブルがあったかを聞いてみましょう。その段階で怪しい場合は別物件を探すのがいいでしょう。
3-3.居住者の家族構成を調べる
アパートに住んでいる他の世帯の家族構成を調べましょう。
不動産屋に質問するだけでなく、他のお部屋の間取りや、アパートの駐輪場、駐車場なども自分の目で確認することによって家族構成をイメージできます。(広い間取りの部屋が多い、子供用の自転車が多い、大きなサイズの車が多いなど)
ファミリー世帯が多いようであれば、子供の泣き声や足音もお互い様ということで、優しくしてくれる可能性もあります。
学生さんの場合、学生しか住んでいないアパートなどもたくさんあります。同じ生活スタイルの人が多い方が安心感もありますよね。
3-4.角部屋を選ぶ
採光、通風だけでなく音という観点からも角部屋はオススメです。
単純に他のお部屋と接する部分が少ないため、騒音問題が発生する確率も低くなります。
3-5.曜日・時間帯を変えて複数回内見をする
物件を内見する際には可能な限り、曜日や時間帯を変えて複数回内見することをオススメします。
曜日や時間帯が変わることによって、一度の内見では気づかなかったことに気づけることがあります。
平日と休日で世の中の動きも、人の生活も異なるので、音を確認する場合、隣接住戸に人がいそうな時間を狙って内見しましょう。
3-6.引越し後すぐに挨拶する
騒音問題を発生させない、もしくは円満に解決するために必要なことは人間関係です。
最近では引越しをした際にご近所に挨拶しないことも多いですが、顔を知っている人と知らない人とでは我慢できる許容量も変わりますよね。
隣に引越してきたことを知らず、空室だと思って大きな音を出して生活していたということもあるようなので、引越し後はなるべく早く挨拶し、近隣の方とコミュニケーションをとるようにしましょう。
4.アパート騒音問題のまとめ
アパートにおける騒音問題の実態と対処法について解説しました。
騒音の具体的な基準として我慢するべき限度である「受忍限度」という基準があります。洗濯機や掃除機などの音でも「受忍限度」を超えることもあるので、時間や頻度に注意しましょう。
被害にあった際には、決して「仕返しをしよう」とは考えずに、管理会社や大家さんに相談しましょう。
もし、管理会社や大家さんが頼りない場合、費用や時間がかかるデメリットもありますが弁護士に相談する方法もあります。
また、無意識のうちに加害者側にならないよう気をつける必要があります。
物件選びや引越し後の挨拶など、トラブルを避けるためにできる限りの準備をして損はありません。
この記事が、騒音トラブルで悩んでいる方、これから引越しをするという方の参考になれば幸いです。