「窓用エアコン」をご存知でしょうか?通常壁に取り付けるエアコンですが、窓用エアコンは窓に枠を付けて取り付けるタイプのものです。
「窓用エアコンと壁掛けエアコン、電気代はどちらが安い?」
「窓用はよく冷えるの?」
「窓用エアコンのメリット、デメリット、用途を知りたい」
この窓用エアコン、知名度は低いようで、大事な存在理由がありました。電気代他コスト面や特徴など、どんなものなのか、気になりますね?
そこで今回は「窓用エアコン 電気代」を分かりやすく解説します。「もうひと部屋つけたい人」「自分の部屋に欲しい人」「コストを検討している人」必見です!
目次
1.窓用エアコンとは?【設置など特徴は?】
「窓用エアコン」は本体を窓枠に取り付けるだけで使用できるタイプのエアコンです。ウインドエアコンとも呼びます。
一般的な壁掛けエアコンは室外機ほかのエアコン工事が必要ですが、窓用の場合は工事が不要で簡単に設置可能なため、賃貸物件でも比較的気軽に取り付けが可能になっています。
世の中のシェアで言えば壁掛けエアコンが95%以上(2018年)と、圧倒的主流なのですが、シェアの高いコロナやハイアールなど、複数のメーカーから毎年新型商品が発売されています。
窓枠に取り付けますが、窓用エアコンのサイズは窓片側の半分ほどのため、窓の開閉は可能です。
出典:エアコンディショナーの現状について(経済産業省・資源エネルギー庁)
2.窓用エアコンの電気代は安い?【壁掛けエアコンとの比較】
ネット上の知恵袋などでもさかんに調べられていますが、電気代では壁掛けエアコンの方が安く、窓用エアコンが1日あたり約131円、壁掛けエアコンは1日あたり約94円と、壁掛けエアコンよりも窓用エアコンのほうが、電気代が3割からそれ以上高くなります。
部屋が広め、日当たりがいいなどの設置環境によっては壁掛けエアコンの2倍の消費電力になってしまう場合もあります。
1日 | 1週間 | 1ヵ月 | 1年 | |
---|---|---|---|---|
窓用エアコン | 131円 | 917円 | 3,930円 | 11,790円 |
壁掛エアコン | 94円 | 658円 | 2,820円 | 8,460円 |
2−1.窓用エアコンはなぜ電気代が高い?
窓用エアコンは室外機がないためインバーター制御の機構が付けられず、室温に合わせた強弱の自動運転調整ができないというのが、比べた時電気代が高くなってしまう原因です。室温が下がっても一定の運転を続けてしまうため、電気の消費量が下がらないのです。
したがって「エアコンは24時間つけっぱなしの方が電気代が安い」場合があるのは壁掛けエアコンの場合のみです。
エアコンはつけた当初や急に外気温が上がった際に、暑い部屋を冷やすべく全力運転する時に消費電力が上がるため、それを平均化するのがつけっぱなし節電の意味なのですが、窓用エアコンは室温感知がないので、関係なくコストは一定です。
また、壁の穴だけを丁寧にふさげばよい壁掛けエアコンに比べ、幅広い取り付け面積の窓用エアコンは、設置した場所のスキマふさぎが不十分だと冷却効率もロスしがちなので、その分でも電気の消費量は、いくぶん不利にならざるを得ません。
3.窓用エアコンのメリット
3-1.設置が簡単
何といっても窓用エアコンは設置が簡単です。フロンガスの配管・ドレーンホース不要のノンドレーン設計・さらに200V配線工事や室外機の設置も不要で、構成部品は本体のみというシンプルさです。
ただし100V動作と言ってもそれなりに消費電力がある関係で、室内でのタコ足配線は危険、かつブレーカーが落ちやすくなります。壁のコンセント直挿しなどが難しい場合、ブレーカーからの専用配線が必要になる場合が有ります。
3-2.コストが安い
工事費は依頼しても2~3割程度ですが少し安くあがります。工具はドライバーセットくらいでOKなため、DIYでの設置も可能で、素人が30分程度で完了できることもあります。本体の価格も壁掛けに比べて少し安くなっています。
3-3.設置場所を選ばない
壁掛けエアコンでは、ベランダがないなどから室外機の設置が困難だったり、配管が長くなってしまう場合も、室外機がないため、その辺置き場所の問題がありません。
設置の際に、せいぜいネジ穴を開ける程度で建物の現況有姿をほとんど損ないません。賃貸物件の入居者が物件オーナーに断ったうえで、自分で設置することも可能です。ただし、隣室他周囲への騒音などの配慮は必要になると思われます。
物件オーナーも、最初からエアコンが備わってない点、熱中症が問題になっている昨今、せいぜい何カ所かネジ穴を開けるだけで済む点などから、寛容に対応してくれるはずです。
また、退去時に窓用エアコンが次の引っ越し先で不要な場合、オーナーに相場に応じた買い取りの請求を打診してみることもできます。(必ず買ってくれるとは限らない)
4.窓用エアコンのデメリット
4-1.音がうるさい
禁煙ではかなり静音設計になってきていますが、室外機に相当するファンの音が本体から発するため、窓のそばで音が聞こえます。これは周囲だけでなく使用する人も感じられると思います。
古い型、長く使った型ほど作動音は大きくなるため「窓用エアコンは音が大きい」という印象を持たれがちですが、最近の機種は音の原因であるコンプレサーの停止する際の音を軽減するようになっているものもあり、進歩をしているようです。
4-2.冷暖房能力が低め
従来の壁掛けエアコンに比べると、部屋を適温にする能力が低めです。あまり広い部屋に使えず、8畳くらいまでと考えた方が良いでしょう。これは想定用途や構造を考えると、やむを得ない部分です。
冷えが良くない時は、送風を活用したり、扇風機やサーキュレーターと併用して使う方法があります(電気代が更にかかるのが悩みとなりますが)
4-3.電気代が高い
前述のようにインバーターの制御がないので、一定の力で回りっぱなしとなります。こまめに温度設定を変える、メンテナンスをまめにするなど工夫して、いくらかは電気代を安くすることは出来るでしょう。
フィルターやノンドレンの機構の清掃、スキマふさぎの状態やがたつき、傾きを直すなどで、電気代が安くなるそうです。
4-4.窓半開きの不安
窓用エアコンは使用する時に窓の開口部から空気の取入れ・排出を行うため、窓が半開きとなります。利用しない時の気密低下や、特に1階では防犯上の手薄さが気になります。
しかしこれに対策されないはずはなく、最近のモデルは薄型になっていて室外に本体がはみ出さず、使用しない時は窓を閉めることができるようになっています。(誤って窓を閉めたまま運転すると、まったく効かないだけでなく、エアコンや窓を破損する可能性があるため、要注意です)
また、窓を半開きにしたまま固定して開閉ができないようにする防犯カギは本体付属のもの以外に、市販もされていますので、追加して使えば安心です。
4-5.窓用エアコンの取り付け方法
窓用エアコンの設置段取りはとても簡単です!
窓用エアコン 取り付け順序
- 設置場所確認(風通し・窓の構造・音の影響・雨の影響など)
- 窓枠の組み立て・窓ストッパー取り付け(窓枠に別の金具を付ける場合も)
- 窓枠を窓に取り付け固定する(ネジを締めるのみ)
- エアコン本体を窓枠に取り付ける(ネジを締めるのみ)
- 窓パッキンの取り付け(ハサミで切って貼る)
- 窓の追加カギを取り付ける(ネジ止めのみ)
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4-6.窓用エアコン 取り付け時の注意事項
機種選びの段階で確認することとして、適応畳数=対応する広さ、冷暖房か冷房専用か、その窓に取り付け可能か、電源は対応可能かなどを調べておく必要があります。
また、取り付けの際本体はそこそこ重いので2人で作業を行いましょう。電動ドライバーがあれば作業が大変楽なので、あった方が良いです。
5.窓用エアコンの用途
窓用エアコンは北海道や東北など、冷房の使用頻度のあまり高くない地域では比較的よく使われています。それ以外の地域でも、あまり使用しない部屋に補助的に設置するのには好都合でしょう。
5-1.賃貸物件での活用
また、賃貸住宅では建物の状況や電圧など、設置が難しい古い賃貸物件などに後付けする場合や、前述のようにお部屋の住人が希望して自らつけるケースでも活躍しそうです。
設置コストが安いので、大家さんが自分の物件用に取り付けることも考えられますが、その場合入居者から空調能力や電気代で、不満が出ることも考えておきましょう。
6.「窓用エアコン 電気代」のまとめ
以上、「窓用エアコン 電気代」というテーマで解説をしました。窓用エアコンの概要やコストは、理解をいただけたでしょうか?
日本の夏は年々暑く、熱中症他で命の危険を伴う状況になりつつあります。高齢の人は暑さを感じにくいなど、特に危険がありますので、簡易的な窓用エアコンでも、積極的な利用をおすすめしたいです。
- 「窓用エアコン」はシェアは低いが設置場所を選ばず工事も簡単なため、ニーズは絶えない。
- 窓用エアコンは壁掛けエアコンよりも工事費・本体価格は安いが電気代は3割強ほど高くなる。
- あまり使わない部屋に簡易的に付けたり、賃貸物件に入居者が付けるのに向いている。