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一般コラム

3Dプリンターで家を作るのが当たり前になる?メリット・注意点についても解説!

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3Dプリンターで家を作るのが当たり前になる?メリット・注意点についても解説!

価格が下がり、一般家庭にも急速に普及しつつある「3Dプリンター」。仕事よりも趣味の道具というイメージが強いですが、3Dプリンターで家を作ろうという試みが始まっています。

「3Dプリンターで家は作れるの?」
「日本での法律は適合する?」
「メリットやデメリットは?」
「安全性が知りたい」

海外ではすでに、3Dプリンターで作った家に住んでいる人さえいますが、3Dプリンターには、既存の建築にない大きなメリットがあるのです。気になりますね?

今回は「3Dプリンター 家」についてのお話をします。住まいや家づくりの未来に関わるお話。興味は尽きません!

1. 3Dプリンターで家は作れる?

1. 3Dプリンターで家は作れる?

3Dプリンターによる自由な素材整形を活かした家づくりへの試みは、世界中で進んでいます。

1-1.世界での現状

オランダで3Dプリンター建造の94平米、2LDKの平屋の住居が賃貸募集され、 家賃月800ユーロ(約10万円)で入居者が決まりました。こんな前衛的なデザインの建物です。

ほかにも、米国では3Dプリンターで建設した建売住宅が登場したり、コミュニティ(複数戸の住宅から成る小さな共同体)が建造されたりし始めています。

オランダでは、 3Dプリンターによる住宅技術がSDG'sに貢献すると考えられています。

「オランダの先進技術で、サステナブルで、手ごろに提供できる住宅環境を世界に提案していきたいと考えています。私たちが目指すのは、最新技術により、廃棄物を減らし、より手ごろな価格の住宅を実現することです。」

出典:suumoジャーナル

この考え方の一つの解答として、「プロジェクト・マイルストーン」と称して全5戸の3Dプリンターハウスのコミュニティづくりを行うこととし、第1戸目が完成しました。このプロジェクトは、自治体や大学、民間企業などとも連携して取り組まれています。

サステナブル=文字通り継続の名のもと、官・学・産一体になっての動きが始まっていることになります。

1-2.日本での現状

日本でも3Dプリンターによる住宅建設を目指して起業した企業「セレンディクスパートナーズ」によるプロジェクトが進行しています。鉄筋などの構造体を必要としない球体の住宅開発が3Dプリンターで可能となり、 なんと 30坪300万円という価格も構想として発表されています。

全体を球形にすることで構造的な強度も担保しながら、鉄筋などの構造体を必要としない球体の住宅開発を目指しており、またその方式によって、3Dプリンターと複合素材を用いて わずか24時間での完成も可能となるのだそうです。

また大手ゼネコン・清水建設の技術研究所では、3Dプリンター導入のための実験設備が新設されており、埋め込み型枠の造形のための繊維補強モルタルを開発しました。

これは構造物全体をプリンターで出力するものではありませんが、プリンターで型枠を造り、鉄筋を入れてモルタルを流し込むことで、従来のコンクリート柱以上の強度を確保することに成功しています。

法制度の改正や技術開発により、今後3Dプリンター住宅の施工の可能性は高まってくるでしょう。

1-3.3Dプリンター住宅の建設方法

住宅施工に3Dプリンターを使用するには、3つの工法があります。それぞれ耐久性など一長一短の違いがあります。

大型3Dプリンターで造る巨大な3Dプリンターを住宅の建設予定の場所に設置し、そこで材料を積み上げ建設する方法。仮設足場を建て、3Dプリンターを設置して現場で3Dプリンターを使って建設する。

一般的な建築の場合であれば、多くの職人や時間が必要となるが、3Dプリンター住宅の場合、3Dプリンターのオペレーターと数人の作業員がいれば、作業が可能。

凝固剤を使用して削り出す砂のような素材に凝固剤をかけて固めた建材を、掘り出していく建設方法。実際に使われる素材はさまざまで、詳細な建築方法は素材によって違いがある。新興国や災害現場などで使う場合などもあり、柔軟な素材選びが行われる。

ただし、強度面で他の工法のほうが良いため、通常時はあまり用いられない。

工場でパーツごとに生産する3Dプリンターが設置されている工場でパーツを生産し、現地で組み合わせていく方法。

特にマンションのような、巨大プリンターが設置困難っであったり、部材自体が大型の場合の住宅を建てるのに向いた方法。

 

2. 3Dプリンターとはどんなもの? 家庭でも使える?

2. 3Dプリンターとはどんなもの? 家庭でも使える?

そもそも3Dプリンターとは、どんなものなのでしょう?まだその姿かたちを見たことがない人が大多数かも知れませんね。

3DプリンターはCADデータを入力するだけで、フィギュアなどの立体的な作品を簡単に作り出せるパソコン用の出力デバイスです。紙を印刷するプリンターの要領で3次元の物体の形成ができるものです。

最近では業務用だけでなく家庭向けの低価格商品も増え、趣味などで利用する人も増えてきました。

操作の上でかならず専門的な知識が必要と言うわけではなく、専用ソフトや無料ソフトを使い、写真やイラストをスキャンして3Dデータを作成するだけでも、立体を製作することが可能となっています。

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3. 3Dプリンターで家を建てるメリット・デメリット

3. 3Dプリンターで家を建てるメリット・デメリット

さて、では少し時間がかかっても、あなたは3Dプリンターで家を作れるのでしょうか?

メリットが凄いことは分かっているのですが、現状最大の問題は、「日本ではまだ、小さな建物しか建築の許可が下りない」ことです。

3-1.メリット

建築コストが安い3Dプリンター住宅は従来の建築方法と比べると数十分の一、数百分の一ほど、建築コストが抑えられる。
人手がかからない人手をほとんど必要としない。3Dプリンターの導入は建設業界の人手不足の解消につながる。
建築スピードが速い3Dプリンター住宅は24時間ほどで建てられた事例もあり、通常の住宅では不可能なスピードで、建築コスト削減にも貢献。
曲線の建築物を造れる曲線のように形状が複雑な住宅でも対応しやすい。家を建てられる面積が限られている場合や、ほかにはないデザインを求める人に需要がある。

コストが大幅に削減されるほか、色々な形を簡単に作れることは、軽量で簡素な構造でも強度を確保しやすい形を割り出して作れることにもなります。可能性は無限にあると思われます。

3-2.デメリット

基礎工事に対応できない日本の住宅の基礎工事に対応できない。鉄筋を内部に入れて強度を上げる必要があるが、3Dプリンターは鉄筋を入れるなどの作業に対応しない。
住宅設備工事に対応できない電気やガス、給水・排水などの住宅設備はできず今後も人手が必要になることにかわりはない。
日本の建築基準法に適合しない3Dプリンター住宅の施工方法は日本の建築基準法に対応しておらず導入できない。コンクリートに使用できる素材や工事方法が定められているため。
雇用や産業構造に影響がある合理化や新技術の反面、従来の職工や工務店などのポジションを奪う可能性がある。

基礎構造や素材について、建築基準法に準拠しないでできる建物の面積の限界は10㎡=6畳ひと間より狭い5.4畳です。これが現状3Dプリンター住宅の最大のネックとなっています。

4. 3Dプリンターの家の耐震性や耐久性は?

4. 3Dプリンターの家の耐震性や耐久性は?

冒頭の方でご紹介した清水建設の型枠製作は、プリンターで基礎や構造を作るものではなく、あくまで鉄筋コンクリートの型枠、それも実験段階です。

常に台風や地震と戦ってきた日本の気候風土では、どんなに強度の強いコンクリートでも、そもそも鉄筋が入っていない状態の現状の3Dプリンターの工法で、日本の住宅の基準を満たせるかどうかは、現状では未知です。今後のテストと改良に依存することになります。

建材の耐候性・耐久性による経年変化も、現在まだ日本の気候におけるデータは蓄積されていない状態ですので、これからの課題です。

4-1. 国土交通省のi-Construction(i-コンストラクション)

日本の行政も保守的に手をこまねいているだけではありません。国土交通省は建設業界の未来のためにi-Construction(i-コンストラクション)という取り組みを行なっており、最新技術の導入などを通じて建設業界の生産性の向上を目指す動きを開始しています。

令和元年には、3Dプリンターを駆使したセメント系ハイブリッド3Dプリンターの開発に950万円の交付金を交付しています。国も3Dプリンターを建設業界に導入することに前向きではあるのです。

4-2.日本で3Dプリンター住宅を建築する方法

日本で3Dプリンター住宅を建築する場合、まったく方法がないわけではなく 建築確認申請が不要な現場でのみ、導入は可能です。(3Dプリンター住宅の仕様が建築基準法と適合しないため)

建築確認申請が不要になるのは以下の場合です。

1.10平方メートル以下の建築物であること
2.増築・改築・移転であること(新築の場合は不可)
3.防火指定のない地域(防火地域・準防火地域以外の地域)であること

つまり 小さめの事務室か書斎、勉強部屋などが対象となる感じです。

都市計画区域外であれば10平方メートル以上でも建築できる場合がありますが、建築確認申請が必要なケースがあるため、確認が必須です。

5.「3Dプリンター 家」についてのまとめ

3Dプリンターで家を作るのが当たり前になる?メリット・注意点についても解説!

以上、「3Dプリンター 家」というテーマでのお話をしました。3Dプリンター住宅の可能性と、問題点などは、理解を頂けたでしょうか。

この工法の導入が、家づくりの画期的なターニングポイントとなるのは、間違いのないところでしょう。せっかくの夢の施工法なのに、「建築基準法なんて歯がゆいなあ」と感じた方も多いかも知れません。

ただ、「走ることの危険性」も、考えざるを得ません。家は命を守るものでもあるので、安全だと言い切れないものを大っぴらに許可して「どんどん作って!」とは言えないだろうというのは想像はつきます。(ただ、沢山の事例にあたれば当たるほど、早く検証ができることは間違いがありません。)

沢山の事がらが検証待ちです。「地震にどこまで耐えるか」「台風で吹き飛ばないで済むか」「何年経っても健康被害は起きないか」「何年経っても劣化してひび割れたりせずに済むか」etc,

劣化に関しては「安いから買い替えようよ」で済んでも、他の点は価格と命を引き換えに出来ない分、どのように、実際に供用し、ノウハウを磨いてゆくのか、悩ましい部分となるでしょう。

また、この技術は、普及と引き換えに既存工法の職人さんや、建材製造販売の職にあるひと、商品の営業マン他、相当の数の人の仕事がなくなることがはっきりしています。

家電・IT・自動車産業などと同様、日本の産業構造の曲がり角に関係する技術だけに、その点でも急速な変革は危険だと言われてしまうのです。

そんなさまざまな事情はあるものの、デザイン・コスト・住宅性能など未来への期待たっぷりの3Dプリンター住宅。ぜひ早く住み心地を試してみたいですね!

「3Dプリンター 家」 のポイント
  • 3Dプリンター施工の家は、海外でも日本でも研究が進み、実験段階にある。
  • 3Dプリンターとは、CADデータの入力で、様々な素材の立体の造形物を出力できるもの。家庭用にも普及が進み始めた。
  • メリットは数十万円台から買えるというコストの安さと、工期の短さ、デザイン性の高さ、エコロジー性能など。
  • 日本の建築基準法では、住宅に適する広さの建物について認可が出ないため、実験段階の状態。期待が高まる分野なので、今後の実用化の進展に注目!
  • この記事を書いた人
松崎サブロー

松崎サブロー

イエベストの編集長です。宅地建物取引士。不動産会社では不動産投資、不動産売却、不動産賃貸、不動産管理など幅広く担当。 不動産に関わる難しい知識を初心者にもわかりやすい正しい情報として提供することを心がけています。

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