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一般コラム

長期優良住宅のメリットは税金控除?逆に後悔した人の事例も解説!

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長期優良住宅のメリットは税金控除?逆に後悔した人の事例も解説!

戸建新築を考える人には大変気になる「長期優良住宅」。メリットは色々あっても、なにやら新築時のイニシャルコストがかかりそうです。

「長期優良住宅とは?最新の情報は?」
「メリットとデメリットは?後悔する?」
「どのくらいの金額が得になるの?」
「申請は自分でできる?」

これから作る家を長く住み良いものにするためのひとつの基準といえる長期優良住宅ですが、「必要ない」という声もないではありません。気になりますね?

今回は「長期優良住宅」についてのお話をします。家づくりの経費や維持の基本にもなりますので、ぜひ参考にしてください。

1. 長期優良住宅とは?【最新情報】

1. 長期優良住宅とは?【最新情報】

長期優良住宅とは、簡単に言えば「安心して長く暮らせる住宅」です。将来起こるかもしれない地震や家の劣化への対策をしっかりしている、省エネルギー性などに優れている住宅のことで、申請を行うことで長期優良住宅として認定されます。

平成20年に長く使える優良な住宅の普及を目指して「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」ができ、一定の基準を満たした長期優良住宅を購入した人にさまざまなメリットを与えることで、長期優良住宅の普及を図っています。安心して長く暮らせる家の普及、技術や業者の基準アップによって国民の暮らしを守ろうという政策です。

1-1.長期優良住宅の基準

長期優良住宅として認定されるためには、以下の基準を満たす必要があります。

認定条件詳細
劣化対策骨組み部分が、少なくとも100年程度継続して使用できること・木造の場合、床下および小屋裏に点検口を設け、床下空間にメンテナンスを行えるだけの有効な高さを確保すること
耐震性震度6以上の地震が発生した場合でも住人の安全確保ができること・地震の被害を受けた場合でも改修して住み続けられるように、損傷を抑えられる建物であること
省エネルギー性省エネルギーに配慮された住まいであること・気密性・断熱性を高め冷暖房費用を抑えることで環境に配慮すること
管理や維持がしやすいかどうか簡単にメンテナンスできるように配慮されていること。(床や壁などを壊さずに配管の点検交換が行えるなど)
可変性
(共同住宅等)
将来のリノベーションのしやすさ。ライフスタイルの変化などに応じて間取りの変更が可能な造りであること
バリアフリー性
(共同住宅等)
将来的にバリアフリー改修に対応できるように、共用の廊下などに十分なスペースが確保されていること・段差がないこと。
居住環境これから建てる住宅がその地域の景観などに調和していること
住戸面積快適な住まいを確保するための広さがあること・一戸建ての住宅の場合は延床面積75㎡、共同住宅などの場合は55㎡以上が基準(ただし、所管行政庁が別に面積要件を定めている場合は、そちらに従う)
維持保全計画将来を見据え点検や補修などに関する計画が立てられていること

家が長く使われる基準として、周囲の景観と調和するかどうかが問われるのは面白いですね。どんな基準なのでしょうか。

これらの項目を満たす事で、優遇措置を受けられます。優遇措置は主に税金面で、様々な項目で優遇期間の延長や税率変更が行われます。

2. 長期優良住宅のメリット・デメリット【後悔する?】

2. 長期優良住宅のメリット・デメリット【後悔する?】

2-1.メリット

税金の優遇を中心に、メリットはこんなに多岐に及びます。表組みで細かい項目が続きますが、根気よく目を通してみてください。

税制のメリット
税の特例措置税の種類長期優良住宅の場合一般住宅の場合
所得税の住宅ローン控除年間最大50万円へ控除額拡大年間最大40万円の控除
不動産取得税1300万円へ控除額拡大通常1200万円の控除
登録免許税不動産価格の0.1%不動産価格の0.15%
固定資産税一般住宅の2分の1に減額(5年間)(一戸建ての場合)一般住宅の2分の1に減額(3年間)(一戸建ての場合)
税制以外のメリット
住宅ローンの
金利引き下げ
長期優良住宅を購入する場合、一般住宅よりも住宅ローンの金利が優遇される。
補助金の交付省エネルギー性能や耐久性能などに優れた木造住宅を新築する場合などに、補助金が交付される。(地域型住宅グリーン化事業(長寿命型))
資産価値が明確になる長期優良住宅と認定されることで、価値のある家であることが明確に。将来、住宅売却を考えた際にもスムーズに話を進められる可能性が高くなる。
地震保険料の割引※重複割引不可割引の種類 耐震等級3 耐震等級2
耐震等級割引50%割引30%割引
免震建築物割引50%の割引が適用

このように、こと細かな優遇をいかに活用するかで、メリットは拡がります。

2-2.増改築にも適用されるメリット

新築のみでなく増改築の場合でも、以下のように一定の要件を満たす工事(長期優良住宅化リフォーム)を行った場合、所得税額の控除を受けることができます。

税 目内 容税の担当窓口
所得税
(投資型減税)
工事内容に応じ 標準的な工事費用相当額10%を控除
・耐震または省エネ+耐久性向上の場合  最大控除額 25万円
・耐震+省エネ+耐久性向上の場合  最大控除額 50万円
※太陽光発電を設置する場合は最大控除額の割増あり
各所管の税務署
所得税
(ローン減税)
工事内容に応じローン残高の一定割合を控除
最大控除額(5年間) 62.5万円
固定資産税減額割合 2/3
減額期間 1年間など
23区:各所管の都税事務所
23区以外:各市町村

※ローン減税、投資型減税はいずれかの選択適用(併用は不可)

出典:東京都住宅政策本部

2-3.デメリット

まず、追加コストとして認定を受けるための申請の手続きなどに5万~15万円ほどの費用がかかります。

また、基準を満たす導入必須の設備や施工費などの建築コストも割高になり、一般に通常の住宅より1割から3割増しの費用がかかることになります。これは、その分住宅性能にコストをかけたと考えるかどうかでしょう。

そして、建った後のこともあります。長期優良住宅は5年ごとに、点検、補修、修繕、交換など維持保全について記録を残す義務が発生します。維持保全の義務は30年です。安心である反面、業者に依頼して有料で行うとコストがかかります。

この保全基準は、結構厳しめの表現がされているのですが、普通に問題が起きたらどのみちその補修が必要な状況でもあり、施工メーカーの無償点検期間が過ぎたら、自分で点検を行って提出することも可能です。

また、仕様だけ法規に合わせて性能の出ていない「なんちゃって長期優良住宅」が数多く市場に出ている説もあります。実際に長持ちしないなら意味がありませんので、施工者とよく話し合って予算との兼ね合いを見出しましょう。

3. 長期優良住宅はどのくらいお得?【具体的な試算を解説】

3. 長期優良住宅はどのくらいお得?【具体的な試算を解説】

では実際に長期優良住宅を作ってお得なのか、試算を見てみましょう。

(借入金額3500万円・変動金利・住宅本体評価1800万・年収440万円 として計算)

追加出費要素
申請費用長期優良住宅認定の申請手数料、評価を行う機関への事前申請費用   16万円
維持保全記録30年間5年ごと。初期10年はメーカー義務。以降20年間も自分で行える。   0円
お得になる要素
固定資産税軽減一般住宅は固定資産税が1/2になる期間が3年のところ、長期優良住宅は→5年に延長。

固定資産税額13万円として、 13万×1/2×2年= 長期優良住宅が13万円のお得。

住宅ローン減税所得税15.5万円 10年間で約150万の控除額。所得税は3,500万円×1%=45万円まで控除を受けられるが、実際の額15.5万円が上限となる。

=年収440万円の場合、長期優良住宅分のお得はなし。

個人住民税控除住民税からの控除 上限額13.65万/年

この額も一般住宅と変わらず =長期優良住宅分のお得はなし。

不動産所得税の軽減住宅評価額:1,295万 土地評価額:750万
住宅1295万-1300万×3%=(計算がマイナスになるため)0円
土地750万-1300万×3%=(計算がマイナスになるため)0円この額も一般住宅と変わらず =長期優良住宅分のお得はなし。
登録免許税の軽減一般住宅税率0.15%  長期優良住宅税率0.1%
登録免許税=固定資産税評価額×税率なので、一般1295万×0.0015=19,425円
優良1295万×0.001=12,950円差額。19,425円-12,950円=6,475円 = 長期優良住宅が6,475円お得。
ローン金利優遇される場合あり。(フラット35は優遇対象) =ケースバイケース

このケースで言えば、差引1万3525円のマイナスとなり、目先のプラスマイナスで言えば、「お得!」なわけではないことが分かります。また、ここでは敢えて計上していませんが、材質や工程が多くなるため一般住宅よりも建築費用が1割から3割アップします。(これは自主的に住宅性能アップを望んだとも考えることができる)

ただし、年収800万円以上・施工価格5000万円以上の場合、控除の上限等をフルに活用できるため、メリットが出て来るようです。また、手放す際の資産価値については、通常の住宅よりも、プラス分が期待できる可能性はありますね。

更にこの試算にはローン金利の優遇と、自治体の助成金は含んでいませんので、それらも計算に入れると、また結果が変わってきます。

何を重視するかなのですが、捉えようによっては、下のような「長期優良住宅不要論」もあります。

<訂正版>長期優良住宅があまり役に立たない理由|性能面と税制面に分けて得になる条件を解説【家づくりコラム】

#211 長期優良住宅は必要?長期優良住宅は安心なのか?10年後の修繕費について タマホーム 大安心の家 字幕付き

※【長期優良住宅認定の問題点】

4.長期優良住宅は自分で申請できる?【具体的な手続きの流れ

4.長期優良住宅は自分で申請できる?【具体的な手続きの流れ】

申請の流れとしては、登録住宅性能評価機関で事前審査を受け、この登録住宅性能評価機関で条件をクリアしていれば「適合証」がもらえ、これを持って所管行政庁に申請に行くということになります。

※思いのほかシンプルな申請書です。
申請様式:認定申請書(第一号様式・国土交通省)

所管行政庁ではさらに詳しい審査が行われ、この審査もクリアすると「認定通知書」がもらえます。

自分で申請を行えば、代行費用の節約とはなります。しかし、審査項目の専門知識を要求されること、書類作成に作成に時間がかかること、評価機関から返ってきた指摘に対してどう対応すれば良いか知識が必要となります。

最初からスキルのある人か、専門家のバックアップがあれば可能ですが、素人がこれらの点をクリアするならば、10万円ちょっとは払ってしまった方が良いと思われます。

5.「長期優良住宅 メリット」についてのまとめ

長期優良住宅のメリットは税金控除?逆に後悔した人の事例も解説!

以上、「長期優良住宅 メリット」というテーマでのお話をしました。制度の概要と、自宅施工の用途に合っているかなどは、理解を頂けたでしょうか。

制度がスタートしてからまだ10年と少しですから、メンテナンスで生じた問題や、中古で売る時の相場の優位性などは鮮明にはなってきていません。制度の技術も進歩するものですので、まだ「これから」という要素もたくさんあることでしょう。

「長期優良住宅=さして得がない」と思われるとしても、この制度に乗ってみるとよい理由は、住まいについて何を重視するかというウエイトを見つめ直すことができるからだと思います。

限られた予算の中から「お金を掛けたい部分」は通常、デザインや意匠や、快適性など、誰しもが分かりやすいメリットに走りがちなところを、長く住めるというポイントに着目することで、30年後の自分と家族と自分のありかた、その家の様子などを思い描いて、プランを立てます。夫婦の在り方、家の使い方、子供たちに何を渡すか。

これはとても価値あることではないでしょうか。その先読みがズレたとしても、ズレたと分かる。

また、施工者にまかせっきりではなく、その時最新の「長持ちする家」の技術上の要件に敏感になるチャンスでもあります。建った当初はその劣化など、だーれも考えません。しかし長期優良住宅を意識すればどんな素材が、どんな施工が、どんな間取りが長く住むのに向いているのか、知ることができるのです。

使い勝手が悪かったり、すぐ劣化してしまうような家は、いくら安くとも住む人が早く居なくなり、そのあとは巨大な産業廃棄物です。壊せば大量の廃材が出て、200万~300万円かかることを思えば、環境配慮のことも頭に浮かびますね。

「長期優良住宅 メリット」 のポイント
  • 長期優良住宅は「長く安心して住める家」の認定制度。
  • 規定に沿って施工の上申請し、認定を受けると税制ほか様々な優遇が受けられる。
  • 施工時のコストや申請費用、居住後の定期点検費用など掛かるため「お得度合い」はケースバイケース。
  • 施工する場合はただ認定をもらうだけでなく、長持ちの取り組みを。

出典:東京都住宅政策本部

  • この記事を書いた人
松崎サブロー

松崎サブロー

イエベストの編集長です。宅地建物取引士。不動産会社では不動産投資、不動産売却、不動産賃貸、不動産管理など幅広く担当。 不動産に関わる難しい知識を初心者にもわかりやすい正しい情報として提供することを心がけています。

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