スマホ1台で家計簿がつけられる家計簿アプリ。スマホや電子マネーの普及に伴い、アプリの利用者は増えてきました。
しかし、家計簿アプリの多くはクレジットカードや銀行口座を連携して利用するので、情報漏洩などのリスクがないか不安に感じている方も多いでしょう。
いくら便利なサービスとはいえ、口座情報などが流出するリスクがあるなら利用をためらいますよね。 どんなリスクがあるかわからないと、なかなか利用に踏み切れないものです。
そこで今回は、家計簿アプリの危険性やその対策について解説します。また後半では、安全に使えるオススメの家計簿アプリをご紹介します。
最後まで読めば、家計簿アプリを安全に利用する方法がわかるはずです。ぜひ参考にしてください!
1.家計簿アプリとは?
家計簿アプリとは、家計簿を自動でつけてくれるアプリのことです。
リアルタイムで資産状況を確認できるため、無駄遣い防止になったり、家計管理が容易になったりして非常に便利です。
日本経済新聞の情報によると、 コロナショックの最中に家計簿アプリの利用者が急増したとのこと(出典:コロナで大人気に 家計簿アプリの長所と注意点は?)。
具体的には「マネーフォワード」というアプリにおいて、2020年3〜5月に利用を始めたユーザーが、前年同期の1.4倍に増えたようです。
しかしながら、家計簿アプリを利用していない方のなかには、家計簿アプリの危険性を心配している方も多いのではないでしょうか?
家計簿アプリは基本的には安全ですが、情報漏洩や不正送金などの「危険性」を心配する声は少なくありません。
次章では、家計簿アプリにどんな危険性があるのか確認していきましょう。
2.家計簿アプリの危険性・情報漏洩リスクがある点
家計簿アプリのリスクとして考えられるものは、以下の4つです。
- 銀行・証券口座情報
- クレジットカード情報
- その他アプリの登録情報
- 紛失・故障のリスク
それぞれのリスクについて、詳しく見ていきましょう。
2-1.銀行・証券口座情報
1つ目は、銀行・証券口座の情報が漏洩する危険性です。
家計簿アプリを銀行・証券口座と連携するには、口座のログイン情報が必要です。
そのため口座情報が漏洩すると、銀行・証券口座に不正アクセスされてしまい、資産金額や入出金履歴がバレるリスクがあります。
通常、口座内のお金を動かす際には、ログイン情報とは別のパスワードが要求されるので、 ログイン情報だけでお金が引き出されることはありません。
ですが、振り込み用のパスワードも流出していたら、お金を不正に引き出されるリスクがあるので、パスワードの取り扱いには注意が必要です。
2-2.クレジットカード情報
2つ目は、クレジットカード情報が漏洩する危険性です。
クレジットカードを家計簿アプリと連携する際には、カード会社のWebページにアクセスするためのログイン情報を入力します。
よってクレジットカード情報が漏洩すると、利用履歴が流出してしまうリスクがあります。どんな生活を送っているかがわかるので、何にお金を使っているかがバレるのは嫌ですよね。
個人の生活状況は、レシート読み取り機能からもバレるリスクがあります。悪用されることはまずありませんが、可能性があることは知っておくとよいでしょう。
なお、クレジットカードの利用には、クレジットカード番号やセキュリティコードが必要です。 カード自体を利用される可能性は極めて低いので、その点は安心してご利用ください。
2-3.その他アプリの登録情報
3つ目は、その他アプリの登録情報が漏洩する危険性です。
家計簿アプリには、銀行口座やクレジットカードだけでなく、外部のアプリと連携できるものがあります。
そのため家計簿アプリ経由で、 外部のアプリ情報が漏洩するリスクがあります。また、外部のアプリから乗っ取り被害に遭う可能性もゼロではありません。
家計簿アプリはさまざまなサービスと連携するので、そのすべてから情報漏洩するリスクがあります。
2-4.紛失・故障のリスク
4つ目は、紛失・故障のリスクです。
家計簿アプリはスマホで管理するものなので、スマホ自体を紛失するとデータが流出する危険性があります。
スマホが故障した場合には、他のデバイスからアクセスできないと家計簿を見られなくなります。
紛失や故障のリスクに備えて、 バックアップをとったり、パスワードを記録したりすることが大切です。
3.家計簿アプリの危険性への安全対策
ここまで家計簿アプリの概要と、危険性について解説してきました。
次に本章では、家計簿アプリの危険性への対策を8つご紹介します。
- ロック機能を設定する
- 複数の口座を登録しない
- 怪しいWi-Fiに接続しない
- 履歴を確認する
- パスワードの使いまわしをやめる
- 最新OSとウイルス対策ソフトを入れる
- SNSを安易に連携しない
- 怪しいアプリを利用しない
できる限りの対策を実践して、家計簿アプリをより安全に利用しましょう。
3-1.ロック機能を設定する
1つ目は、 家計簿アプリにロックをかけて、他の人が触れられないようにすることです。
家計簿アプリの多くは、アプリ自体にロックをかける機能がついています。利用から一定時間経過すると、 自動でログアウトする機能があることも多いです。
スマホ自体はもちろんのこと、家計簿アプリにもロックを設定しましょう。
3-2.複数の口座を登録しない
登録する口座を1つにしておけば、 万が一情報が流出しても被害を最小限にできます 。
資産状況を一括で把握できなくなるデメリットはありますが、情報漏洩のリスク対策としては有効です。
給与口座と資産を管理する口座をわけている方は、家計の管理に必要な給与口座のみを登録するとよいでしょう。
3-3.怪しいWi-Fiに接続しない
コンビニや空港、カフェなどの公共の場では、フリーWi-Fiを利用できます。
しかし、パスワードがかかっていないようなフリーWi-Fiは、通信ログを不正に盗み見されている可能性があります。
危険性が高いので、怪しいフリーWi-Fiには接続しないようにしましょう。
3-4.履歴を確認する
4つ目の対策は、こまめに履歴を見て、不正利用されていないか確認することです。
不審なログインや決済情報、お金の動きがないか確認してください。
ログインすると通知メールを送信してくれるアプリもあるので、必要に応じてうまく活用しましょう。
3-5.パスワードの使いまわしをやめる
パスワードを使いまわすと、他のサービスで情報が漏れたときに、家計簿アプリにもログインされる可能性があります。
家計簿アプリの情報が漏れたときにも、他のサービスに悪用されかねません。
パスワードは使いまわさず、各サービスで別のパスワードを設定しましょう。
3-6.最新OSとウイルス対策ソフトを入れる
古いバージョンのOSは脆弱性を狙われやすく、不正にアクセスされる可能性があります。
情報漏洩のリスクを少しでも減らすためにも、 OSは常に最新にアップデートしておきましょう。
もしもの自体に備え、ウイルス対策ソフトを入れておくとより安心です。
3-7.SNSを安易に連携しない
家計簿アプリとSNSを連携すると、SNS経由で情報が流出するリスクがあります。
SNSを連携することで、利便性が高まることもあるかもしれません。ですが、 リスクを考慮するとメリットが大きいとはいえないはずです。
どうしても必要でない限り、家計簿アプリとSNSは連携しないようにしましょう。
3-8.怪しいアプリを利用しない
基本的なことですが、信頼できるアプリだけを使うことも重要です。
以下のような、 セキュリティ面がしっかり対策されているアプリを選びましょう。
- TRUSTe(トラストイー)マークがついている
- パスワードを暗号化している
- 二段階承認がある
- 指紋認証がある
4.危険性が少ないオススメ家計簿アプリ7選
では、具体的にどの家計簿アプリなら安全に利用できるのでしょうか?
最後の章では、 危険性が少ないオススメの家計簿アプリを7つご紹介します。
- MoneyTree(マネーツリー)
- マネーフォワードME
- Zaim(ザイム)
- かけ〜ぼ
- 2秒かんたん家計簿おカネレコ
- Dr.Wallet
- LINE家計簿
各アプリの概要について、詳しく確認していきましょう。
4-1.MoneyTree(マネーツリー)
MoneyTreeは、マネーツリー株式会社が運営する家計簿アプリです。
この会社は資本金が17億円(2020年12月時点)と多く、出資企業も有名なところが多いので 安心して利用できますね。
2,500以上の金融サービスに対応しており、クレジットカードや銀行口座を連携すると、自動で項目ごとに仕訳をしてくれます。
高額な引き落としがあると、通知で知らせてくれるのも嬉しいポイント。TRUSTeマークを取得しており、 セキュリティ対策も万全です。
4-2.マネーフォワードME
マネーフォワードMEは、1,150万人以上のユーザーが利用している定番の家計簿アプリです(参考:『マネーフォワード ME』、利用者数1150万人突破)。
MoneyTree同様に多くの金融期間サービスと連携しており、その数は2,600以上。普段使っている銀行やクレジットカードを連携するだけで、 簡単にお金の動きを見える化できます。
レシートの写真を撮ると仕訳に反映されるので、現金支出の処理も容易です。金融機関にアクセスするためのデータは暗号化されており、セキュリティ面を心配する必要もありません。
4-3.Zaim(ザイム)
Zaimは、850万ダウンロードされている日本最大級の家計簿アプリです(参考:コロナで大人気に 家計簿アプリの長所と注意点は?)。
Zaimの特徴は、 セキュリティが充実していることです。必要な情報が最高水準の技術で暗号化されていたり、アプリ自体にロックを設定できたりするので、安心して利用できます。
自動連携機能やレシート読み取り機能など、家計簿アプリに必要な機能がそろっています。アカウント共有機能を利用すれば、家族全体の家計を把握することも可能です。
4-4.かけ〜ぼ
かけ〜ぼは、老舗の家計簿アプリです。シンプルな作りで使いやすく、利用者から高い評価を得ています。
銀行やクレジットカードとの連携機能はありませんが、 簡単に入力できて続けやすいと評判です。収支状況は、グラフやカレンダーで確認できます。
日々のお金の動きを、自分で入力して把握したい方にオススメです。
4-5.2秒かんたん家計簿おカネレコ
2秒かんたん家計簿おカネレコは、450万人が利用しているシンプルな家計簿アプリです(参考:2秒かんたん家計簿おカネレコHP)。
会員登録や初期設定が不要で、銀行口座やクレジットカードとの連携もしないので、簡単に安心して利用できます。
無料版と有料版がありますが、無料版でも家計簿リストやグラフ集計など、基本的な機能を使えます。TRUSTeマークを取得しており、情報管理体制も万全です。
4-6.Dr.Wallet
Dr.Walletは、 株式会社BEARTAILが運営する家計簿アプリです。
この会社は、 ニッセイ・キャピタルやジャフコから出資を受けてサービスを提供しています。
レシートを撮影すると、オペレーターが手入力でデータ化してくれることが大きな特徴です。もちろん情報管理は徹底されているので、情報漏洩を心配する必要はありません。
銀行口座やクレジットカードとの連携機能もあるので、他の家計簿アプリで長続きしなかった方にオススメです。
4-7.LINE家計簿
LINE家計簿は、 LINEが提供する家計簿アプリです。アプリ版と、LINEの「ウォレットタブ」からアクセスできるLINE版の2種類があります。
トーク画面に品目と金額を入力すると、自動的に家計簿に反映される「トーク入力機能」があり、その手軽さが人気です。
金融サービスとの連携機能や、レシートの読み取り機能も用意されているので、家計簿を自動化したい方に向いています。
「家計簿アプリの危険性」のまとめ
今回は家計簿アプリの危険性や、その対策方法などを解説しました。
家計簿アプリに、情報漏洩のリスクがあることは間違いありません。しかし、自分自身で できる限りの対策をすれば、そのリスクは最小化できます。
また本記事で紹介した家計簿アプリは、単に機能が優れているだけでなく、 セキュリティ対策もしっかりとされています。
ぜひ家計簿アプリをうまく活用して、より簡単に家計管理をおこなってください。