「ドレンホース」というのを聞いたことがありますか?エアコンの室外機付近に出ている直系2センチ足らずの蛇腹状のホースです。エアコンの運転中は先端から水が出ていることがありますね。
「エアコンのドレンホースとは何? 役割は?」
「劣化すると起きるトラブルは? 清掃でも治る?」
「業者で頼むと料金は?」
「自分で交換できるか?」
何でもないエアコンの部品ですが、メンテナンスを怠ると不調や性能低下、故障の原因になってしまうため、油断ができない箇所です。
今回は「エアコン ドレンホース交換」と題して解説します。ドレンホースの知識がつくと、いざという時安心ですよ。
目次
1.エアコンのドレンホースとは
ドレンホースは、エアコン使用時に熱交換器に発生する結露を、水として屋外へ排出するためのものです。
1-1.ドレンホースはどこ?
ドレンホ-スはエアコン本体(室内機)の裏側から壁面の穴を通じて屋外へ出ています。一緒の穴から室外に出るフロンガスの配管は室外機に接続するのですが、ドレンホースは水を外に捨てるだけのものです。
※ドレンホース接続の様子
このホースは安くて簡単なものなのですが、その分耐用年数が短く、屋外に露出している部分が劣化して壊れやすくなっています。気が付かないうちにボロボロになっているのをよく見ますね。
しかし、 エアコンからの水漏れトラブルの原因のほとんどは、ドレンホースが関係すると言われているのです。
2.エアコンのドレンホース交換が必要なトラブルとは
最近はコロナ禍の影響で部屋の滞在時間が長く、エアコンの使用頻度も上がっているため エアコン不調のトラブルは多くなっています。
2-1.エアコン本体からの水漏れ
本体の吹き出し口から冷気と一緒に水しぶきが・・・気化熱でよけい涼しい!と喜んでいる場合ではありません。この原因として多いのはドレンホースの中の詰まり=ホース先端の出口に異物があって、それが詰まっているものです(虫、虫の巣、蜂が詰めた土、ゴミ・・等)。
その他、水受け内のホコリやカビがホース入口の所で貯まりすぎて詰まって流れないなどが原因となりますが、これらがひどくなると、外に排出されない水がエアコンから室内に降り注ぐことになります。
不衛生かつ、エアコンの故障につながるトラブルです。
2-2.エアコンの効きが悪くなった
フィルターのほこり詰まりなどが主因です。空気を十分に送り出せなくなり、エアコンの効きが悪くなるものです。
室外機の温度が上がるのが原因のことやフロンガスが抜けて冷却能力が弱くなっているケースもあります。この症状はドレンホースが原因であることはあまりありません。
2-3.室外の水漏れ
室外の変なところに水漏れ・水たまりができるトラブルは、ドレンホースの破損であることが多いです。運が悪いと、屋外の他の電気設備に影響したり、建物を傷めてしまう原因になったりします。
放置しないで、応急的にバケツにでも水を溜め、すぐにホースを交換しましょう。
2-4.清掃などで対応する
ホースの劣化具合がそんなに進んでいない場合に限りますが、ホース内部を洗浄したり、呼び水を流し込んで詰まりを取ったり、ホースの破損個所をビニールテープ等で応急補修しておく方法もあります。
3.エアコンのドレンホース交換を業者に頼むと?【料金】
ドレンホースの交換を業者に依頼した場合の費用相場は、 約5千円~2万円前後です。取り付け階・作業の容易性などの環境や、エアコンの機種、部屋内の設置場所などによって価格は変動します。
機種によっては天井裏の作業、設置場所によって長い配管が必要な場合があり、値段が変わるのです。
資材の調達や作業の手間、仕上がりのきれいさを考えれば、プロに依頼した方がいいという判断もあります、
4.エアコンのドレンホース交換をDIYでチャレンジ
一般的な設置方法の壁掛けエアコンなら、 ドレンホース交換は自分で十分可能です。必要な部品=ホース、ジョイント、テープ、虫侵入防止のキャップなどはすべてホームセンターやネット通販で手に入ります。(ホースの直径の種類は注意しましょう)
材料費は安いものなので、自分で交換すれば、かなり安上がりです。
不調として極端な冷えの悪さや異音などがある場合は、最初から業者依頼した方が無難です。配管でも直径の大きいホース=冷媒のフロンガスの通り道は専門知識が必要なうえ、銅管の扱いがデリケートで、ガスの充てん、ガス圧計測、特殊工具なども必要になり、素人では手に負えません。
4-1.交換の作業方法
簡単に言ってしまうと、室内機の外殻を分解 ⇒ 本体と接続しているテープをはがして古いドレンホースを外します ⇒ 新しいドレンホースを接続し、室外に出し、壁面や他のホースとまとめて結束し、希望の場所に排水させればOKです。
※業者さんの解説するドレンホースの注意点・苦労です
4-2.ホース内の清掃方法
ドレンホース内の清掃も自分でやる事が可能です。布で水分を吸わせるようにしておいて、掃除機などでドレンホースの口から空気を吸い出してホース内の詰まりのクリーニングをします。
業者の人に聞いた方法として、応急的に「全力で口で吸う」という荒業もあります。筆者宅のエアコンで何度かやったのですが、薄いあて布だけでは「何が来るか分からない」恐怖を伴います。
※こんな道具も売られています。(絶対に使うべき)
※ドレンホースの開口から何かが入り込んで起きるケースの多いトラブルなので、市販のキャップのように被せるフタを付けると良いです。
5-3.冷却効率アップのウラ技
酷暑時には、正常に作動しているのに、まるで「エアコン壊れた?」というような冷えの悪さを感じることがあります。
そんなときの冷房効率アップの裏ワザとして、バケツに溜めた水をタオルで室外機の上部に導き気化熱で室外機の働きを助ける方法があり、数年前から話題となっていますが、ドレンホースの水をバケツに流すようにすると、水を足す必要がなくなり、冷却効果もかなり上がります※
※エアコン各メーカーが推奨しているわけではないので、自己責任で試してください。
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5.賃貸物件でのエアコンドレンホース交換
5-1.自宅の場合
自宅のエアコンは、一度設置されると基本的にはメンテナンスの継続はありませんので自分で状態を確認して直す、あるいは直す手配をする必要があります。
5-2.賃貸物件の場合
賃貸物件などでは、エアコンが物件オーナーの設置したものであれば、使用できる状態で貸し出すことが前提です。ドレンホースのつまりや老朽化の水漏れからエアコンが故障したり、部屋が水浸しになったりした場合、 修繕や原状回復の義務はオーナーの責任です。
夏の暑い盛りにエアコンの故障は生命維持の棄権につながり、この修繕義務を怠った場合、オーナーは賃借人からl故障していた該当月の家賃の減額を請求されても仕方がないのです。
ただし例外的に、賃借人の過失や善管注意義務違反= 誤って壊した、ひどい使い方をしたまま放置したなどがある場合は、修繕は賃借人の費用負担となります。
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6.「エアコン ドレンホース交換」のまとめ
以上、「エアコン ドレンホース交換」というテーマで解説をしましたドレンホースの構造と交換など、理解をいただけたでしょうか?
夏の暑さが年々ひどくなり、特に高齢の方は暑さを感じにくい特性があり、熱中症による脱水の危険が心配されます。エアコンは 「使いっぱなし」ではなく、定期的にチェックするなどしましょう!
- エアコンのドレンホースは室内の結露水を排出するホース。
- ドレンホースは壊れやすく、故障につながるため要チェック・交換。
- 業者に依頼すると5千円から2万円。ドレンホースだけならDIYも可能。
- 賃貸物件なら入居者の故意や過失でなければオーナーの修繕責任。