住宅を購入しようとしたとき、マンションか一戸建てかで迷いますよね?
住宅購入は人生の一大イベントと言われ、その後の人生に大きな影響を与える大きな決断。金銭的な負担も大きく、失敗が許されません。
そこで大切なのは、どんなライフスタイルを目的にするのか、未来の理想の姿と、現在の自分の姿を冷静に分析した上で、物件を選ぶことです。
本日は、マンション、一戸建てのそれぞれのメリット、デメリットを比較。さらに、ライフスタイル別のおすすめ物件を紹介いたします。
目次
1.マンションのメリット
まずは、マンションのメリットを紹介します。
1-1.立地条件が良い
マンションは、一戸建てと比較して立地条件が良いです。駅に近い、スーパー、コンビニが近いなど利便性が高い傾向にあります。
一戸建てでこの条件を実現しようとすると土地代が高くなってしまいますが、マンションは1つの土地に建設された建物を複数人で分けて生活するため、この条件を叶えることができるのです。
1-2.セキュリティ面で安全
マンションには、オートロックや、防犯カメラなど様々な防犯システムが導入されています。
管理人が常駐している場合は、セキュリティ面での安心感が更に増します。女性にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
1-3.管理会社が共用部を管理してくれる
マンションでは、管理費を徴収される代わりに、共用部を管理してもらえます。
自分で掃除をする必要もなく、24時間いつでもゴミ出しできる等、生活の利便性が高いです。
1-4.高齢者でも暮らしやすい
マンションは、上階であってもエレベーターが設置されているので高齢者でも気軽に外出することができます。
室内も階段がないフラットなデザインのため、つまずく心配もなく、若い頃に比べて身体の動きが不自由になりがちな高齢者の方でも、安心して過ごすことができます。
1-5.コミュニティが形成されやすい
ファミリータイプのマンションを選んだ場合ですが、同世代の方が集まりやすい傾向にあります。
親同士の世代、子どもの年齢が近ければ近いほど、同じ悩みや困りごとを抱えている可能性があるので、共通の話題で仲良くなりやすいです。
2.マンションのデメリット
続いて、マンションのデメリットを紹介します。
2-1.管理費・修繕積立金がかかる
マンションの1番のデメリットと言っても過言でないのが、管理費・修繕積立金がかかることです。
物件の規模にもよるため一概には言えませんが、平均して月に2~3万円程度はかかると言われています。
1年で20~30万円、10年で200~300万円、30年で600~900万円かかる計算になり、長い目で見ると大きな負担と言えるでしょう。
2-2.騒音問題がおきやすい
マンションは構造上、上下左右の部屋と壁1枚を隔てて、生活することになりまるため、音のトラブルが起きやすいです。特に古い物件の場合、生活音が響きやすいです。
自分が迷惑をかけられるだけでなく、自分が加害者側になってしまう可能性もあるので、戸建て住宅なら必要のない余計な心配をしなくてはいけません。
2-3.駐車場代がかかる
マンションは、駐車場にもお金がかかります。特に都心のマンションの場合、駐車場代が高額です。
ローン、管理費・修繕積立金だけでも毎月かなりの負担なので、居住者にとっては大きなデメリットとなります。
2-4.隣人関係が希薄になる
メリットの部分で、ファミリータイプのマンションの場合、同世代の人たちと仲良くなれることを書きました。
しかし、マンションによっては、交流が全くないこともあります。
隣人との煩わしい関係を極力避けたいと考える人にとってはメリットかもしれませんが、いざというときに隣に誰が住んでいるのか分からないのは、不安な点といえるでしょう。
※マンションのデメリットについて、より詳しく学びたい方は「最悪の買い物!マンションはデメリットだらけの5つの理由」もご覧ください。
3.戸建てのメリット
ここでは、戸建てのメリットを紹介します。
3-1.管理費・修繕積立金がかからない
戸建てでは、毎月、管理費・修繕積立金を支払う必要がないため、負担が軽くなります。
管理費・修繕積立金が徴収されない分、自分で積み立てる必要がありますが、修繕するかしないかの判断は自分で決定できるのが大きな違いです。
3-2.騒音問題がない
戸建ては、物理的に隣の物件と距離が離れているため、騒音問題が起こりづらいです。
ピアノの音など、特殊なケースはありますが、上下左右を壁一枚で隔ててるだけのマンションと比べれば、問題には発展しづらいと言えます。
3-3.駐車場と庭がついている
戸建てには、駐車場がついていることが多いです。駐車場代がかからずに駐車場を利用することができます。
また、庭で家庭菜園をおこなったり、休日に家族でバーベキューをすることもできます。
3-4.建て替え・リフォームの決定権が自分にある
経年劣化が起こるのはマンションも戸建ても代わりませんが、劣化部分を修繕するかどうかの決定権は自分にあります。
仮に建て替え、リフォームすることになっても、どのようにおこなうのかは、自分で決めることができます。
4.戸建てのデメリット
戸建てのデメリットを紹介します。
4-1.同条件の場合マンションよりも物件価格が高くなる
戸建てを、マンションと同条件、たとえば駅チカで選ぶとすると、割高になります。
マンションは土地を複数人で所有する形になっているので、その分、立地的には好条件になっているからです。
4-2.修繕費を自分で管理しなければならない
戸建てのメリットで、管理費・修繕積立金を払う必要がないことを挙げましたが、逆にいうと、いざというときのための修繕費は、自分で計画的に貯めておかなければならないということです。
戸建ては、建て替え・リフォームの決定権が自分にあるので、忘れがちなので注意が必要です。
4-3.セキュリティ面が弱い
戸建てには、マンションのように防犯カメラが設置してあったり、管理人が常駐していません。
警察庁の調査によると、空き巣の侵入経路は50%以上が「窓」からです。窓が低い位置にある場合、マンション高層階に比べると、セキュリティ面で不安が出ます。
参照「住まいる防犯110番」警察庁
5.将来の資産価値は一戸建ての方が高い
将来的な資産価値は、一戸建ての方が高いです。
マンションも一戸建ても、築年数が古くなるにつれて建物の資産価値が下がるのは共通ですが、一戸建ての場合、土地の価値は下がらないという特徴があるからです。
マンションの場合、建物の資産価値が下がるスピードは緩やかで、50年が経過した物件でも価値を認められて売却されるケースもあります。(※物件の管理状態によります)
一戸建ての場合、建物自体の資産価値が下がるスピードが速く、25~30年経過した頃には建物の価値は0になってしましいますが、土地の価値は下がりません。(※物件の管理状態によります)
結果的に、一戸建ての建物の価値が0になる築25~30年頃から数年で、マンションと一戸建ての価値が逆転することになるのです。
6.総支払い金額的にはマンションの方が安い
マンションと一戸建て、総支払額の面では、どちらが有利なのでしょうか。
結論からいうと、総支払い金額的にはマンションの方が安いです。
マンション | 一戸建て | |
総負担額 | 1487万円 | 1779万円 |
具体的には、約300万分の差がうまれます。
それでは、それぞれ5,000万円の新築物件を購入したとして、20年経過した場合を比較してみます。
6-1.マンションの場合
まずは、マンションをみていきましょう。
マンションの場合、20年間にかかるかかる居住費は合計4887万円。20年後の資産価値は3400万円です。
居住費が支出、資産価値が収入となります。
結果、居住費4887万円-資産価値3400万円で、1487万円の負担になります。
■設定条件
住宅価格:5,000万円(土地1000万円、建物4000万円)
住宅ローン:借入額4,500万円 金利2%(固定金利)、返済期間35年。毎月返済額15万円。
入居時費用:頭金500万円+住宅価格の4%
入居後費用:管理費・修繕積立金など諸費用
■居住費
項目 | 20年間の総額 |
入居時費用 | 750万円 |
住宅ローン返済額 | 3577万円 |
入居後費用 | 560万円 |
合計(A) | 4887万円 |
※金額は概算です。
■資産価値
項目 | 20年後の価格 |
土地 | 1000万円 |
建物 | 2400万円 |
合計(B) | 3400万円 |
※建物は20年間で4割減すると仮定。
(A)-(B)=1487万円
6-2.一戸建ての場合
続いて、一戸建ての場合も計算してみましょう。
一戸建ての場合、20年間にかかるかかる居住費は合計4379万円。20年後の資産価値は2600万円です。
居住費が支出、資産価値が収入となります。
結果、居住費4379万円-資産価値2600万円で、1779万円の負担になります。
■設定条件
住宅価格:5,000万円(土地2000万円、建物3000万円)
住宅ローン:借入額4,500万円 金利2%(固定金利)、返済期間35年。毎月返済額15万円。
入居時費用:頭金500万円+住宅価格の7%
入居後費用:管理費・修繕積立金など諸費用
■居住費
項目 | 20年間の総額 |
入居時費用 | 850万円 |
住宅ローン返済額 | 3577万円 |
入居後費用 | -47.5万円 |
合計(A) | 4379万円 |
※金額は概算です。
※入居後費用がマイナスになっているのは、住宅ローン控除を受けた場合、所得税が戻るため。
■資産価値
項目 | 20年後の価格 |
土地 | 1000万円 |
建物 | 600万円 |
合計(B) | 2600万円 |
※建物は20年間で8割減すると仮定。
(A)-(B)=1779万円
7.ライフスタイル別おすすめ物件
最後に、ライフスタイル別のおすすめ物件を紹介します。
7-1.新婚、シニア、夫婦共働きはマンションがおすすめ
新婚の方にとって、戸建ては広すぎるため、マンションの方が合っているでしょう。戸建てに引っ越すにしても、子どもが2人以上できてからでも遅くありません。
シニアの方も、エレベーターが完備しており、室内もフラットになっているマンションがおすすめです。管理人が駐在している物件を選べば、万が一トラブルが起きた時でも、安心です。
夫婦共働きの方も、駅から近いなど立地条件がよいマンションの方が通勤しやすくおすすめです。
7-2.子育て世代は戸建てがおすすめ
子育て世代は、一戸建てをおすすめします。
マンションのように上下左右の騒音を気にする必要もなく、マンションよりも広いので、お子さんがいる家庭でも、のびのびと暮らすことができます。
子どもの友達が大勢遊びに来ても対応できますし、休日に子どもの友達の両親たちと交流バーベキューなどもすることができます。
8.まとめ
一戸建てとマンションを比較し、それぞれメリットとデメリットを紹介しました。
ご覧頂いたとおり、一戸建てにもマンションにもメリットとデメリットがあり、一概に「こちらが良い!」と言えるものでは無いことを分かっていただけたと思います。
大切なのは、どんなライフスタイルを目的にするのか、未来の理想の姿と、現在の自分の姿を冷静に分析した上で、物件を選ぶことです。
何度も読み返していただき、知識を深めていただければ幸いです!