この記事では、コインラインドリー投資のメリット・デメリットについて解説します。
「コインランドリー投資って儲かるの?成功するのは一部の人だけでしょ?」のような、コインラインドリー投資を始めてみたいけど本当に儲かるのか、リスクはないのかについて具体的に解説していきます。
投資で成功するためには、自分自身で知識を蓄えておくことが大切です。そのため、コインラインドリー投資に興味がある方は、ぜひ、この記事を読んでみてください。
目次
1.コインランドリー投資とは【基礎知識】
コインランドリー投資とは、コインランドリーのオーナーになって収益を得ることをいいます。個人経営とフランチャイズ経営の2つから選ぶことができるため、投資ノウハウを所有していなくても始められます。
1-1.利回り
投資家が気になるのは利回りですが、コインランドリーの平均利回りは15%~20%程度です。
立地場所などで変動しますが、店舗面積50㎡のコインランドリー店舗運営をした場合の収支結果は以下の通りです。約18%の利回りが得られていることが分かります。
売上予測 | 60万円/月 |
初期費用 | 2,000万円 |
店舗賃料 | 15万円/月 |
ランニングコスト | 15万円/月 |
1-2.始め方
コインランドリーの始め方は次の通りです。保健所では「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」「洗濯機の配置図」「設備の概要」の書類が必要です。
【コインランドリーの始め方】
- 土地や物件を見つける
- 洗濯機や乾燥機など必要設備を導入する
- 保健所に届け出を提出する
1-3.初期費用
コインランドリーの店舗面積にもよりますが、2,000万円以上の初期費用は必要になります。
洗濯機や乾燥機の機器代、内装工事代(看板工事・ダクト工事・電気工事・給排水工事・その他内装工事)が必要です。洗濯機や乾燥機の機器は新品の場合、1台100万円が平均相場となっています。
1-4.ランニングコスト
コインランドリー経営で必要になるランニングコストは以下の通りです。
黒字化経営しているコインランドリーでは、売上高の50%がランニングコストとなっています。そこから、不動産投資ローンを返済していきます。
例えば、売上80万円の店舗のランニングコストの目安は以下の通りです。下記は清掃代行業者を使用していますが、自分自身で清掃すれば
人件費は抑えられます。
項目 | 金額 |
人件費 | 6.4万円 |
賃貸料 | 12.8万円 |
水道光熱費 | 24万円 |
消耗品費 | 1.6万円 |
合計 | 44.8万円 |
2.コインランドリー投資の良い点【メリット】
コインランドリー投資を始める人は増えていますが、なぜ、人気を集めているのでしょうか?
ここでは、コインランドリーのメリットについて解説します。
2-1.市場が伸びている
現在は、単身世帯でも洗濯機を保有しています。そのため、単身世帯のコインランドリーの利用率は減っています。
しかし、女性の社会進出やライフスタイルの変化が激しくて、共働き世帯が増えてきて、洗濯時間を有効に使いたいという需要が伸びています。そのため、1度に大量の洗濯物が洗えるコインランドリーの需要が伸びているのです。
また、布団や毛布など自宅で洗濯できないものを洗う際にも使用されるなど人気を集めています。
2-2.景気に左右されづらく空室リスクがない
洗濯は、私たちの生活に欠かすことができません。衣類や寝具をキレイに清潔な状態に保ちたいというニーズがある限り、景気に左右されずに安定経営ができます。
コインランドリーの便利さは、誰もが利用すれば納得できるもの。口コミで評判が広まればリピート客の拡大も狙えます。また、賃貸経営のような空室リスクの心配も必要ありません。
2-3.フランチャイズが多い
コインランドリー投資は、個人経営とフランチャイズ経営の2通りがありますが、フランチャイズ経営が多いです。
コインランドリー経営に関するノウハウがなくても、フランチャイズに加盟することで、スムーズに投資が始められます。しかし、どちらの方法でもメリット・デメリットはあるため、良く理解をした上で経営方法を決定しましょう。
個人経営 | フランチャイズ経営 | |
メリット |
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デメリット |
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2-4.資格・免許が不要
コインランドリーは「コインオペレーションクリーニング営業施設」が総称で、利用者が洗濯物を持参して洗濯するため、クリーニング業法に該当しません。
そのため、クリーニング業法に定められている法律を守らなくて済みます。各自治体の指導を受ける必要はありますが、資格・免許が不要で始められるのが魅力となっています。
2-5.節税にも使うことができる
コインランドリー経営で行える節税効果は以下の通りです。
(1)設備機械の原価償却
コインランドリー店舗には、洗濯機や乾燥機を設置する必要があります。これらの機器は減価償却費で節税できます。減価償却を考える上で気になるのが、設備の耐用年数ですが、きちんとメンテナンスを行い、大切に扱い続ければ15年以上は使用できます。
(2)小規模宅地等の特例
所有の土地でコインランドリーを開業する場合は、小規模宅地等の特例に該当しているかを確認しましょう。上限面積は400㎡ですが、相続税評価格の軽減率は80%です。
(3)中小企業投資促進税制
中小企業等経営強化法の法律を利用して節税対策する方法があります。国に「経営工場力計画書」を提出して、計画書が認定されると特別な税制優遇が受けられます。コインランドリー機器代の70%程度の即時滅却が可能です。
(4)経費計上
コインランドリーキエイは、設備機器代やメンテナンス代、清掃代、広告費用が必要です。これらの費用は経費計上できます。
2-6.助成金を使うことが出来る
コインランドリー投資は多額の初期費用が必要です。
しかし、地域創造的起業補助金が下ります。店舗借入金や設備投資費として上限200万円まで助成金が下りるのです。一般的にコインランドリー経営に必要な初期費用は2,000万円からですが、1割程度は助成金で賄えます。
また、小規模事業者持続化補助金であれば、看板設置費用や広告運用費を補助してもらえます。これらの助成金や補助金を活用できることもコインラインドリー経営のメリットです。
2-7.人件費がかからない
コインランドリー経営は無人店舗であるため、基本的に人件費は必要ありません。店舗内の清掃や売上金の回収は必要ですが、自分自身でも簡単に行える業務範囲です。そのため、基本的に人件費は必要ありません。
清掃を依頼する場合は人件費が必要になりますが、高額になることはありません。人件費の負担が少ないことが、コインランドリー経営の魅力です。
2-8.土地の有効活用に使うことができる
親や祖父母から土地を受け継いだけど、使い道がないと土地活用に困っている場合でも、コインランドリー投資で、土地を有効的に使うことができます。
郊外型店舗の場合は、車で来店できるように駐車スペースを設ける必要がありますが、都市部であれば10坪前後の土地があれば、コインランドリー経営は始められます。どのような土地でも活用できることも魅力です。
2-9.副業としても始めることが出来る
コインランドリー経営の魅力は、副業で始められることです。コインランドリーは無人店舗で経営するのが一般的です。店舗内の清掃を依頼する必要はありますが、大きな労力はかかりません。
また、フランチャイズに加盟をすれば、開業や運営まで全てをワンストップで依頼できるため、労力がかかりません。このような理由により、本業に支障が出ないことがコインランドリー経営の魅力となっています。
3.コインランドリー投資の悪い点【デメリット】
コインランドリー投資には、デメリットもあるので注意しなければいけません。
ここでは、コインランドリー投資のデメリットについて解説します。
3-1.競合・ライバルが多い
コインランドリー経営は、無人店舗で高利回りを実現できるため、新規参入者が多いです。
どのようなビジネスでも、素晴らしいサービスでも競合が多いほど経営は難しくなります。また、競合他社と差別化も図りづらいため、商圏調査と市場調査を間違えると失敗に終わってしまいます。
3-2.初期費用が高い
コインランドリー経営では、洗濯機や乾燥機の機器を設置する必要があります。
また、テナントの内装工事も必要です。店舗の面積に応じて初期費用は以下のように変動しますが、最低でも2,000万円が必要となります。
機器代 | 内装工事 | 合計金額 | |
テナント(15坪) | 約1,300万円 | 約700万円 | 約2,000万円 |
テナント(50坪) | 約2,200万円 | 約800万円 | 約3,000万円 |
プレハブ | 約2,500万円 | 約1,000万円 | 約3,500万円 |
3-3.立地選びが難しい
コインランドリー経営では、立地選びを間違えてしまうと失敗に終わってしまいます。
商業施設が近い場所や単身世帯が多い立地であれば需要が高いですが、商圏を確認せずに、安価な土地を狙うだけでは、人が全然入らないという状況に陥ってしまいます。
また、洗濯機や乾燥機の初期費用が必要となるため、簡単に撤退もできません。
3-4.水道光熱費がかかる
コインランドリー経営では水道・電気・ガスを使わなければいけません。これらの水道光熱費は売上高の約30%かかります。
売上が上がると洗濯機や乾燥機の回転率は上がるため、水道光熱費も比例するように高くなります。予想以上に水道光熱費がかかることを認識しておくことが大切です。
3-5.防犯対策にコストがかかる
コインランドリーは無人経営で行われるため、洗濯物・両替機の窃盗や利用者同士のトラブルが起こりやすいです。
このようなトラブルが発生したとき真相を突き止められたり、事前にトラブルを防いだりするために防犯対策が必要です。
無人店舗経営をするためには、ダミーの防犯カメラではなく、セキュリティ会社が提供するカメラを設置する必要があります。このような理由により、コインランドリー経営では防犯対策にコストがかかります。
3-6.天候に左右されやすい
コインランドリー経営は天候に左右されやすいです。
梅雨の時期など、雨の日が続くと洗濯物が乾きにくいため、コインランドリーの需要が伸びます。その一方で、晴天の日が続くと洗濯物が乾きやすいため、コインランドリーの需要がなくなります。
このように、天候に左右されやすいため、安定的に売上が見込めないことがコインランドリー経営のデメリットです。
3-7.トラブル対応が必要
コインランドリー経営は無人店舗が多いですが、緊急時のお問い合わせを記載しておく必要があります。
機械が故障して洗濯物が取り出せなくなったり、両替機が故障してお札が詰まってしまったりなどのトラブルが起きます。このようなトラブルが発生した場合は、対応しなければいけません。
3-8.詐欺まがいの会社もある
コインランドリー経営を提案する不動産投資会社の中には悪質業者も存在するため注意しなければいけません。
内装工事費や機器代が欲しいが故に、高利回りが実現できるコインランドリー経営だと騙して契約させてきます。
このような詐欺業者も存在するため、コインランドリー経営を始めたい方は、自分自身でも知識を身につけておきましょう。
4.コインランドリー投資を成功させるポイント
コインランドリー投資のメリット・デメリットについて解説しましたが、成功させるポイントを解説します。
4-1.立地を厳選する
コインランドリー投資は立地選びが大切です。営業に最適な場所で開業すれば、成功しやすくなります。
商業施設が近い場所や単身世帯が多い住宅地は、コインランドリーの需要が高いです。また、大量の洗濯物を持ってくる人は車で来るため、駐車スペースを確保しておきましょう。
4-2.他ビジネスと組み合わせる
従来では、コインランドリーは洗濯するだけの場所でしたが、カフェやコンビニ、図書館などが併設されたコインランドリーが増えてきています。
今後、便利な施設が併設されたコインラインドリーの数は増えていくことが予測されているため、ライバルに負けないための戦略を考えていきましょう。
・コインランドリーにおすすめの併設サービス
クリーニング | 洗濯代行・ソーイング・クリーニングなど衣類に関係するサービスを提供すれば、洗濯・衣類の処理を同時に済ませられる。 |
カフェ | 洗濯時間の待ち時間をゆっくり過ごせるカフェの併設は増えている。 |
スポーツ施設 | トレーニングウェアを洗濯したい人は多いため需要がある。 |
コンビニ | コンビニの近くでコインランドリー経営を始めれば、利用者の生活に役立つのでおすすめ。 |
キッズルーム | 洗濯時間に子供を預かってもらえるキッズルームが併設されたコインラインドリーも登場。 |
図書館 | 洗濯時間に好きな本を読んで過ごせる図書施設が併設されたコインラインドリーも人気。 |
4-3.信頼できる会社を選ぶ
コインランドリー経営を始める際は、信頼のおける不動産投資会社を選ぶことが大切です。
さまざまな会社が存在するため、実際に、コインラインドリー投資の成功事例を豊富に持っているかを確認しましょう。不動産投資会社の売上など、安定経営であるかも確認してみてください。
さらに、不動産投資会社の担当者によっても、コインラインドリー経営の成功率は変わります。相談者の立場を尊重した提案をしてくれる信頼がおける担当者であるかを良く見極めることが大切です。
4-4.経営計画書を作る
不動産投資を始める際は収支シミュレーションの経営計画書を作成します。
これは、コインラインドリー経営でも必要です。不動産投資会社の担当者が経営計画書を作成してくれますが、見通しが甘い可能性があります。
見通しが甘い経営計画書では、経営破綻を招くため注意しなければいけません。
そのため、自分でも売上予測や利回りを計算してみましょう。全てを任せきりにするのではなく、最後は自分で判断することで後悔がなくなります。
4-5.体験談・特に失敗談を読む
不動産投資会社は売上を伸ばすために、都合の良い言葉しか述べてきません。
そのため、不動産投資会社の担当者の話を全て鵜呑みにするのは控えましょう。コインランドリー経営で成功させるためには、経験が必要になります。
そのため、実際にコインランドリー経営者の体験談を読みましょう。成功談もあれば失敗談もあります。
失敗談を読んでおけば、同じ失敗をせずに済むはずです。そのため、体験談は良く読むようにしましょう。
4-6.本やブログを読んで学ぶ
コインランドリー投資で高利回りを実現して儲けたいのであれば、本やブログを読んで学びましょう。
実際に、コインランドリー投資家の体験談を読むと、成功体験と失敗体験を学べます。
とくに失敗体験を知っておけば、未然に失敗を防止することができるはずです。どのような本やブログを読めば良いか分からない方は、以下を参考にしてみてください。
書籍:利回り20%を実現するコインランドリー投資
ブログ:コインランドリー投資の軌跡
4-7.集客方法を学ぶ
コインランドリーの店舗を設置するだけでは、お客様を集めることができません。そのため、集客方法を学びましょう。
集客方法としては、看板設置、SNS運用、クーポン券配布、広告運用などさまざまな方法があります。
これらの集客ノウハウを身に付けていけば、お客様が途絶えて収益が得られない不安を解消していくことができます。
5.「コインランドリー投資」のまとめ
今回は、コインランドリー投資のメリット・デメリットについて分かりやすく解説しました。従来は単身者向けのサービスでしたが、女性の社会進出に伴い、利用者層は主婦が多くなってきています。
時間を有効活用したい主婦向けのサービスを展開していけば、コインランドリー投資で高利回りを実現することも夢ではありません。
ぜひ、コインランドリー投資に興味がある方は、これらを機会に勉強を始めてみましょう。そして、コインランドリー投資を実現してみてくださいね。