株の世界には昔からたくさんの格言があり、これらの金言は株式市場の特性や人間の心理を巧みに表現しています。
株式投資をしていると、投資判断に迷ったり、不安になったりすることも多々あるでしょう。
そんなときに、先人が伝えてきた格言に耳を傾けてみれば、良い解決策が導き出されるかもしれません。
今回は、「株の格言」の中から、優れているものを厳選してたくさんご紹介をしていきます。
多くの投資家の経験から伝えられてきた数々の「株の格言」を、ぜひ、ご覧になってください。
目次
- 1.株の格言とは?【学ぶメリット】
- 2.株の格言30選
- 2-1.人の行く裏に道あり 花の山
- 2-2.買いたい弱気 売りたい強気
- 2-3.当たり屋につけ、曲がり屋に向かえ
- 2-4.当たり屋といわれたころから曲がり出し
- 2-5.備えあれば迷いなし
- 2-6.遠くのものは避けよ
- 2-7.売り買いは腹八分
- 2-8.行き過ぎもまた相場
- 2-9.閑散に売りなし
- 2-10.噂で買って事実で売る
- 2-11.丑つまずき
- 2-12.下手な難平(ナンピン)ケガのもと
- 2-13.上り百日下げ十日
- 2-14.朝のこない夜は無い、夜明け前が一番暗い
- 2-15.見切り千両
- 2-16.二番底は買い
- 2-17.卵は一つのカゴに盛るな
- 2-18.電気が消えるとお化けが出る
- 2-19.相場の器用貧乏
- 2-20.大玉を張るを誇りとするなかれ
- 2-21.早耳の耳倒れ
- 2-22.いのち金には手をつけるな
- 2-23.引かれ玉は投げよ
- 2-24.株を買うより時を買え
- 2-25.落ちてくるナイフはつかむな
- 2-26.意地商いは破滅の因
- 2-27.麦わら帽子は冬に買え
- 2-28.辛抱する木に金がなる
- 2-29.銘柄貧乏
- 2-30.売るべし 買うべし 休むべし
- 3.株の格言【ウォール街編】
- 4.株の格言について深く学べる本
- 5.株の格言を学ぶ注意点
- 6.「株の格言」まとめ
1.株の格言とは?【学ぶメリット】
格言とは、人生の真実や機微を述べ、万人への戒め・教訓となるように簡潔に表現した言葉のことです。
「金言」とも呼ばれており、株に関する戒めや参考になる言葉が多く、判断に迷ったときなどに参考にできます。
1-1.株の格言を学ぶメリット
昔から長く言い伝えられてきた「相場格言」は、投資の本質を表すものとして、今でも高い人気があり、時代が変わっても、人間の心理は何年たっても変わらないため、普遍的に通じるものとして伝えられています。
たとえば「株は5月に売れ」という格言がありますが、これは日本でも欧米でも共通しているものです。
また、日本では干支にちなんだ株に関する格言が多く、「申(さる)の年は株式相場が荒れやすい」というものがあります。
これは、十二支の中で申(猿)という動物にちなんで騒ぐと言われており、実際に2016年の申年では、「アメリカ利上げ」「中国経済の成長減速」「資源価格下落」「イスラム国によるテロ多発」など、株式市場を大きく揺さぶる出来事がありました。
2021年は丑年ですが、牛は古くから人間の農作業を手伝ってくれることから、「我慢(耐える)」「これから発展する前触れ(芽が出る)」というような年になるといわれており、明るい兆しが見えそうです。
1-2.格言は過去の投資家が残してくれたメッセージ
相場には長い歴史があり、成功する投資家がいる一方で、失敗して人生が破綻した投資家も数多くいました。
そんな生き馬の目を抜く相場の中で、数々の経験則が生まれ、後世に伝えられてきたのが株に関する格言です。
色々な格言を知っているからと言って、株式市場で必ずしも成功するかといえば、決してそんなことはありません。
しかし、過去の経験則から学べることはたくさんあり、先人達の知恵を参考にすることで、自分の投資判断に自信が持てるようになります。
時代が変わり、様々な投資商品が生まれても、実際に投資をするのは人間ですから、そのメッセージには普遍性があり、語り伝えられていくのです。
2.株の格言30選
株の格言を30個まとめましたので、簡単に意味合いをご紹介していきましょう。
2-1.人の行く裏に道あり 花の山
大化けする銘柄は、誰も注目していない低位株から生まれることが多いもの。
現時点では出来高が少なく低位である銘柄でも、意外にお宝銘柄として埋もれている場合があるという意味の格言です。
人と同じことをしていても儲からないため、あえて人の行く道の裏を進むことを教えています。
2-2.買いたい弱気 売りたい強気
これから上がると思うので買いたいが、少しでも安く買いたいために下がってほしいと弱気な相場感を持つことが、買いたい弱気です。
その反対に、売りたいけれど、少しでも高い値段で売りたいので上がってくるのを待つことが、売りたい強気。
「買うと決めたら買う」「売ると決めたら売る」と、はっきり決断することが大事であるという考えです。
2-3.当たり屋につけ、曲がり屋に向かえ
売っても買っても連戦連勝という強者が、時に存在します。
売買の周期が、相場のサイクルにいつもうまくマッチする、たまにしか売買しないのに必ず利益を得るなど、なぜか損をしない人のことを、いわゆる「当たり屋」と呼んでいます。
そこで、いっそ「当たり屋」の真似をした方が間違いなく儲けられると思い「当たり屋につく」、つまり、これに便乗することを指しているのです。
しかし、いつまでも当たり屋がいつまでも当たり屋のままでいるとは限りません。
「当たり屋」は、いつか「曲がり屋(思惑のはずれた投資家)」になることもあり、失敗してしまうこともあるという格言です。
2-4.当たり屋といわれたころから曲がり出し
相場の予想をいつも当てている人でも、ずっと当て続けられるとは限りません。
どんなに勉強熱心で優秀な投資家でも、ときには失敗するのが相場の常というもの。
たとえ、連戦連勝の当たり屋と呼ばれている人の予想でも、無条件に信じてはいけないという意味です。
2-5.備えあれば迷いなし
投資を行う際に必要なのは、自分なりの相場観をしっかりと持つことです。
そのためには、投資をする先をよく研究しなければなりません。
たとえば、株式投資の場合なら、その会社の業績や財務内容を調べて、自分で自信が持てるようにしなければならないのです。
自信があれば、投資した後の株価の動きが多少不安定であったとしても、迷いや焦りを抑えられるようになります。
2-6.遠くのものは避けよ
投資対象の銘柄を探すのには、自分の知らない業種ではなく、自分が得意とする分野や身近な生活と関連のある会社など、多少とも知識や親近感のある銘柄を選んだほうが無難です。
自分が理解できない業種、興味が持てない業種の企業は、企業リサーチが不十分になる確率が高く、避けたほうがいいという格言です。
2-7.売り買いは腹八分
「売り買いは腹八分」とは、投資で最大限の利益を得ようとして、最安値での買いや、最高値での売りは行うべきではないという格言です。
また、投資資金には余裕資金を投入するべきで、全財産を投入するべきではないという教えも併せ持っています。
しかし、相場が最高値圏にあるのはほんの短期間で、それを逃してしまうと相場は急落してしまう、ということがしばしば起こり得るのです。
「まだまだ上がるかもしれないけれども、十分に利益が出ている」というところで、売買をした方が良いでしょう。
また、投資は失ってもよい余裕資金で行うべきで、全財産をかけたりすると、失敗した時に路頭に迷ってしまうことにもなりかねません。
生活に困ってしまうような資金にまで手を出すべきではないということです。
2-8.行き過ぎもまた相場
いろいろな指標を見て試算をし、これ以上株価が高くなるはずがないと考えても、実際にはその予想を上回ることもあり、逆に、これ以上安くならないと考えても、さらに下回ってしまうこともあり得ます。
勢いがついているときには、結局、行きつくところまで行ってしまうものであり、それも相場ならではのものであるという格言です。
2-9.閑散に売りなし
「閑散に売りなし」とは、株価の下がり横ばい状態が続き、出来高が少なくなっているという「閑散相場」の状態の時には、不安なあまり保有株を売りたくなってしまうものですが、そういう時には保有株を売るものではないという格言です。
閑散相場の時は、売り尽くしの状態であることが多く、その後多くの投資家が株価が下がりきったと判断し株を買いに来るために、投売りや空売りをした後に株価が急上昇することがあり得ます。
閑散相場の時にこそ、じっと我慢をし、次にやってくるチャンスを待つ方がよいという教えです。
2-10.噂で買って事実で売る
「噂で買って事実で売る」とは、買い材料が出たら噂レベルであってもその時点で買っておき、事実が明るみになった時点で売っておこうという意味のもの。
ウォール街で生まれた「Buy the rumor,sell the fact」の和訳であり、実際には、株価チャートを分析してトレードをした方が精度が上がるといわれているものです。
IPO株のように話題が先行して買いが集まり、すぐに実力通りの株価になっていくような展開を示しています。
噂が先行すればするほど実力との乖離が大きくなるので、事実で売られるインパクトが大きくなるのが特徴です。
また、噂で大きく買われた株は売られる可能性が高いので信用売りのエントリーチャンスでもあります。
2-11.丑つまずき
「丑つまずき」とは、「つまずき」という言葉から、あまり芳しそうなものではありません。
ただ、過去の丑年を振り返ると下落ばかりではなく、丑年である2021年は新型コロナの終息は見込めないものの、ワクチンの実用化などで制限付きながら景気の回復も予想されています。
また、日本特有の材料では東京オリパラ開催も追い風となり、つまずきとはならず強気のブル(牡牛)相場となりそうです。
2-12.下手な難平(ナンピン)ケガのもと
ナンピンとは「難平」と表記され、難とは難儀(なんぎ)なこと、つまり、株式投資では値下がりなどによる損失を指しています。
この損失をできるだけ平らにしようという投資方法がナンピンと呼ばれ、たとえば、1000円で1000株買った株が800円に下がったところで、さらに1000株買い増しすると平均の買いコストは900円になり、買い単価は下げることになります。
しかし、資金に余力のない投資家が行うと、底だと思ってナンピンしても、さらに下がって損失が大きくなることから、相場が基調的に上向きか、下向きかを見極めてナンピンすることが大事であるという格言です。
2-13.上り百日下げ十日
株式相場が下がるときは、その下げスピードは速いが、逆に上がるときは少しずつしか上がらないという意味の格言。
相場が加熱してくると信用取引の買い残が増え、近いうちに手仕舞い売りをしなければならないものも増えてきます。
「下げ十日」とは、不測の悪材料により一気に投げ売りが始まり、下がる時には急降下する状態を指しています。
相場が上がるのには大変時間がかかるものですが、下がるときには短期間であるということです。
2-14.朝のこない夜は無い、夜明け前が一番暗い
下落相場の時によく使われる格言です。
市場全体が悲観的になっていて、まるでこの下落相場が永遠に続くのではないかと思える時に、株を保有している人にとっては救われる言葉でしょう。
一時の弱気に負けずに、信念を持って待ち続ければ、いつかは良い結果が出るという教えです。
2-15.見切り千両
相場の格言の一つで、「見切り千両、損切り万両」といった使われ方もします。
含み損を抱えた株式などに対して、損失の少ないうちに見切りをつけることは千両の価値があるということであり、損失を拡大させないために、ある程度の損を覚悟で売買することによって、後の利益へとつなげるとする格言です。
2-16.二番底は買い
チャートで大変重要視される形から格言として使われています。
下げてきた株価が最初の安値をつけることを一番底といいますが、そのあと反発して再び下げ、最初の安値近辺まで下げる場合、そこが本当の安値になることが多いことから、二番底といって買いの急所として教えている格言です。
2-17.卵は一つのカゴに盛るな
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまう危険があります。
しかし、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けません。
投資はどれか一つが失敗しても傷が浅いように、分散して行うことを推奨する格言です。
2-18.電気が消えるとお化けが出る
日本の得意とする産業には電機産業がありますが、その電気株が不振となると、市場は電気が消えたように暗くなってお化けが出る位だという言葉です。
お化けにはもうひとつの意味もあり、化学株ポストの薬品株を指し、電気株がだめになると代わって薬品株が動くということです。
株式市場での電気とは、輸出の代表であるエレクトロニクス株を指し、お化けとはディフェンシブの代表である薬品株を指しています。
電気が点いているのにお化けが出る時は、天井が近いと読むこともできるでしょう。
2-19.相場の器用貧乏
「器用貧乏」とは、何をしても器用に無難にこなすが、特に秀でたものはなく大成しないということです。
株式投資も同様で、小手先を利かせて売買し目先の小幅な利益は出ても、大きな成果は期待できないという考えを指しています。
株式相場というものは、そう簡単に分かるものではなく、分かったような気になったり、分かったふりをするのは、間違いのもとになるという格言です。
2-20.大玉を張るを誇りとするなかれ
資金が豊富であれば、その分多くのポジションを張ることは可能ですが、その多くのポジション全てを利益にするのは簡単なことではないという意味です。
資金力があることや、レバレッジを大きく効かせた取引を行うことを自慢に思うことは危険であり、トレードにおいて有利に働くこともありますが、大きな資金を失うリスクも持ち合わせています。
2-21.早耳の耳倒れ
市場の噂に耳を貸して取引をしていると、最終的にはデマ情報に踊らされ、手痛い思いをする羽目に遭いかねません。
怪しい情報にはあまり振り回されずに、自分の判断で売買を行うことが大事であるという意味の格言です。
情報量の多さや早さだけで取引が上手くいくものではなく、「噂で買って事実で売る」など噂の段階で買う人は、買っていて事実だとわかった時点でもう売られてしまいます。
2-22.いのち金には手をつけるな
「いのち金には手をつけるな」とは、株式相場で金言ともいわれている格言で、大切な資金に手をつけてはならないという意味です。
負けた場合、余裕のない資金で株式投資をすれば冷静な判断はできません。
人生が破綻する危険性もあるため、個人が株式投資をする場合は余剰資金でするべきであることを説いています。
2-23.引かれ玉は投げよ
引かれ玉とは、損益が出ているマイナス要素しかない株式のことを指しており、引かれ玉は投げよということは「損している株はさっさと売ってしまえ」という意味のものです。
損切りを勧めているものですが、損を最小限に食い止めることは、今後利益を出すためにも重要な要素となり、総合的な利益を生み出すことにつながります。
そのことを意味して戒めているのが、引かれ玉は投げよということになるわけです。
2-24.株を買うより時を買え
投資対象の選択が重要ではなく、投資の時期を選ぶことの方がはるかに大切だという教えです。
同じ優良株でも、買い時を誤ると結果は思わしくないものにつながります。
また天災などが発生したとき、その株はたいてい売り込まれますが、企業基盤がしっかりしていさえすれば、短時日のうちに復旧するものです。
そこで「天災は買い向かえ」「突発事件は売るな」という格言もあり、ウォール街でも「株を選ぶ前に時を選べ」といわれています。
2-25.落ちてくるナイフはつかむな
急落時の投資は落ちてくるナイフをつかむような危険性が伴います。
そのため、どんなに魅力的な銘柄でもナイフが床に落ちてから、つまり底を打ったのを確認してから投資すべきという格言です。
このように、株価が急落している時に買ってしまうと、どんどん下がって大損してしまうので、株価が目先の底について、そこから下がらない事を確認してから買った方がいいという意味になります。
2-26.意地商いは破滅の因
当初予想していた方向とは逆に相場が動いてしまったのに、意固地になって建て玉を持ち続けることは、先々に大きな損失に繋がる可能性があるという格言です。
売買した時の思惑が外れて、逆に損をしてしまった時はあきらめて損切りをしないと、損失がどんどん雪だるま式に増えていく危険があります。
2-27.麦わら帽子は冬に買え
麦わら帽子、ビール、スキー用品など、季節によって大きく売り上げや業績が変動するシーズンストック(季節株)をオフシーズンに購入しておきオンシーズンに売却する、いわゆる季節株戦略の有効性を説く格言です。
冬に麦わら帽子を買う人は少ないので比較的低価格で手に入ります。
株式も同じように、投資家から注目されてない時期には比較的安値で買え、注目度が高まると株価も上がるので利益を得やすいものです。
季節株に限らず、有望株を見つけて先回りして購入しておくことの重要さを説いています。
2-28.辛抱する木に金がなる
辛抱強くこつこつ励めば、いつか成功し、財産も持てるようになるというたとえです。
辛抱という気持ちを強く持って、毎日を大切に生きていれば、やがてお金ができ、財産もできるということ。
また、お金がなるという「木」のことを、辛抱する 気持ちの「気」という言葉にかけているという意味もあります。
2-29.銘柄貧乏
よく流行りのファッションやグッズを買い漁る人がいますが、投資の世界にも、その都度話題の人気株を買いまくる人がいます。
しかし、そういう人はたいてい儲けられない傾向があり、原因としては、どれが一番儲かるかを考えて売買していない傾向があるのです。
周りからの情報を鵜呑みにしないで、「本当に儲かるのか?」ということを、自分の頭でしっかりと考える必要があります。
2-30.売るべし 買うべし 休むべし
株は買ったり売ったりすることで利益を得る投資ですが、そのため常に売買をしていないと儲からないという考えから、売買ありきで注文を出してしまう投資家が多数います。
しかし、投資はときには休むことも重要です。
勝負に出る状況ではないときに、無理に取引をしても上手く行かない確率が高くなります。
状況が良くない場合には、あえて休むようにしましょう。
3.株の格言【ウォール街編】
ウォール街は世界一流の投資銀行が集まる街です。
賢明で偉大な投資家たちが、残した格言をご紹介していきます。
3-1.卵を割らずにオムレツは作れない
フランス語のことわざで「成功には多少の犠牲が必要」という意味です。
また、「やってみないと判らない」という意味でも使われます。
何か新しい行動を起こすには、いくばくかの勇気がいるものですが、それを怖がって卵を割らないと美味しいオムレツは食べられません。
3-2.大衆は常に間違っている
アール・ナイチンゲールという人が「大衆は常に間違う」と語ったそうです。
投資では「逆張りのすすめ」的な格言としてよく語られています。
たくさんの人が選ぶことでは、なかなか頂点に立つのは難しく、頂点に立てたとしても、ほかにも同じようなレベルの人間がいるので、あまり価値はありません。
全く人が選ばないものを選ぶほど、成功した時に手にするものが大きく、株の世界にも通じる格言です。
3-3.安全第一では利殖家にはなれない
安全第一で行くなら、元本が保証されている貯金や債券への投資が間違いありません。
しかし、リスクがないという事はリターンも少なく、一向に儲けることはできないものです。
つまり、安全性だけに目を向けていては財産を大きく増やすことは難しくなります。
株式や不動産などはリスクもつきものですが、大きな値上がりが期待でき、財産を増やすためには欠かせないものであり、資産を大きく増やすには、ある程度リスクに挑戦する積極性も必要なのです。
3-4.真の投資家は将来を予知し、それが起こる前に行動する
賢い投資家は、将来どんなことが起こるか、それが株価にどんな影響を与えるかを予想し、それが起こる前に投資のアクションを起こしています。
反対に、賢くない投資家は、株価が大きく動いた後に慌てて行動を起こして失敗するものです。
マスコミで好材料が報道された頃には、その好材料は株価に織り込まれていることが多く、そこから慌てて株式投資を始めても間に合いません。
3-5.人間の一生には投機をしてはならない時が二度ある。投機をする余裕のない時と余裕のある時がそれだ
投機をしてはならないという意味の格言です。
投機とはギャンブルのように、予測不可能なことにお金を賭ける行為になります。
投資はある程度、勉強すれば、予想が的中するものですが、値上がりなどを期待して資金を投入するだけでは成功の確率は高くありません。
株式投資には投資と投機の両面があり、景気回復に伴ってスタートする上昇相場の初期に株式を買えば、儲かる確率が高くなるため投資といえますが、上昇相場の末期に株式を買えば、失敗する確率が非常に高いため、投機の部類に入ります。
4.株の格言について深く学べる本
ここでは、株の格言について深く学べる本をご紹介していきます。
4-1.株で勝つ! 相場格言400
経済ジャーナリストとして活躍する西野 武彦氏が執筆した、先人たちの知恵に溢れた相場の格言をまとめた本です。
「株価はこれからどう動く? 」「今は買いか売りか? 」など、先行きが不透明なときに役立ちます。
江戸時代の米相場から生まれた日本の格言やウォール街の名言・至言を、わかりやすい解説付きで収録しました。
実際に投資をしている人が、何度も読み返している本です。
4-2.「相場に勝つ」株の格言
こちらも経済ジャーナリストの西野 武彦氏が執筆した、相場に関する格言集です。
「人の行く裏に道あり花の山」「三割高下に向かえ」「もうはまだなり、まだはもうなり」など、株で成功してきた先人達の数々の経験から生まれた知恵の結晶が満載。
相場に迷ったら、一読したい250の格言を紹介しています。
有望銘柄の選び方、売買のタイミングなど、相場に迷ったときにおすすめです。
5.株の格言を学ぶ注意点
株式投資をする人にとって株に関する格言は、冷静な判断力を取り戻したり、油断をしたりしないために有効な情報です。
先人の知恵を上手く活用するためにも、株の格言を学ぶ際の注意点について解説をします。
5-1.最終的に決断をするのは自分
格言は、判断のヒントは与えてくれますが、最終的に決断をするのは自分です。
株に関する格言は、大和証券など各証券会社が公式サイト公開していますが、「掲載された格言は、あらかじめ当社で定めた順番により掲載されたものであり、実際の相場等とは一切関係ありません。」などと注意喚起をしています。
たとえば、紹介されている格言の一部に「野も山もみな弱気ならあほうになって買いの種をまけ」というものがあります。
これは周囲が弱気一色となると、相当に度胸がある相場巧者でも買うのをためらうときがありますが、そんな時は「おれはあほうだ。あほうよりひどいものはない」というくらいの開き直った気持ちで買うと好結果につながるという意味のもの。
この言葉をそのまま鵜呑みにして、何の考えもなしに買いまくってしまえば、投資はほぼ失敗するでしょう。
格言は、弱った心に勇気を与えてくれるものも多いですが、実際に取引をする際には、客観的な事実やデータを参考にして、冷静に判断するようにしてください。
5-2.株式投資に当てはまらないものもある
株式相場の格言のなかには、江戸時代における米の先物相場を指す「米相場」の時代から伝えられてきた格言も多くあります。
米相場の格言は、株式相場と相場に対する心構えなどが似通っている点が多いため、株式相場でも用いられてきたのです。
そのため、米相場の格言をまるごと株式投資に活用してしまうと、当てはまらない場合もあり得ます。
米と株式の商品内容は違うため、あくまでもとして格言の意味を準用するという程度にとどめておきましょう。
5-3.あくまで客観的な情報分析をベースにする
株式投資は、直感や心理的な要素に頼るものではなく、客観的な事実や情報を裏付けとして、取引を行わなければなりません。
それにもかかわらず、なぜ多数の投資家が昔の格言を心の拠りどころとしているのは、投資行為には心理的要素が大きく働くからです。
取引を最終的に決断する場合には、何か心の支えとなるものが必要になってきます。
自信を持って判断できる安心感を、格言が与えてくれるといっても良いでしょう。
とはいえ、重要な判断をするときには、あくまで客観的な情報分析をベースとして、取引を行うことが望ましいといえます。
6.「株の格言」まとめ
今回は「株の格言」について詳しく解説をしていきました。
株の取引には、常に不安や迷いがつきものですが、過去の投資家たちが残してくれた格言により、投資の指針を正しい方向へと向けることもできます。
ぜひ、先人が伝えてきた数々の金言を参考にして、株式投資を成功に導いてください。