公務員の退職金がいくらか気になる人もいるでしょう。
読者の中には、公務員で定年まで働けば退職金を受け取って老後の生活を送れると思う人もいるかと思います。
しかし、現代では厳しいと言わざるを得ません。
なぜなら、公務員の退職金相場は減少傾向だからです。
今後も税収は減少する可能性が高いため、公務員も退職金だけで生活するのは厳しいです。
ただ、ご安心ください!
退職金が減少しても、老後の生活を豊かに送れる確率が上がる方法は存在します。
この記事では、公務員の退職金事情を紹介しながら、老後の生活を豊かに送る方法を見てみましょう。
この記事を読むと分かること
- 公務員の退職金事情
- 公務員が退職金のみで、生活を送るのが厳しい理由
- 公務員が定年退職後に生き残る術
目次
1.公務員の退職金事情
はじめに、公務員の退職金の計算方法を紹介します。公務員には国家公務員と地方公務員の2パターンあります。
国家公務員の退職金の計算方法はこちらです。
退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額
出典:内閣人事局
俸給月額とは1カ月分の給料、調整額とは職業区分1~11のなかで該当している額のことです。調整額の区分は、こちらの画像の通りです。
出典:内閣人事局
たとえば、区分3に該当していれば70,400円が調整額として退職金に加算されます。
地方公務員の場合も、計算式はほとんど同じです。ただし、地方公務員の場合は自治体によって平均額が異なります。
なお、日本では5年後・20年後・30年後と高齢者が増加することが予想されています。これは、働く人が減ることを指しているため、税収が減る地域も多くなってきそうです。
税収減が、公務員のさらなる退職金減少を招く可能性もあるので、頭の中に入れておきましょう。
注意
公務員は今後も退職金が減る可能性は高い!日本の景気が良くならない限り、退職金は上がらないと思った方が良い!
2.公務員の退職金相場
ここでは公務員の退職金(退職手当)相場を、国家公務員と地方公務員で分けて紹介します。
2-1.国家公務員
国家公務員が定年退職した場合の(1人あたりの)平均支給額は、平成29年度で2,108万5,000円でした(参考:内閣官房)。なお、定年退職者以外(自己都合、応募認定など)も含めると、平均支給額は1,076万3,000円となっています。
2-2.地方公務員
地方公務員(一般行政職)が定年退職した場合の(1人あたりの)平均支給額は、平成29年度で2,265万5,000円でした(参考:総務省)。国家公務員の平均支給額と比べると金額は多いです。
しかし、地方公務員の場合は行政によってバラツキがあります。
退職金が平均額より多い自治体もあれば、大幅に少ない自治体もあるようです。
メモ
地方公務員の中にも、一般的な国家公務員よりも多く退職金を受け取っているケースはある!
3.公務員でも、退職金だけで生活を送るのが厳しい3つの理由
一昔前の公務員は、退職金を受け取った後に再就職しなくても生活を送れると言われていました。
しかし、現在は退職金を受け取っただけで生活を送るのは難しいです。ここでは、退職金のみで生活を送るのが難しい理由を3つ紹介します。
3-1.退職金が減っている
たとえば、国家公務員の平均退職手当を見てみると、常勤職員で定年退職した人の平均退職手当は、平成26年度で2,167万2,000円でした(参考:内閣官房)。しかし、平成29年度では前述の通り、2,108万5,000円となっています。
つまり3年間で、1人あたりの退職手当が58万7,000円減っているということです。
地方公務員も、平成26年度は2,360万8,000円でした(参考:総務省)が、平成29年度は2,265万5,000円にまで減っています。退職金の受取額が減っている分、公務員が退職金のみで生活を送るのは難しくなってきているのです。
3-2.物価の上昇が進んでいる
退職金の受取額が減っているのに、物価の上昇が進んでいるのも理由の一つです。物価の上昇とは、モノの値段が高くなっていることです。たとえば今まで100円で購入できていたものが、110円払う必要があるといった形です。
つまり同じモノを買いたい場合は、余分にお金が必要になるということです。今後もモノの値段が上がることが予想されるため、退職金のみで生活を送るのは、ますます難しいでしょう。
3-3.共済年金の撤廃
共済年金とは、公務員に設けられていた年金制度です。今までは共済年金が設けられていたため、生涯賃金が同額の会社員と比べると、退職後に受け取れる年金額は多くなる制度でした。
それもあって、公務員が退職金のみで生活を送ることも可能だったのです。しかし現在は、共済年金が廃止され、公務員も会社員と同じ厚生年金の加入となりました。
これによって、公務員は共済年金に加入時と比べて、受け取れる年金額が減りました。結果、公務員を退職しても退職金のみで生活を送るのが難しくなったのです。
ポイント
共済年金の撤廃で、公務員の退職後の生活は厳しくなっていったんだ!
4.公務員でも退職金に頼らず、資産を増やしておくことが大事!【資産形成方法を紹介】
退職金だけでの生活が厳しいからこそ、早いうちから資産を増やすことが大事です。
とは言っても、資産の増やし方には複数の方法があります。ここでは、3つの方法を見てみましょう。
4-1.株式投資
株式投資とは、企業が発行している株を売買しながら資産を作る投資です。下記の流れで、投資を行います。
1.証券会社等で株式投資用の口座を作る
2.株式投資用の口座に入金する
3.証券会社の専用ページより株式を購入(売却)して利益を作る
一般的には、売買差を狙って稼ぐ(例.1万円で買った株を1万2,000円で売って2,000円の儲け)ケースが多いです。しかし、投資家の中には株主優待券目当てで保有している人もいます。
株主優待券とは、株主に対して企業から贈られる特典のことです。自社の商品券や割引券、クオカードなど、株主向けの特典を設定している企業も多くあります。
そのため、一般投資家のだけではなく、主婦が株を購入するケースもあるようです。株主優待券を利用して、節約生活を送りたい人にもおすすめの投資方法といえます。
なお、株式投資ではNISA(少額投資非課税制度)が利用できます。この制度を使うと、一定額の利益に限って税金が免除されるため、節税をしたい人におすすめです。ちなみにNISAには、下記の3種類あります。
- NISA
→毎年120万円まで非課税(最大5年間) - ジュニアNISA
→毎年80万円まで非課税(最大5年間)、0歳~19歳限定。 - つみたてNISA
→毎年40万円まで非課税(最大20年間)
NISAの種類によってルールが異なりますので、確認した上で活用しましょう。
ポイント
毎年の投資額に応じて、NISAを選ぶことが大事!
4-2.投資信託
投資信託とは、株式や債券などがパッケージ化されている金融商品のことです。プロが運用するため、投資の経験がなくても参入できます。なお投資信託では、このような流れで資産を運用します。
- 証券会社等で投資信託用の口座を開設
- 投資信託用の口座に入金し、投資信託を購入
- 解約したい時に、投資信託を売却する
手順は簡単ですが、プロが運用するので運用手数料が発生します。そのため、株式投資と比べると費用は割高です。また、プロが運用しても損失が発生する場合もあるため、注意が必要です。
ちなみに投資信託でも、NISAの利用が認められています。
4-3.不動産投資
不動産投資とは、不動産を購入して資産を増やしていく投資のことです。メインは家賃収入です。家賃収入とは、物件を貸し出して入居者から家賃を得ることで入る収入のことです。
物件を購入する時は、一般的に数百万円~数千万円程度の費用が発生します。とは言っても、大金を使うのが怖い人もいるでしょう。
その場合は、クラウドファンディングで不動産投資を行うのも方法です。この投資では、1件に対して複数人が出資します。しかも1万円~の出資が可能なため、投資額を抑えたい人に、おすすめです。
なお、クラウドファンディングでは、このような流れで投資をします。
1.クラウドファンディングを行っている会社で専用口座を開設
2.会社のホームぺージより物件を選択し出資する
3.出資額に応じてリターンを得られる
自身で巨額の資金を出資して物件を保有することに抵抗を感じる人は、試してみてはいかがでしょう。
※1万円から投資可能な不動産投資クラウドファンディングに興味を持った方は「CREAL(クリアル)の評判は?注目の不動産投資クラウドファンディングを紹介」をご覧ください。
5.公務員が退職金以外の資産が欲しい場合は「不動産投資」が相性抜群
投資方法を3点紹介しましたが、その中でも不動産投資は公務員との相性が抜群です。ここでは、相性が抜群な理由を3つ紹介します。
5-1.ローンの審査に通過しやすい
公務員は融資を受ける時に有利です。なぜなら、金融業界のなかでは安定的に収入が入る職業といわれているからです。物件購入費用を一括で払えなくても、ローンを借りられる確率が極めて高いため、不動産投資はピッタリなのです。
融資額にもよりますが、少なくとも会社員や自営業者と比べると、ローンを組める確率は高いといえます。
5-2.給料を安定的にもらえるため、事業拡大がしやすい
公務員はリストラに遭う確率が非常に低く、給料を安定的にもらえる職業です。つまり貯金をし続ければ、公務員を退職しない限り、お金が貯まり続ける身分といえます。
安定的な収入が入り続け、お金を貯める習慣があれば、その貯金額を物件の購入費用に充てられるため、物件を新たに購入して事業拡大を狙っている人にも最適です。
勤務年数が増えるにつれて給料も上がるため、事業拡大目的でお金を貯めたい時もピッタリなのです(例外アリ)。しかも、自営業者のように急に収入が途絶えることもないため、安心して取り組めます。
5-3.退職後も運用できる
退職金だけでは、生活が厳しいと話しました。しかし不動産を保有していれば、退職後も家賃収入で資産を増やすのも可能です。そのため、退職後に老後の不安を抱えている人にもピッタリな投資です。
以前は定年退職を迎えた公務員を再雇用していた自治体もありますが、現在は税収の減少で再雇用できない自治体も存在します。退職者の中には、退職後の働き先を見つけようとするものの、働ける場所がない場合も…。
しかし不動産投資であれば、入居者がいる限り半永久的に収入が入ってきます。そのため、定年後に働けなかった時の予防策という意味でも、不動産投資はおすすめです。
ポイント
世間的には若い人の採用が主流だから、定年退職後に雇ってもらうのは難しい!公務員として働いている時に収入を生んでくれる不動産を買うのは、退職後に生き抜くためにも効果的だよ!
※不動産投資を始めてみたい!と思った方は、こちらの記事「不動産投資の始め方|はじめにやるべき情報収集と物件の選び方」もご覧ください。
6.公務員退職金のまとめ
公務員の退職金は、今後も減る可能性が高いです。定年退職後に、新しいことを始めようと思ったものの、体と頭がついていかず失敗する人もいます。そうならないためにも、早いうちから投資を始めた方が良いです。
不動産投資には、公務員だからこそ行える理由がたくさん揃っています。その利点を活かしたい人は、ぜひ不動産投資に取り組んで資産を増やしてみてください。