家の新築には欠かせない「間取りシミュレーション」。膨大な数の間取りを参考に、どうすれば自分の暮らしに合った間取りができるのでしょう?
「家の間取りのシミュレーションは、どうやって考える?」
「間取りシミュレーションの方法は?」
「賃貸でもシミュレーションはある?」
「PCやアプリはある?無料でできる?」
「有名ハウスメーカーのシミュレーションはある?」
これから作る家の理想の間取りを考える作業は、 希望に満ちて楽しい反面、沢山の落とし穴が待ち受けている面倒な世界でもあります。
今回は「間取り シミュレーション」についてのお話をします。家づくりのスタートは間取りからです!ぜひ参考にしてください。
目次
1. 間取りのシミュレーションとは?
間取りとは家の部屋の広さや配置、窓やドア、収納の位置などが確認できる平面図(シミュレーションでは立体図も普及してきた)で、 間取り図とも言います。
すでに完成している分譲マンションや建売住宅の場合は、物件概要と間取り図からその物件を知ることができますね。
ゼロからプランニングしていく注文住宅や、既存の間取りプランを変更していくリフォームやリノベーションの場合は、施主と設計者が間取り図案を使って家のプランをすりあわせ検討していくこととなります。
これから家を建てるというあなたも、この間取り図のシミュレーションをしてゆく立場になります。
2. 間取りシミュレーションの方法
間取り図シミュレーションの基本はどちらかというと、 「これがいい!」よりもまず最初に「べからず」的なことを学ぶ要素が大きいと言えるでしょう。
2-1.流行りの間取りのメリット・デメリット
流行りの間取りはメリットも多い反面、落とし穴もあります。以下ご参考です。
間取り | メリット | デメリット |
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吹き抜けのリビング |
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リビング階段 |
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対面キッチン |
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仕切りできる子供部屋 |
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間取り図は少々専門的な表記のしかたをする部分もありますので、見方を知っておきましょう。記号や表記などの確認をしておくと良いと思います。
※間取り図の見方はこちらのサイトを参考にしてください。
間取図の記号・図面集の凡例 解説サイト
【驚き!】人気なのにやってみたら失敗だった間取りTOP3
間取りの失敗パターン6選【建築士が厳選】
注意すべき点として、せっかく希望をしっかり盛り込んだシミュレーションを作成しても、施工依頼するメーカーによっては、間取りの自由度が低く希望通りにならない場合があります。事前に自由にできるところを選ぶか、シミュレーションを元に柔軟に考えを変えてゆくか、どちらかとなります。
2-2.間取り自由設計のハウスメーカー
以下は間取り設定自由度の高いハウスメーカーのリストです。
積水ハウス(鉄骨) | 鉄骨のぎ術を活かした大開口の家で、開放的な設計が自慢。 |
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三井ホーム | 「Gウォール構法」と「Gフレーム構法」で、ツーバイシックスでも「設計事務所がデザインするような家」を可能に。 |
パナソニックホームズ | 業界最小の15cmモジュールに対応できる「マルチモジュールシステム」で、「敷地や空間を最大限に有効利用したい」方におすすめ。 |
積水ハウス(木造) | 「シャーウッドハイブリッド構造」は、耐震性が高い「モノコック構法」と、開口部は大きくとれる「ラーメン構法」の良いところを融合し、設計自由度アップ。 |
住友林業 | 柱の数の少ない「BF(ビッグフレーム)構法」で大空間や大開口を作りやすく、将来のリフォームも自由の幅が広い。 |
広島建設 | 理想の家をローコストで叶える「自由設計の家」。お客さまの暮らし方や好みのデザインに合わせて設計。 |
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アイ工務店 | お値打価格で自由設計な注文住宅 - 20年初期保証。 |
シスクホーム | 完全自由設計のローコスト住宅。坪単価40万円台で、住まう人の健康にも配慮した家を世界基準で提供。 |
株式会社イシカワ | 月々5万円台で叶う自由設計の家。新潟を中心に全国で年間約1,100棟の施工実績。 |
アサヒグローバルホーム | 東海地区でローコストの自由設計。住む人によって異なるライフスタイルにあった家づくりを全面的にバックアップ。 |
3.賃貸の間取りシミュレーション
賃貸物件の場合は一定以上の高級物件を除き、敷地面積内での効率を最重視して作られているため、建築年次ごとに定番の間取りを採用している物件が9割がたとなっています。
したがって賃貸の場合の間取りシミュレーションは、今自分の持っている家具がまちがいなく効率よく、よい動線をともなって配置できるかの確認が主流です。
家具配置シミュレーションはアプリやWebサイト上で家具を部屋に配置し、インテリアのレイアウトや導線などを確認できるツールです。引っ越し時や新しい家具を購入する前に、イメージを確かめるのに役立ちます。
SEMPRE Interior 3D Simulator
パソコンのWebブラウザまたはiPadのアプリをダウンロードして使える無料の家具配置シミュレーションツールです。簡単な操作で家具配置をシミュレーションし、インテリアのサイズや色を何度でも調整することが可能。作成したシミュレーションデータを保存する場合は、無料の会員登録が必要です。
マイルーム3D
パソコンやスマートフォン、タブレットのWebブラウザ上で使える家具配置シミュレーションツールです。アジアンテイストなインテリアが用意されているほか、レイアウト完成後に生活導線をチェックできる機能も。
昔ながらの方法
もしくは、簡単確実かつアナログな方法として、間取り図は仲介か管理の不動産業者から入手できるので、拡大コピーして部屋の寸法を記入し、自宅の家具とサイズを比べて配置を検討できます。
賃貸でも設置可能な間仕切りなどを用いて、部屋の機能を分割するなどもできるので、こういったツールで検討をしてみるのも良いでしょう。
4.間取りシミュレーションのアプリ【無料でできる?】
間取りのシミュレーションに関しては、無料で利用できるツールが沢山あります。以下は一部ですが、合ったもの、使いやすそうなものを選んでみてください。
4-1.Webサイト
ダウンロードやインストールをする必要がなく全てネット上で完結するので、便利です。
タウンライフ
なんと実際の複数の業者が、無料で「間取りプラン」を無料で作ってくれるサイト。精度・オリジナリティともに強力な間取りシミュレーション。
木の家¥シミュレーター
自分でオリジナルの間取り図を作って、無料で建築費をシミュレーションできるサイト。間取りや仕様などをかなり細かく設定できる。
4-2.スマホアプリ
スマホでスキマ時間に気軽に間取り検討できるのが「スマホアプリ」の利点です。
Planner 5D - インテリアデザイン クリエーター
(iPhone・Android対応)
作った平面図を3D(立体)で見ることができ、よりリアルにデザインのイメージをつかめる。家具をレイアウト(配置)することも可能。
MagicPlan
(iPhone・Android対応)
カメラで建物をスキャンする機能がメインに、普通に線を引いて間取り図を描くことも可能。家具や設備をレイアウト・3Dで表示することもOK。
4-3.PCフリーソフト
パソコンにダウンロード&インストールして利用するソフトです。大きな画面のローカル環境で、じっくり作業可能です。
Sweet Home 3D (Windows・Mac対応)
平面図を作成したあと、3D(立体)表示することもでき、家具などもレイアウト(配置)可能。「ブラウザでそのまま使う方法」も利用が可能。
DreamPlan ホームデザインソフト (Windows・Mac対応)
平面図を作成したあと、3D(立体)表示することもでき、家具や設備を自由にデザインしたり、庭や外構を作ることが可能。
5.ハウスメーカーの間取りシミュレーション
ハウスメーカーからの間取りシミュレーションの提供は、自社の特色の理解促進・営業になり、 顧客となっても打ち合わせが簡素化されるというメリットがあります。
5-1.ミサワホーム
MISAWA WEB DIRECT
地域・広さ・予算・ミサワのラインナップ・暮しのウィル(畳の上でゴロゴロしたい・バルコニーでゆっくり過ごしたい・いつでも夫婦でおしゃれを楽しみたい、他)
などから理想に近い基本の間取りを抽出してゆきます。
シミュレーション結果は MyRoomに保存しておくことが可能です。MyRoomへの保存には会員登録が必要となります。
5-2.住友林業
間取りシミュレーション1000
30万棟の施工実績から抽出した1000通りの間取りから選んで、外観やインテリアイメージもセレクトし理想の住まいをシミュレーションします。
シミュレーション後にショールームへ行くと、間取りを3Dで立体化してくれます。ウォークスルー視点の確認や、内装部材のカラーシミュレーション、季節ごとの日の当たり方なども確認が可能となります。
6.間取り シミュレーションについてのまとめ
以上、「間取り シミュレーション」というテーマでのお話をしました。間取りの落とし穴と、シミュレーションツールの種類などは、理解を頂けたでしょうか。
様々に夢をふくらませて検討するのは楽しい反面、意外に制約=落とし穴が多いことにハードルの高さを感じた方もいるかもしれません。
しかしモノづくり全般、制約があった方が色々なアイデアが出るのが常で、予算含め限られた条件の中から良い方法を模索するのも、また楽しさの一部です。
それに、家づくりを通じて自分と家族の人生を見つめ直し、 「これからみんなでどう生きていくのか」、老後にいたるまでの人生に向きあえるのは、家を買う大きなメリットになりうるのではないでしょうか?
家が建ってみて、うまく行かなかった点の2つや3つあったとして、そのことが分かっただけでも、価値ある体験となると思います。
- 間取りのシミュレーションは、家の設計の基本となる。現在流行りの間取りにも、デメリットが結構あり、用途に合わせて検討を!
- 賃貸の場合は家具配置のシミュレーションを検討するのが主流。
- 無料のWebサイト、スマホアプリ、PCソフトが多数あるので、目的、自分に合った使いやすさで選ぼう。
- 施工が決まったハウスメーカーがあり、そこのシミュレーターがあるなら使うのがおすすめ。