マイホームの購入を希望されている方にとって、有力な選択肢となるのが、中古マンションです。
しかし、お気に入りの物件が見つかっても、なかなか予算があわないと言う方も、多いのではないでしょうか。
そんな時に必要となるのが、値引き交渉です。
中古マンションは値引き交渉によって、価格が下がるのでしょうか。
当記事では、値引き交渉を成功させる秘訣をご紹介します。
目次
1.中古マンションの値引きは可能か?【相場】
結論から言うと、中古マンションは値引きが可能です。
どれくらい値引きできるかが、気になると思いますが、それはケースバイケース。
中古マンションが値引きできるかどうかは、売主の立場にたって考えることが重要です。
中古マンションを、売りたい理由は、人それぞれ。
どうしても早期に売却する必要がある方は、少し値段を下げてでも売却してくれる可能性が高くなります。
一方、すぐに売る必要が無い売主は価格を下げる可能性は低いでしょう。
売主は少しでも高く売りたい、買主は少しでも安く買いたいというのがホンネです。
売り出し後にすぐに問い合わせが殺到するような、人気物件であれば、価格交渉に応じる必要はありません。
このような物件の、売主が交渉に応じる可能性は低いでしょう。
一方で、売り出しを初めてからなかなか売れないと、売主が価格を下げてくれる可能性が高くなります。
中古マンションの売り出し価格は、売主が自由に決めることができます。
そのため、ダメ元で少し高い価格で出していることもありますので、周辺相場も見極めて交渉することが大切です。
中古マンションだけでなく、新築マンションも値引きをすることは可能です。
新築マンションの場合、売主はマンションデベロッパー等の会社です。中古マンションの場合と同じく、値引き交渉は売主の立場に立って行う事が重要。
マンションデベロッパーが、値引きに応じてくれる可能性が高いのは以下のようなケースです。
1-1.モデルルームとして使用している
モデルルームとして使用している部屋は、多くの人が出入りしているため、売り難い部屋となってしまいます。
モデルルームを購入してもらえる方は、貴重なので値引きしてくれる可能性が高いでしょう。
1-2.契約が増える時期を過ぎている
マンションの入居は、新学期が始まる4月の前を希望される方が多くいます。
そのため、11月を過ぎるとマンションデベロッパーも少しずつ焦ってきます。
早く売りたいと焦っている時期であれば、値引き交渉に応じてくれる可能性が高くなります。
1-3.最後の一室
マンションデベロッパーはマンションを売るために、物件案内用の施設を借りたり、営業員を常駐させたりします。
最後の一室が売れれば、そのようなランニングコストが無くなります。
そのため、値引き交渉に応じてくれる可能性が高くなるでしょう。
1-4.キャンセルが出た物件
なんらかの理由でキャンセルが出た物件は、マンションデベロッパーも早期に穴埋めしようとします。
そのため、通常の販売価格よりも安い価格で販売してくれる可能性が高くなるでしょう。
1-5.契約後も可能?
中古マンションの値引きは可能ですが、値引きが可能なのは基本的に契約前です。
ただし、稀にではありますが、契約後にも値引きができるケースもあります。
それは、設備が壊れていた場合など、修繕が必要なケースです。修繕が必要なケースは、修繕費を売主が負担してくれる可能性があります。
しかし、このようなケースでも購入前に交渉したほうが、値引きに応じてくれる可能性が高くなります。
契約前にしっかり内覧して、故障個所は指摘するようにしたほうがよいでしょう。
1-6.コロナの影響
2020年に、世界中で大流行した新型コロナウイルスは、不動産市場にも影響を及ぼしています。
コロナの影響で不動産価格が値下がりを起こし、値引き交渉もしやすいと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、必ずしもコロナだから中古マンションが安くなるとは限りません。
その理由のひとつとして、新築マンションがあまり値下げしていないことがあげられます。
中古マンションは、新築マンションと見比べて購入する人が多いのです。
そのため、新築マンションが値下がりしなければ、中古マンションも強気で売却活動をする売主が多くなります。
また、コロナによる収入減などに備えて、従来であれば新築マンションを購入していた層が中古マンションを購入する可能性も高くなっています。
このような場合、新築マンションよりも中古マンションの人気が高まるため、むしろ中古マンションの価格が上昇する可能性もあります。
一方で、コロナウイルスの影響で転職をしたり、引っ越しをする必要がある方は急いで売却をする必要があります。
このようなケースでは、早く売却することを優先して、相場よりも安い値段で売却する可能性もあります。
コロナウイルスの影響で様々な影響がありますが、売主の事情によって価格は決まってくるということを覚えておきましょう。
1-7.相場
中古マンションの値引きはどの程度応じてくれるのでしょうか。
一概に相場はありませんが、一般的には消費税相当分や、端数分を値引きしてくれることが多くなります。
例えば、5,060万円で売り出されている物件の場合、端数の60万円を値引きしてもらうといったケースです。
ある調査では、値引き率の平均は6.5%という結果も出ています。
やはり、消費税分や端数を値引きをお願いするのが、平均的な数値と言えるでしょう。
しかし、売主にの事情により、値引きが全くされなかったり、相場以上に値引きがされる可能性もあります.
そのため、個々の事情を見極めることが重要となるのです。
2.中古マンションの値引きを成功させるポイント
中古マンションの値引きを成功させるには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。
中古マンション値引きのポイントをご紹介します。
2-1.現金で一括購入する【最強】
資金力がある方に限られますが、現金一括で購入するケースが値引きをするうえで最強のアピールポイントとなります。
買主が住宅ローンを利用して購入する場合、購入の意思を固めても審査が下りない可能性があります。
しかし、現金一括購入であれば、そのような心配はいりません。
そのため、売主は現金一括購入をする顧客を優遇する可能性が高いのです。
2-2.売却理由を詳しく聞く
中古マンションの値引き交渉をする際は、相手の事情をよく考慮することが重要です。
まず、売主が法人か個人かによって事情は大きくことなります。
法人が売主の場合、決算等の理由で早く売却したい可能性があります。
一方、売主が個人の場合事情は様々です。まずは、仲介業者に売却理由を聞いてみると良いでしょう。
値引き交渉がしやすいケースとして、あげられるのが、引っ越し済み、離婚、相続などです。
引っ越し済みの場合、売主が新居の家賃を払っていたり、二重ローンになっている可能性が高くなります。
そのため、負担を解消するために少しでも早く売却する可能性が高くなります。
離婚をする場合も、早く関係を清算するために、マンションの売却資金を慰謝料などにあてる可能性があります。
そのため、早く解消しようとする可能性が高いでしょう。
相続の場合は不動産の売却代金を相続税の支払いにあてようとしている可能性があります。
相続税は相続発生から10ヶ月以内に納税する必要がありますので、売主が早期に売却したいと考えている可能性が高いでしょう。
また、値引き交渉の際に、相手の事情を考えることも重要ですが、こちらの事情を伝えることも重要です。
ただ、値引きをして欲しい額を伝えるよりも値引きをして欲しい理由を一緒に伝えることで、相手にも誠意が伝わります。
例えば、設備が故障しているため、修理代分を値引きして欲しい場合などです。
こちらが値引きして欲しい金額を算出した理由を明確に伝えることで、交渉もスムーズに進む可能性が高くなります。
2-3.売出し時期を見る
値下げをする際は売り出し時期を見ることも重要です。
一般的に売り出しを始めた直後は売主も強気ですので、値下げをしてくれる可能性は低いでしょう。
仲介の媒介契約は3ヶ月ですので、媒介契約の期間に売りたいと考える売主が多いものです。
そのため、売り出しから一ヶ月経過したころから値下げ交渉に応じる売主が多くなります。
ただし、値下げをした直後の物件は値下げ交渉が難しいでしょう。
売主は値下げをした直後は少し様子をみたいと考える可能性が高くなります。
2-4.エリアの相場と比較する
中古マンションの値引き交渉をする場合はエリアの相場と比較することも重要です。
いくら値引きをしたいと考えても、エリアの相場よりも安い価格で売却してくれる可能性は低くなります。
近隣のマンションと比べて、高い価格で売り出されている物件はダメ元で高く出している可能性もあります。
そのため、値引き交渉に応じてくれる可能性は高いでしょう。
値引き交渉をする際は、周辺のマンションと見比べることが重要です。
周辺マンションの、駅からの距離、築年数、広さなどが類似している物件と比較してみるとよいでしょう。
周辺に類似のマンションが無い可能性もありますが、その場合、物件の希少価値が高いということでもあります。
そのため、周辺に類似のマンションが無い場合、値引き交渉が難しくなり可能性もあります。
2-5.書面で購入意思を示す
売主は、真剣に購入を検討している買主と交渉したいものです。
真剣に購入を検討している意思を示すために、買付証明書(購入申込書)を提出することも一つの手段です。
買付証明書(購入申込書)を提出することで、売主にも誠意が伝わり、値引きに応じてくれる可能性が高くなります。
買付証明書(購入申込書)は不動産仲介会社で雛形をもらえますので、そちらに書き込んで提出することで交渉を有利に運べる可能性があります。
ー買付証明書(購入申込書)を出すと、他の買主よりも強い意思を伝えることができ、値引きに応じてもらえる可能性もある
2-6.買い手が多い時期を避ける
買い手が多くなる時期は売主への交渉も多くなるため、値引き交渉が難しくなります。
一般的に不動産の売買は6月と12月は買い手が少なくなる傾向がありますので、交渉がしやすい時期です。
一方で、新学期の準備で3月に入居をしたいと考える人が多いため、2月~3月は値引き交渉が難しくなります。
中古マンションは時期によっても、値引き交渉の成功率が変わるということは覚えておくとよいでしょう。
2-7.ローンの事前審査を済ませる
購入を真剣に検討されている方は、ローンの事前審査を済ませておくことも重要です。
売主としては、売買の交渉後にローンの審査が下りずにまたイチから買主を探すということは避けたいものです。
事前の審査が通っていれば売主も安心して交渉することができますので、値引きに応じてくれる可能性も高くなるでしょう。
2-8.リフォーム分を値引きする
購入する中古マンションにリフォームしたい部分がある場合、リフォームを理由に値引き交渉をすることも可能です。
リフォームを理由に値引きをする場合は、できるだけ具体的にリフォーム箇所を指定することが重要です。
例えば、壁紙、水回り、床、畳などです。
また、リフォームをしたい箇所は、あらかじめ見積もりをしておくことも重要です。
見積もりをしておくことで、値引きを依頼する金額が明確になり交渉がしやすくなります。
3.中古マンションの値引きが失敗する理由
ここまで、中古マンション値引き成功の秘訣をご紹介しました。
逆に失敗する理由とは、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、一つめに考えられるのが、相場よりも極端に低い値引き交渉です。
仲介業者も、人間ですので、無理難題を押し付けられるとやる気がなくなってしまいます。
あくまで、常識の範囲で値引き交渉をするようにしましょう。
また、仲介業者の手数料は売買金額によって決まりますので、売買金額が下がるということは手数料が下がると言うことでもあります。
そのため、仲介業者は基本的に売主側について交渉する可能性が高いということは理解しておきましょう。
4.中古マンションの値引きの体験談が読めるブログ
中古マンションの値引きは、経験者の体験談を聞いておくことが重要です。
経験者が身近にいない場合は、ブログを読むことも参考になるでしょう。
「新築マンション 値引き体験談(6,000万円→5,300万円に値引き)した成功談がありますので、こちらも参考にしてみてください。
https://okuribito-banker.com/real-estate/discount
「中古マンション 値引き」のまとめ
中古マンションの値引き方法について、ご紹介しました。
中古マンションの値引きには、明確に成功するための秘訣があります。
値引きのポイントを一つずつ丁寧に行うことで、確実に値引きが成功する可能性は高まります。
中古マンションは、高額な買い物ですので数パーセントの値引きが100万円以上の節約につながります。
事前準備をしっかり行って、中古マンションの交渉を成功させるようにしましょう。