初めてアパート経営をしようとしている方にとっての最大の不安は
「失敗したらどうしよう」
ではないでしょうか?
しかし、失敗したくないからといって、不動産業者におすすめの物件を紹介してもらうことはあまりおすすめしません。
なぜなら不動産業者は、ノルマ達成などのために都合の良い物件ばかり紹介してくるからです。
そのため、アパート経営を失敗したくない方は、選ぶと失敗する物件の条件を自分で知っておくということをおすすめしています。
失敗する物件の条件を知っておけば、不動産業者におすすめされた物件が、失敗のリスクがある物件かどうか見極めることができるようになるからです。
そこで、この記事では選んではいけない物件の条件を紹介していこうと思います。
目次
1.アパート経営で選んではいけない物件6つ
アパート経営で選んではいけない物件を6つ紹介したいと思います。
少なくとも、今回紹介する
- 周辺の環境が悪い物件
- 設備が充実していない物件
- アパートの外観・内装が汚い物件
- 高価格すぎる物件
- 購入後に費用がかかりすぎる物件
- 対応の悪い管理会社と契約している物件
これら6つを避けることができたら、失敗するリスクをかなり減らすことができますよ。
1-1.周辺の環境が悪い物件
賃貸の部屋を探している人は、不便なところには住みたくないと考える人が多いため、周辺の環境が悪い物件はできるだけ避けましょう。
特に、
- 駅から遠い物件
- 人気施設が周辺にない物件
これらに該当する物件は、一気に需要が減ってしまいます。
駅から遠い物件
物件周辺が不便だと感じる要素の1つとして、駅から遠いということが挙げられます。
こちらのグラフをご覧ください。
東京都練馬区と川崎市中原区に住みたいと考えている方が、徒歩何分圏内の物件を希望しているかというデータです。
グラフを見ると、7割以上の人が徒歩10分以内の物件を希望しているということがわかります。
その他を見てみても、ほとんどの地域で同じように徒歩10分を超えると、希望している人がぐっと下がっていました。
つまり、アパート経営を失敗したくない人は、不動産業者に良い物件だとおすすめされても、駅から10分以上かかる物件は選ばないのがベストと言えます。
入居者がなかなか決まらず、空室である期間が増え、家賃収入が減ってしまうからです。
人気施設が周辺にない物件
賃貸の部屋を探している人が不便だと感じるもう1つの要素は、物件周辺に人気施設がないということが挙げられます。
以下のグラフをご覧ください。
※全国にいる20代~30代の男女330名に調査。(2016年12月16日CHINTAI調べ)
(参照:引っ越し先のチェックポイントはこれ! あったら便利な物件の周辺施設)
こちらは、「自宅の周辺施設で『これだけは外せない』と思う施設は?」というアンケートです。
およそ9割の人が、スーパーかコンビニが欲しいと回答しています。
食事は毎日することですので、食料品を調達する施設が物件の周りに欲しいようです。
また、ワンルームや1Kのアパートを経営するつもりの方は、特にスーパーやコンビニが物件周辺にあるかどうかは要チェックしましょう。
ワンルームや1Kのアパートに設置されるキッチンは狭く、快適に自炊できないため、スーパーでのお惣菜購入頻度が高いからです。
以上の理由から、物件周辺にスーパーやコンビニなど人気の施設がないと、不便なため住みたいと考える人が減ってしまいます。
そうなると、家賃収入が減り、アパート経営も厳しいものとなってしまいます。
周辺にスーパーやコンビニがない物件はできるだけ避けましょう。
1-2.設備が充実していない物件
バス・トイレ別、エアコンが付いていないなど、あまりにも設備が充実していない物件はできるだけ避けましょう。
SUUMO(スーモ)が実施したアンケートで、このようなものがあります。
(参照:一人暮らしのシングルに聞いた 設備ランキング 2017)
これは、一人暮らしの単身者が付いていて当たり前、付いていないと家は借りないと思う設備のランキングです。
1位にはバス・トイレ別、2位にはエアコン、3位にはクローゼットとランクインしています。
つまり、バス・トイレ別などの設備が付いていないアパートをの部屋を貸したとしても、なかなか入居者が決まらないということになり兼ねないのです。
入居者が決まらないと、空室である期間が増え、その間の家賃収入が無くなってしまいます。
また、入居者が決まらない場合、家賃を下げるか、設備を新たに付けるといった対策を取ることになりますが、
家賃を下げる→予想していた年間家賃収入よりも減収となる
設備を新たに付ける→工事費用がかかる
といったように、減収やコスト増など経営状況を悪くさせてしまいます。
こうならないためにも、初めから設備が充実している物件を選ぶことが無難です。
1-3.アパートの内装が汚い物件
中古アパートには、年数が経った汚い物件も売りに出ていたりしますが、安いからといって汚すぎる物件を選ぶときは注意が必要です。
特に、内装が汚い物件はできるだけ避けましょう。
賃貸で部屋を探している人は、築年数よりかは、部屋のきれいさ重視で選ぶ傾向にあるからです。
例えばこちらの物件は築25年のアパートの1室なのですが、
(参照:Renottaオーナーウェブ)
人気エリアに建っているのにも関わらず、家賃を下げることでしか入居者が決まりませんでした。
しかし、
(参照:Renottaオーナーウェブ)
部屋をリノベーションしたところ、家賃設定を18%上げてもすぐに入居者が決まったそうです。
このように、内装が賃貸の部屋を探している人に与える影響はかなり大きいです。
内装が汚い物件を選んでしまうと、入居者確保のために家賃を下げないといけなかったり、リノベーション費用がかかってしまいます。
そうなると、減収やコスト増により経営状態が悪化してしまいます。
1-4.身の丈以上の高価格すぎる物件
アパート経営で失敗しないための鉄則は、ローンとして組む金額を減らすことです。
なぜなら借りている金額が少ないほど、支払う利息を減らすことができるからです。
例えば、頭金1,000万円支払える能力のある人がいるとします。
その人が5,000万円のアパートを購入する場合、頭金を差し引くと借りる金額は4,000万円、金利2%であれば、利息は約800万円です。
しかし、2,000万円のアパートを購入すると、頭金を差し引くと借りる金額は1,000万円、金利2%であれば、利息は約200万円となります。
つまり、頭金1,000万円支払える能力のある人は、2,000万円のアパートを選ぶと、5,000万円のアパートより支払うべき利息を600万円も減らすことができるのです。
理想はアパートをローンを組まずに全て現金で支払うことですが、何千万円という買い物ですので、なかなかそうはいきません。
ですから、物件選びをするときは、極力身の丈にあったアパートを選ぶことがベストです。
1-5.購入後に費用がかかりすぎる物件
特に中古アパートを購入するときに気をつけたいことなのですが、大規模の修繕が控えているなど、購入後に費用がかかりすぎる物件はできるだけ避けましょう。
大規模修繕は築10年を超えたあたりでしなければならないので、例えば築9年のアパートは購入後に費用がかかってしまう物件といえます。
せっかくの家賃収入が、修繕費の支払いで消えてしまっては元も子もありません。
中古アパートの購入を検討する際は、次の大規模修繕までどれくらい期間が残っているかということを意識して選びましょう。
ちなみに修繕しなければならない箇所の一例としては以下のようなものが挙げられます。
屋上 |
ベランダ |
外壁 |
エアコン |
給湯器 |
給水ポンプ |
鉄製部品のサビ落とし |
また、修繕を実施する際に、足場を組む必要があれば、足場設置費用などもかかってきます。
1-6.対応の悪い管理会社と契約している物件
結構見逃しがちですが、物件を管理している会社も気にした方が良いです。
例えば、管理会社はアパートに空室が出た場合、入居者の募集を行うのですが、これが上手な会社だとすぐに入居者が見つかります。
つまり、入居者募集業務が上手な管理会社を選べば空室率を下げることができるのです。
その他にも、新しい入居者が決まった時の仲介手数料や更新手数料だけで、月々の管理費はいらないと言ってくれる管理会社もいます。
そうなると、月々に支払う負担が減るので助かります。
物件選びでは、これまでお伝えした条件のように物件そのものを見ることも大事ですが、物件を管理する会社にも目を向けることも大事なのです。
また、管理会社は変えることもできますが、契約変更の手続きなどが少々面倒なため、できれば初めから良い管理会社が付いている物件を選んだ方が良いでしょう。
2.(まとめ)物件選びは始めにすることだからこそ慎重に
アパート経営をするためには、まずは物件を選ばなければなりません。
しかも、始めにするその物件選びが、今後のアパート経営に大きな影響を与えます。
始めのアパート選びから失敗してしまわないためにも、今回紹介した選んではいけない物件を頭に入れておいてください。
そうすれば、たとえ不動産業者に都合の物件をすすめられても、失敗するリスクのある物件かどうかを自分で判断できるようになりますよ。