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一般コラム

フラット35とは?やめたほうがいい?デメリット・審査基準を解説

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フラット35とは?やめたほうがいい?デメリット・審査基準を解説

家を作ろうと考えている人なら、一度は意識する「フラット35」。住宅ローンは沢山ありますが、フラット35とはどんな特徴があるのでしょう?

「フラット35とは?やめた方がいい?」
「フラット35に向く人は?」
「住宅ローンの失敗や後悔はどんなこと?」
「借り換えは固定と変動とどっちがおすすめ?」
「これからの金利動向は?」

現時点でフラット=固定金利を考えない人も、実は比較して意外に知っておくことがありそうなのです。

今回は「フラット35 やめた方がいい」についてお話をします。フラット35を通して、住宅ローンの現在が見えます!

1.フラット35とは? 【基本的なしくみを解説】

1.フラット35とは? 【基本的なしくみを解説】

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている固定金利の住宅ローンです。昔は「住宅金融公庫」と呼びました。いまでは公庫ではないので公的融資と民間融資の中間となりますが、公的な性格が強いところがあります。

もともとの始まりは、 国民に住宅購入が手の届くものにするのが目的だったため、返済者の信用情報の審査は厳しくありません。

そのかわり、 優良住宅の普及も目的にあるため、取得する物件の内容に対しては厳しめの審査が行われるというのが、大まかな性格です。

2.フラット35を利用するメリットとデメリット

2.フラット35を利用するメリットとデメリット

まずはざっくりと、一般的な銀行との比較です。

フラット35と民間住宅ローンの比較(新規借入)
2021年5月現在、借入金額3000万円、期間35年、団信、頭金20%以下の計算
金融機関名
「商品名」
住信SBIネット銀行
「フラット35S・保証型」
みずほ銀行
「全期間固定プラン
(ネット専用)」
実質金利(費用等含む)1.228%1.183%
表面金利(費用等除く) 0.970%(1〜10年)
1.120%(11年〜)
1.040%
手数料(税込)・保証料 借入額×2.2% 69.3万円
総支払額 3,681万円 3,649万円

金利差の分、総支払額は32万円の差がありますが、トータルのメリット・デメリットはどうなのでしょう?

2-1. メリット

個人事業主、自営業の人も借りやすい年収・勤続年数など借り手の信用度に厳しくないため、一般的なローンより審査が通りやすい。
自己資金が多ければ金利を下げられる頭金の比率によって金利が変わる。逆に購入価格の10%未満の頭金の場合、0.3%近い金利が上乗せされることも。
繰り上げ返済の手数料が無料ただし一定額以上という制限がある。手数料は窓口となる銀行によって異なる。
保証料が不要借入れ時に別途保証料の支払いなし。保証人も不要。
団体信用生命保険の加入が任意「団体信用生命保険」=借り手が死亡したりした場合に、残債を支払う保険の加入が任意となる。
フラット35Sの利用で金利引き下げ可能省エネルギー性などに優れた住宅について、金利を最大10年間、0.25%引き下げ。

全般的に、借り入れの際のハードルが低く設定されていることが目につきます。

2-2. デメリット

  • 住宅の技術基準確認びため、物件の検査が必要
  • 変動金利より金利が高い
  • 返済時に金利が下がっても返済額は変わらない
  • 団体信用生命保険に加入したい場合別途費用が必要
  • 借入可能な限度額が通常の住宅ローンより低い
  • 金利の選択肢が少ない(全期間固定金利型のみ)

やめた方がいいと言われるのは、やはり主に金利の高さです。また、一般の金融機関はクレジットカードや他の金融商品申込みなど、様々なルールで金利を下げる方法がありますが、フラット35の場合頭金の額と住宅性能くらいでしょうか。

したがって金利の勝負となる借り換えでは、下記のように、総支払額にして104万円もの差がつく場合もあります。

フラット35と民間住宅ローンの比較(借り換え)
借入金額2500万円、期間30年、全期間固定金利、団信ありの計算、2021年5月現在
銀行名
「商品名」
アルヒ
「スーパーフラット借り換え」
みずほ銀行
「全期間固定プラン
(ネット専用)」
実質金利(費用等含む)1.378%1.184%
表面金利(費用等除く)1.310%1.040%
事務手数料(税込) 27.5万円 58.3万円
総支払額 3,145万円 3,041万円

3.フラット35を利用した失敗談・後悔を解説

3.フラット35を利用した失敗談・後悔を解説

返済時に困った、後悔した例です。

「頭金が少なく、離婚ですぐ売る!となった時に、ローンの残る「担保割れ」をした」
住宅を売って精算したかったのに、返済の残額が残ってしまう例です。

「返済期間を長くとりすぎて、繰り上げ返済もできずで定年後も返済が続いている」
「のんびり返す」ことのリスクは、下記の表のような数字の差にも表れてきます。

返済期間によるローン残高の差 (3000万円・金利1.4%条件)
毎月返済額25年後の残高支払総額
35年返済90,392円約1012万円約3797万円
30年返済102,102円約592万円約3676万円
25年返済118,576円0円約3558万円

「借りた後で妻が仕事を辞めて返済が一気に苦しくなった」
フラット35では夫婦2人で1つのローンを借りるので、それぞれの負担分に応じて住宅ローン控除も夫婦で受けられますが、ひとりが無職になっても返し続けていかねばなりません。

「借りた後に病気になって失敗。団体信用生命保険(団信)は死亡した場合や高度障害になった場合のみで、病気やケガで働けなくなった場合は保険金が下りない。」
これはどんなローンにも付きまとうので、生命保険のカバー分野ですね。

「団信に入らず、返済者が亡くなっても家族が返済を続けることに…。」
長い返済期間です。よほどの事情がない限り、団信には加入したほうがいいでしょう。

3-1.サブプライムショック 住宅ローンが世界経済を危機に

サブプライムショックとは、2006年にアメリカでサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)が、不動産価値下落が原因で返済不能者が続出し破綻、アメリカの株価が暴落した事件です。それが世界の株式市場にもおよび、世界同時株安となりました。

それまでは上昇を続けていた住宅価格の伸びが止まり、ローン債務者は建物を担保として借り換えができなくなって起こった返済不能ですが、世の中の経済動向を絶対のものと信じて進むと危険!という点で、総量規制による日本のバブル崩壊と並ぶ教訓といえるでしょう。

4. フラット35の利用に向いている人は?

4. フラット35の利用に向いている人は?

ここでフラット35の適性を整理しましょう。

【フラット35の利用に向いている人】

  • 転職直後、又は自営業で収入が安定せず、住宅ローン審査が不安な人
  • 自己資金は比較的豊富に準備できる人
  • 変動する金利に不安がある人
  • 健康に自信がなく、団体信用生命保険の加入が難しい人
  • 逆に健康に自信があり、団信なしで払い切る自信のある人

【フラット35の利用に向いていない人】

  • 変動金利で低めの金利が良い人
  • 自己資金の少ない人
  • ほかの民間ローンで金利を優遇されている人
  • 月々の返済額を最優先したい人

5.フラット35の将来性【今後の金利動向】

5.フラット35の将来性【今後の金利動向】

「一般的な金融機関の方が得」と考えられがちなのですが、実は不動産業界・一部の経済専門家の間で、 「今後は固定金利を選択した方が良い」という予測が発表され始めています。

5-1.金融機関の経営予測

試算では2年後の2023年に、一般金融機関の経営を支えてきた2008年のリーマンショック以前の融資(高金利で利ザヤが大きい)の返済がほぼ完了し、経営状況が一気に悪化するというデータがあります。

さらに同時期に、行員に多数いる団塊ジュニア世代の人件費がピークを迎え、さらに経営を圧迫することになります。

以上2点から 一般の金融機関は、一斉に変動金利の上昇に踏み切らざるを得ないとの予測があり、そうなった場合固定金利が勝ち組になる可能性が出てきたのです。

5-2.インフレの予測

さらに、2023年には各国中央銀行の政策で、インフレが起きると言われています。インフレ= お金に対して不動産の価値が高騰すれば、利益を確保するために、変動金利は挙げざるを得ません。

変動金利の上昇リミット内でも、「月10万の返済額が、1年半で19万5千円まで増えた!」ということもありうる。逆にそれまでに固定金利でローンを組んだ人に、金利上昇はありません。

これらの予測は多方面で出ているため信ぴょう性は高いのですが、良く情報集めをして自己責任で考える以外にありません。

5-3.新商品フラット35エースの可能性とは

フラット35エースとは、従来の「財住金フラット35」より低金利なローン商品です。

フラット35業界内で最安水準の融資手数料で、保証料・団体信用生命保険特約料・繰上返済手数料0円、長期優良住宅対象で更に一定期間金利が下がるなどもともとのメリットも考え合わせると、現状でも一般銀行のローンと競争力があります。

ただし「エース」は予算=販売数に限りがあったり、NTTグループほか一部大手など対象企業の限定があったりします。

6.「フラット35 やめた方がいい」についてのまとめ

フラット35とは?やめたほうがいい?デメリット・審査基準を解説

以上、「フラット35 やめた方がいい」というテーマでのお話をしました。フラット35をめぐり、住宅ローンの現状は理解を頂けたでしょうか。

夢の買い物が形となってきたわけですから、はやる気持ちは分かるのですが、ここで冷静になり、選択肢の中から冷静に検討を行いましょう。

20年・30年は意外にあっという間で、その間に繰り上げ返済ができるようになる人はほんの一部です。この先のどこかで想定外の負債に苦しまずに済むよう、経済の動きも良く加味しましょう。とくにインフレに関しては要注意です!

「フラット35 やめた方がいい」 のポイント
  • フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関・半官半民で運営する固定金利の住宅ローン。
  • 金利は高めだが審査がゆるく、団信加入や保証料も必須ではない。
  • 自己資金が少ない場合と、長期返済で月額を下げたい場合は返済総額をよく比較しよう!
  • 今後固定金利有利の情報もあるため、情報を集めて充分な検討を。
  • この記事を書いた人
松崎サブロー

松崎サブロー

イエベストの編集長です。宅地建物取引士。不動産会社では不動産投資、不動産売却、不動産賃貸、不動産管理など幅広く担当。 不動産に関わる難しい知識を初心者にもわかりやすい正しい情報として提供することを心がけています。

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