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土地転がしは違法?過去の事件・税金面・海外の事例も解説

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土地転がしは違法?過去の事件・税金面・海外の事例も解説

「土地ころがし」というワードはご存知でしょうか?最近かなり耳目にすることが減ってきましたが、平成最初の頃までは懐に余裕のある人・勝ち組の行動の象徴のような響きがありました。

「土地ころがしとはどんなもの?」
「やり方は?違法になる?」
「課税や融資はどうなっているの?」

この令和の世の中でも、土地ころがしはできなくはありません。しかし往年の、不動産のマナーを根本的に揺るがした勢いは昔話となっています。いったいどんなものなのか気になりますね?

今回は「土地ころがし」を分かりやすく解説します。不動産投資の歴史を振り返りながら、不動産投資に必要な仕事の流れも垣間見れると思います。

1.土地転がしとは?【バブル・地上げ】

1.土地転がしとは?【バブル・地上げ】

「土地ころがし」とは、土地の転売を指す言葉です。バブル時代、土地は投資の中心で、土地(更地)のままで、 「1週間経てば倍になる」ということもざらにあったため、この土地ころがしは大変流行しました。

当時、中には「地上げ屋」のような悪質な業者も存在し、土地を買い占めては高値で転売し、その過程で、不動産業界への反社会的勢力の流入や、結果的に詐欺や殺人などの犯罪行為にもつながったため、土地転売取引のイメージが悪くなってしまいました。

しかし、1990年3月に不動産高騰を鎮静化させる目的で、当時の大蔵省より 「総量規制」が出されました。それに伴って予測を超えた景気後退が起こってバブルは終焉を迎え、土地ころがしは一気に縮小したのです。

1-1.土地ころがしのあれこれ【最近では】

土地ころがしをゲーム感覚で遊ぶ要素は、バブル時代の最後期・昭和63年に誕生した老舗ゲームソフト 『桃太郎電鉄』の中で令和の時代にも続いており、すごろく・人生ゲームの中で物件購入をして遊ぶスキームは、今日も生き続けています。

近年は大きな商いの話はあまり広まりませんが、ダウンタウン松本人志さんが、新橋駅近くの土地を2010年、8億円で購入をし、長期譲渡の条件を満たす6年弱を待ち、約16億円で転売した話が有名になりました。

地形を確認するとL字型の土地で、Lの中の部分にあたる隣地の取得ができれば一団の優良角地が完成し、価格は一気に高騰したことが伺われます。それを目指したのは明らかですが、叶わなくとも8億円の差益が出たのですから大したものです。

また、土地ころがしではありませんが、2018年に土地転売をめぐる「地面師」詐欺(架空の売主)が、五反田・目黒川沿いの旅館跡地600坪をめぐって「積水ハウス」をペテンにかけ、63億円を搾取した事件は記憶に新しいです。

この事件は業界内では犯人や手口への関心よりも、超大手のセキスイが裏取りの情報網に欠いていたことが驚きを持って受け止められました。

後述しますが海外でも不動産バブルが起きれば同様の土地ころがしの動きは起きます。土地ころがしを英語でland speculation(ランドスペキュレーション)。「地上げ」の意味にも使われます。

2.土地転がしと資格の関係【宅建・違法?】

2.土地転がしと資格の関係【宅建・違法?】

どうしても「うさん臭い」「犯罪の匂い」と結びがちな「土地ころがし」なのですが、土地など「不動産の転売で利益を出す」という行為自体は合法で、何ら問題はありません。

また売買する本人に特別な資格(宅建士、宅建事業者など)も不要です。(取引には宅建士が必要)

ですが、土地の転売を生業として行う宅建事業者は高い税率を課されることなく、事業目的で土地を転売することができます。

2-1.土地ころがしに関連する事件

今はこのような事件に発展することは(ほとんど)ないのですが、バブル期には宅建業のコンプライアンス強化の原点として、不動産関係者は忘れてはならない事件が複数起きていました。

・地面師詐欺(ニセの所有者が土地売価をだまし取る)
・脅迫(地上げ屋が買い取りや立ち退きを強要)
・殺人(立ち退きに応じない人を殺害)

旧大蔵省の総量規制も、これらの世相を背景に行われました。今日の宅建業法を見ても、こういった行動を規制するための規定のオンパレードです。「事務所と認められる以外の場所での契約は無効」というルールすらあります。

3.土地ころがしの方法

3.土地ころがしの方法

土地活用・土地の価値のセオリーを学び、値上がりするという目星をつけた土地を購入し、手放すことで、買い値と売り値の価格差を、差益として得るという行為。土地ころがしで行うことはこれだけです。

しかし今の時代、地価の安定と高額の税率により、付加価値の追加なしに、ただ右から左に売って儲かることは少なくなりました。

投資ですから予測が外れたり、物件に想定外の瑕疵が見つかった場合、損をするリスクも当然にあります。売買には資金力と目利き、売却時期判断には冷静な判断力を必要とします。

最近では、不動産の証券化など小口にしてハードルの低い商品として取引されているので、そういったもので修業を積んだり、大きな取引の際は自己判断で走らず、専門分野の宅建士や、場合によっては不動産鑑定士に相談をするのが良いでしょう。

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経験ある方なら、あなたを担当している宅建士か不動産鑑定士に「これ、あなたなら買う?」と訊きましたか?答えは「あなたほどの資金力=借り入れ力がない」か「うま味がない」のどちらかしかありません。

イエベストでは、安心して話がきける不動産投資セミナーを厳選してご紹介しています。ぜひ、下記のリンク記事を参考にしてください。

【初心者向け】不動産投資セミナー|本当におすすめを厳選

3−1.アパート投資はやりやすい

「不動産売買経験は自宅か実家くらい」という初心者のサラリーマン投資家は土地転売よりも、ワンルームマンション投資が現実的な選択です。動く金額もさることながら、リスクも少なく、ケースが多くていろいろ勉強になるからです。この場合転売ではなく「大家さん」になります。

最近の値動きの観測ですが、コロナの影響などで現状都心のほとんどのエリアは値下がり傾向です。商業用物件はテレワーク促進やインバウンド需要の激減で下落です。上昇を期待できてかつ安いのは、都心から50キロ圏の土地や中古物件などです。

ネットなどで公表される動向を指針にせず、定点観測で相場の動きを確認しましょう。

4.土地転がしと融資・税金

4.土地転がしと融資・税金

4-1.融資

平成28年以降、GDP比でみた不動産向け融資の大きさが、12%から14%台へと大きく目立つようになってきました。物件価格は値上がりしてきたものの、賃料相場は横ばいか下落傾向。転売でなく賃貸目的の場合はエリアや物件を良く選ぶ必要があるでしょう。

融資を受ける際は、自己の居住用の物件同様に物件の状況、与信情報を問われる他、場合によっては資金計画・事業計画も提出を求められます。

4-2.税金

これが土地ころがしの最大の問題点ですが、個人の不動産の短期譲渡には高い税率で所得税と住民税、加えて復興特別所得税が課税されるため、不動産の転売で利益を出すことが難しくなっています。

不動産を売却した場合、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の不動産を売却した場合、短期譲渡所得として転売益に対して所得税30.63%(0.63%は復興特別所得税)と住民税9%の合計39.63%が課税されます。

バブル時代に、土地の転売がマネーゲームのように投機的目的のために繰り返され、実体の伴わない地価の上昇を招いたため、地価の上昇を抑制するため高率の税となったものです。

売る前に5年間保有すれば長期譲渡とみなされて所得税15%・住民税5%で合計20%と税率は下がるかわりに、保有している間は固定資産税などの経費を支払う必要があります。

4-3.譲渡所得税の計算方法

※短期譲渡の場合の課税額の計算例は以下になります。

土地を購入後5年以内に売却、経費を差し引いた利益が1,000万円の場合
所得税1,000万円 × 30% = 300万円
復興特別所得税300万円 × 2.1% = 6万3,000円
住民税1,000万円 × 9% = 90万円
課税額合計3,963,000円

このように、本当に4割が税金で消えていきます。

5.海外での土地ころがしの動き

5.海外での土地ころがしの動き

日本だけでなく、土地バブルに応じて世界中で同様のことが起きます。

近年ではベトナムのホーチミンで海外から投資が相次いだ結果、坪単価2500万円以上のエリアが登場、市の年間平均地価上昇が15%以上を記録しました。

逆に人口減少で地価下落に転じるのも同じで、アメリカのミシガン州デトロイトは自動車産業の斜陽で人口激減した結果、中古戸建が500万円程度で買えるという場所になってしまいました。

日本もここへ来て中国をはじめ海外の不動産投資家から、熱い視線を向けられています。もともと中国では土地は政府のもので、戸籍によって差別がある関係で、個人が海外に拠点を作り伸びてきた歴史があります。

日本の不動産は外国人が普通に購入でき、かつバブル崩壊後の日本は不動産価格が低迷し続け、海外の投資家からお買い得感があります。全日本不動産協会のアンケートで、東京エリアでは外国人との年間取引のうち実に31%が売買だったというデータもあります。

近年ではニュージーランド、カナダ他各国で、土地高騰への政策として外国人への不動産購入規制が始まっています。

6.「土地ころがし」のまとめ

土地転がしは違法?過去の事件・税金面・海外の事例も解説

以上、「土地ころがし」というテーマで解説をしました。土地ころがしの歴史から今後まで、理解をいただけたでしょうか?

土地バブル全盛のころは、「日本の土地全部で、アメリカが4つ買える!」など、バカバカしくも愉快な話が沢山あり、それはそれで面白かったですが、今不動産に関わる私たちは、あの時のことを教訓としても活かしたいですね。

 

▼「土地ころがし」 本記事のポイント
  • 「土地ころがし」は土地転売で差益を出すこと。バブル期に盛んに行われた。
  • 現在では土地相場の鎮静化と高額の課税で、差益を出すのは難しくなった。
  • 土地ころがしは違法ではなく、業者でなくとも資金があれば可能。プロのアドバイスは必須。
  • この記事を書いた人
松崎サブロー

松崎サブロー

イエベストの編集長です。宅地建物取引士。不動産会社では不動産投資、不動産売却、不動産賃貸、不動産管理など幅広く担当。 不動産に関わる難しい知識を初心者にもわかりやすい正しい情報として提供することを心がけています。

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