あなたは不動産投資信託を知っていますか?
不動産を用いて行う投資ではあるものの、不動産投資とは異なる投資方法です。
そのため投資スタイルも全く違います。
ただ不動産投資信託の存在を知っていても、仕組みやリスクの面で不安だったり、購入方法が分からなかったりして、勇気が出ない人もいるかと思います。
不動産投資信託を活用して投資をするのだったら、購入方法や利益が生まれる仕組み、リスクを知ったうえで投資に取り組みたいですよね?
この記事では、不動産投資信託の概要や種類を紹介します。
不動産投資信託の購入の仕方・不動産投資との違いも載っていますので、参考にしてみてください。
目次
1.不動産投資信託とは?
不動産投資信託とは、不動産に関する金融商品のことです。別名REIT(リート)と呼ばれています。株券だと思っていただけると分かりやすいです。
各REITには株価が付いており、不動産投資法人の運用実績などによって株価は変動します。
なお、REITで収益を挙げる方法は2つあります。
1つはREITを持ち続けて定期的に配当金を受け取る方法。もう1つは購入時の値段よりも高い値段で売却することです。
不動産投資信託を購入し、投資をする時の簡単な流れはご覧の通りです。
- REITを購入する
- 不動産投資法人が投資家から集めた資金を元手に不動産を購入・運用する
- 不動産運用で発生した収益額をREITを持っている人に分配する
不動産投資信託を購入するだけで投資に参加できるため、自身で不動産の管理をする時間がなかったり、プロに不動産の運用を任せたりしたい人におすすめの方法といえます。
注意
上場廃止によってREITの価値が0になったり、不動産投資法人が倒産して出資金が返ってこなかったりする場合もあります。
さらに運用対象となる不動産も自身で選べないため、不動産選びにこだわりを持っている人にはおすすめできません。
1-1.不動産投資信託と不動産投資の違いは?
不動産投資信託は、不動産投資とは全く違う投資手法です。不動産投資との違いはご覧の通りです。
■不動産投資信託 | ■不動産投資 | |
投資対象物 | 金融商品 | 不動産(固定資産税が発生する) |
リスク | 小さい(不動産を持っていない分、物件の故障などによる費用は発生しない) | 大きい(出資金額が大きいし、修繕費の支払いなどが発生する) |
所得の種類 | 配当所得 | 不動産所得 |
購入先 | 銀行などの金融機関 | 不動産会社 |
初期費用 | 安い | 高い(仲介手数料、事務手数料などの諸費用が発生する) |
単体価格の相場 | 数万円~ | 数百万円~ |
ローンの可否 | 不可 | 可 |
売却のしやすさ | 売却しやすい(株式市場が開いていれば、原則売却できる) | 売却しづらい場合がある(物件の購入者が見つからなければ売却できない) |
ポイント
投資費用やランニングコストを抑えたい人は、不動産投資よりも不動産投資信託の方がよいです。
自分名義の不動産を購入しなくて良いため固定資産税や修繕費は発生しません。
少ないキャッシュで不動産に関する投資を行いたい人は、不動産投資信託を選択の1つにしてみてはいかがでしょう。
2.不動産投資信託(別名REIT)をタイプ別に見てみよう
ひと口にREITといっても、いろいろな種類があります。ここでは2種類のREITに分けて、特徴を紹介します。
2-1.単一用途型REIT
単一用途型REITとは、特定の用途に限定してあるREITのことです。単一用途型REITは6種類に分類できます。
- オフィスビル特化型REIT
- 住居専用特化型REIT
- 商業施設特化型REIT
- 宿泊施設型REIT
- ロジスティックス(物流)型REIT
- 地域特化型REIT
単一用途型REITを購入するメリットは、他ジャンルのREITによる損失を受けないことです。ハイリターンを狙いたい人に向いています。
デメリットは、損失が発生した時のダメージが大きいことです。
1つのジャンルに特化したREITであるため、リスクヘッジという面では向いていません。
2-2.複数用途型REIT
複数用途型REITとは、2つ以上のジャンルに分散させたREITのことです。具体例は、下記の通りです。
- オフィスビル+住居専用物件をミックスしたREIT
- オフィスビル+住居専用物件+商業施設をミックスしたREIT etc
1つのREITに、2種類以上のジャンルが混ざっているため、単一用途型REITと比べるとハイリターンを得るのは難しいです。
しかし、リスクヘッジの面では、単一用途型REITと比べて優れています。
ポイント
どのジャンルを組み合わせるかで、収益が変わるため慎重に選びましょう。
3.不動産投資信託の銘柄選びの方法をおさえて収益アップを目指そう!
REITの選択方法で、収益の上がり方は異なります。最後に銘柄の選び方を見てみましょう。
3-1.景気を見極めて不動産投資信託(別名REIT)を選ぼう
景気の状況によって、収益が上がりやすいREITは異なります。たとえば景気が良い時は、ショッピングや外食を楽しむお客様が増えやすいです。
商業施設の売り上げが上がりやすいため、商業施設特化型REITの購入をおすすめします。
さらにホテル・リゾート型のREITも、景気が良い時は宿泊数が増えやすいためおすすめです。
ただし、台風など自然災害の影響を受けると、売り上げが落ちて分配金が少なくなるため要注意。
逆に景気が悪い時は、景気が悪くなっても業績が変動しづらいREITを購入すると損失額を抑えられます。
「住居専用特化型」REITや「ロジスティックス型」REITは6種類のREITの中でも、比較的ダメージを受けづらいためおすすめです。
3-2.不動産投資信託(別名REIT)の利回り率の確認をする
利回り率もREITによって異なるため確認をしましょう。確かに利回り率が高いREITだからといって、利益が発生するとは限りません。
しかし、価格が安くて利回り率が低いREITを保有すると、収益額が小さいため大幅にアップさせることは難しいです。
高利回り率でかつリスクが低そうなREITを選べるかが、収益を大幅に上げるコツとなります。
REITの中には利回り率が5%を超えるものもあるため、利回り率を日頃からチェックすることをおすすめします。
4.不動産投資信託(別名REIT)のまとめ
不動産投資信託(別名REIT)は証券市場が開いている時間帯に売買できるため、コマメに売買を行いたい人に向いています。
不動産を保有する必要もないため、気軽に投資を行えます。数万円単位で投資に参加したい人は、ぜひ考えてみてはいかがでしょう。