大人になってから「小銭貯金」をやった経験というのは、誰しも一度くらいはあるのではないかと思います。この小銭貯金、なかなか奥深く、年齢や人生のプロセスによってやり方や結果が変わってくるのをご存知ですか?
「最新の小銭貯金は?」「みんなどのくらい貯めてる?」「メリットや注意点は?」「やり方のコツを知りたい」
小銭を貯めておくことなんて、あまり深く考えないですることが多いでしょうが、そこはやはりノウハウが存在します。
今回は「小銭貯金」のお話をします。少額のお金の管理にもつながる話ですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.小銭貯金とは
「小銭貯金」は、文字通り 日常に出た小銭を遣わずに貯金しておくことです。
節約と貯蓄を兼ねられ、他の貯蓄手段とは違い、 「明日から」という感じで手軽に始めることができます。
ちょっとした買い物のためや、投資の原資づくりなどにも人気があります。
少額の小銭で貯めたお金が投資で大きく増えて行ったら「わらしべ長者」のようで快感だからなのでしょうね。
逆に現状はコロナ禍での株式市場の乱高下で、少額投資を行っていた人などにも「ノーリスクな財産形成」として見直されているようなところもあります。
中にはTBSアナウンサーの安住紳一郎さんのように500円貯金8年間で230万円も貯めた「つわもの」もおられます。
それは「相当がんばった例」に分類されるかも知れませんが、現実問題として皆さんどのくらい貯めることができているのでしょうか?
1-1.どのくらい貯められる?
1万円未満 | 8.9% |
1万円以上3万円未満 | 16.7% |
3万円以上5万円未満 | 18.9% |
5万円以上10万円未満 | 25.6% |
10万円以上20万円未満 | 20.0% |
20万円以上50万円未満 | 6.7% |
50万円以上 | 3.3% |
これは小銭貯金でどれだけ貯められたかの統計なのですが、注目されるのは、5万円以上貯められた人が4分の1、10万円以上貯められた人が5分の1もいることでしょう。始めた人は意外に「結果を出せている」と言えます。
さらに、貯めた金額が 「目標より多かった」が25.6% 「目標通りの金額だった」と答えた人は28.9%におよび、両方合わせて全体の半分以上の人が「結果に満足している」ことになります。
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2.小銭貯金のメリット
2-1.始めやすく、貯めやすい
何と言っても「使わないつもりで小銭を貯めるだけ」ですから、誰でも気軽に始められて、長く続けやすいことが挙げられます。
ほとんどの人が、目標を達成したら「いつでもやめられる」と考えて貯めているのが、長続きの秘訣にもなっているようです。
また、「小銭=貯める」という観念が出来上がると、日々「つもり貯金」をしているような状態となり、節約習慣にも結び付くことになります。
2-2.結果がリアルタイムで目に見える
幾ら貯まっているか楽しみにする方法もあるのですが、結果を確認できるようにして励みにすることもでき、お金の使い方のチエックにもできます。
後述しますが、金額を確認しがてらある程度の期間で区切って口座に預けるようにすると、両替上も有利になります。その際に「額はあとの楽しみにしたい」人は、通帳やATMの表示残高を見ないようにすることはできると思います。
目的・目標額や期間を決めれば、更にモチベーションを上げることもできます。
2-3.家族で一緒にもできる
共通の目的=例えば旅行などを設定し、家族全員で貯めることもできます。
貯まった結果の使用目的を決めて、各自が 「目標金額が貯まったら〇〇できる!」とお金を入れていきます。貯金するたびにその楽しみを思い出し、貯金が楽しくなります。
後述しますが、子どもの教育にもなります。
また、子どものいるような家庭では学校、町内会ほか小銭を支出する機会が多いため、時にはちょっと持ち出しで使えるという、思わぬメリットもあります。
2-4.小銭貯金のおすすめ最強パートナー・ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は後述のように、他の金融機関と違って 小銭貯金の預入や、お札への両替に課金されません。
しかもATMはどこも必ず小銭預入対応していて24時間対応のところもある、日本全国どこにでもあるなど、小銭貯金チャレンジには最強の味方と言われており、活用するのがおすすめです。
なぜ手数料がかからないかというと、郵便局は両替商の資格を持たない=両替で利益を得てはならないからだそうです。
ただし大量の小銭を持ち込む際は、それが理由で突然他の人を待たせてしまうことになるため、事前に連絡して対応をお願いしておくこと、器械の故障防止のために、汚れたり傷のある貨幣に気づいたら取り除いておくのがマナーです。
筆者も実家を片付けて大量の小銭を郵便局に持ち込んだ経験がありますが、器械を使っても数えるのに相当時間がかかり、申し訳なく思いました。
3.小銭貯金のデメリット・注意点【両替手数料】
貯めた小銭は口座に移すか、使う際に両替をする形となりますが、この際かかる手数料があります。2018年くらいから窓口・ATMふくめ「両替有料化」されており、せっかく貯めた金額が目減りすることに注意が必要です。
3-1.小銭貯金は迷惑両替になる場合も
そもそも「貯めた小銭をそのまま買い物に使えばいいのじゃない?」とも考えそうですが、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」というのがあり、その中で、
第七条 貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する。
これは簡単に言えば「同じ種類のお金は一回に20枚以上出して使っちゃダメ」という意味で、例えば100円玉を21枚で2100円として払ってはいけないということです。お店も大量の小銭で払われたら迷惑だから、というのが根拠です。
そこで金融機関での両替が必要になるのですが、小銭貯金を紙幣に両替して持ち帰るケースだけでなく、口座に入金する際も両替扱いとなります。自分の口座であっても、一定枚数以上の硬貨に手数料がかかります。
料金は両替の際の金額でなく枚数にかかるので、1円や10円を大量に両替する場合、赤字になってしまうこともあり得ます。これはぜひ事前に知っておきたい点です。
ゆうちょ銀行の項でも触れましたが、両替手数料がかからない範囲でも、細かい小銭を多数持ち込むと、結果として 「迷惑両替」のようになってしまうので要注意です。
※こんなにも高額の両替手数料がかかります。
窓口 | 1~10枚 | 550円 (口座所持の場合無料) |
---|---|---|
11~500枚 | 550円 | |
501枚以上 | 500枚ごとに550円 | |
両替機 | 1~10枚 | 無料 |
11枚以上 | 取扱い不可 | |
ATM | 100枚まで | 無料 |
101~500枚 | 550円 | |
501~1000枚 | 1,100円 | |
1,001枚~ | 1,650円 (以降500枚ごとに550円) |
4.小銭貯金はこんな人におすすめ
4-1.貯金をしていない人・しても失敗に終わる人
貯金に対するリテラシーがない人、失敗を繰り返す人は、小銭貯金を通して成功体験を積み上げたり、貯金の面白さに気づけたりして、 お金の習慣を変える入り口になる場合もあります。
「財形貯蓄などの給与天引きはできても、給料からの小分け貯金がうまく行かない」「お金が余って少し貯めてもすぐ使ってしまう」などの人にも効果があります。
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4-2.家族で節約意識を持ちたい人
家族で共通の貯蓄目的や、お金が貯まっていく様子を共有することで、お金の使い方に変化を期待できます。
小銭の貯金を通して子どもに「貯め方」「使い方」のほか、貯金の本質的な意味を教えるのにも効果的な方法ですね。 自分の小遣帳だけよりも効果があるでしょう。
その場合、買い物や旅行の為だけでなく、災害や冠婚葬祭など「非常の出費や困った時に備えて貯める」という科目を作ってもいいかも知れません。
年齢を重ねるほか、家族構成の変化によって、家計の為の貯蓄の意味合いも変わり、それに合わせて小銭貯金の目的も、「趣味の買い物」「少額投資の種銭」「旅行」「孫へのお小遣い」など、様々に変化するでしょう。
ですから、小銭貯金は「いつ始めても」価値あるものにできる点で、優れています。
今のご時世、「家計が大変で、小銭を貯める余裕もない!」という人も多数かとも思います。しかしそんな中でもその状況に見合ったレベルで「少しでも」貯めることに意味が出てくるのだと思います。
5.小銭貯金のコツ・方法
ひと口に小銭貯金と言っても、貯めるための方法や工夫がさまざまにあります。
まずはスタート時に 目標期間や目標額を決める、絶えず貯蓄額をチェックするなどでモチベーションを高めるのは基本です。「 500円玉、100円玉は使わないで必ず貯める」などの自分ルールを決めるのもよいでしょう。
※給料日に小銭貯金に充ててはダメ!というルールはありません。
※自分だけの内緒小銭貯金もアリです。
その他皆さん色々な工夫をしています。
5-1.貯める工夫いろいろ
入れ物に凝るのも楽しく貯める工夫です。おしゃれだったり、金額計数がやりやすいなどさまざまな貯金箱があります。
雑貨店やお土産物屋さんなどでも売られている「 500円のみ貯めていっぱいになると10万円」などの貯金箱は以前から有名で、今も愛用者は沢山いますね。
仮想の小銭貯金もあります。キャッシュレス決済でも、ポイント還元を現金換金して口座へ小銭貯金をすることもできるものがありますのでチェックしてみましょう。
小銭の貯蓄効果の増幅を狙って、小銭貯金のうち定期的に一定額を株式などの投資部分に回す人もいます。(投資に切り替えると当然元本割れリスクはあります)
小銭貯金をサポートするスマホアプリもあります。貯金箱の中身を記録するお小遣い帳アプリです。
小銭貯金 の結果や経過をブログで発表し、モチベーションにする方法もあります。
6.「小銭貯金」のまとめ
以上、「小銭貯金」というテーマで解説をしました。小銭貯金のメリットや最新のやり方など、理解をいただけたでしょうか?
大きなお金を手にする人は、細かいお金にまで神経の行き届いた暮らしをしています。
億単位の稼ぎがある人も、駐車場代を浮かすために提携店でちょっとした買い物をしたり、お財布はお札ではなくポイントカードで膨れている=実話です。そしてそれは尊敬すべきことだと思うのです。
小銭を溜めて有効に活用する習慣を通して、お金に関する新たな展望や目標が開けるかもしれません、チャレンジする価値があると思います。
- 小銭貯金は手軽に始められ、意外と貯まり、過程が見えておすすめ。
- 節約と貯蓄を同時にできるメリットもある。
- 小銭の預け入れ手数料に注意。小銭の口座管理はゆうちょ銀行が最強。
- 家族で目的をもって貯金をし、節約意識を形成するのにもよい。