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不動産投資の種類と特徴

シェアハウス経営の完全マニュアル | メリット、デメリット、始め方

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不動産投資として、シェアハウスの経営は、あり?なし?

最近、若者を中心にシェアハウスが人気を集め、その数がどんどん増えています。それにともない、新しい不動産投資としてシェアハウスの経営が注目を集めています。

ただし、シェアハウスの経営はまだまだ一般的とは言えないので、「興味はあるが、知識がないので実際に経営を始めるのは不安」という人も多いのではないでしょうか?

そこで、本記事では、シェアハウス経営のメリット・デメリットから、始めるための方法、実際に管理・運営するためのノウハウまでを詳しく解説します。

この記事を読めば、不透明だったシェアハウス経営の知識が身につき、実際に始めるための指針が見えてくるはずです。是非参考にしてくださいね。

1. シェアハウス経営とは?

1-1.そもそもシェアハウスとは?

シェアハウスとは、複数の入居者が一つの物件の中で共同生活を送る居住スタイルです。それぞれが個室を持ちながら、リビングやキッチン、お風呂、トイレなどは共有して生活します。

その、シェアハウス市場が近年とても伸びています。例えば、シェアハウス掲載サイトの最大規模を誇るひつじ不動産の物件登録数を見てみましょう。

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シェアハウスは定義そのものが曖昧であるが、シェアハウス専門のポータルサイトである「ひつじ不動産」公開の情報によれば、2013年3月時点で同社の把握戸数は全国で19,208戸、物件数は1,378件となっている。市場への供給数は直近8年で約10倍と、急激に拡大していることがわかる

出典:賃貸住宅における新たな価値提案 ~シェアハウスの可能性~ -三菱UFJリサーチ&コンサルティング
http://www.murc.jp/thinktank/rc/report/consulting_report/cr_150130

また、現在シェアハウスの市場の約7割は東京に集中していますが、3つの県を除くほぼ全ての都道府県にシェアハウスは存在し、全国的に供給が広がっているといえるでしょう。

参照:シェアハウス市場調査2014年度版-日本シェアハウス・ゲストハウス連盟
http://www.jgho.org/wp-content/uploads/2014/02/201505_Sh_Reserch.pdf

シェアハウスの入居者は20代~30代が中心で、平均年齢は28.9歳となっています
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参照:シェアハウス等における契約実態等に関する調査(H26.3)結果概要 -国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000093.html

1-2.経営方法は3つ

さて、それでは本題のシェアハウスの経営について見ていきましょう。シェアハウスを経営する方法は、大きく分けて次の3つがあります。

1.自分がオーナーになり、管理は管理会社に委託する方法
2.自分がオーナーになり、管理も自分でする方法
3.オーナーから物件を借りて、自分は管理人になる方法

これらについて、順番に説明します

1-2-1.自分がオーナーになり、管理は管理会社に委託する方法

これは、シェアハウスを購入するか、一戸建てを購入し(もしくは賃借し)、シェアハウス用にリフォームした後、入居者に貸すという方法です。実際のシェアハウスの管理・運営については、専門の管理会社に委託します。

物件の購入・賃借にかかる費用に加えて管理の委託費用もかかるので、他の方法に比べて費用がかかりますが、その分上手くいった場合のリターンも大きいです。

「シェアハウス経営に興味はあるけど、実際に管理・運営するまでは大変そうだ」とお考えの方にはこの方法がおすすめです。

1-2-2.自分がオーナーになり、管理も自分でする方法

これは、シェアハウスを購入するか、一戸建てを購入し(もしくは賃借し)、シェアハウス用にリフォームした後、入居者に貸すという方法です。1-2-1と異なるのは、実際のシェアハウスの管理・運営についても自分が行うという点です。

シェアハウス経営を実際に管理・運営するには独自のノウハウが必要となりますので、その点の大変さはあるかもしれませんが、管理会社への委託費がかからない、入居者との交流がとれるなどのメリットもあります。

シェアハウス経営に興味があり、人と接することが好きだ、という場合はこの方法がおすすめです。

1-2-3.オーナーから物件を借りて、自分は管理人になる方法

これは、「保有している物件をシェアハウスとして活用したい」と考えているオーナーから物件の管理・運営を受託する方法です。

上の2つの方法に比べて報酬は減ってしまいますが、自己の物件を持たない点でリスクは少ないです。ただ、オーナーから管理・運営の信頼を得るためには過去の実績等が必要となりますので、初心者が個人で0からこの方法で始めるのは難しいかもしれません。

この記事での「シェアハウス経営」は、個人でも始められる1-2-1と1-2-2の場合を指すことにします。

2.シェアハウス経営のメリット

シェアハウスを経営することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

マンションでもアパートでもなく、不動産投資としてあえてシェアハウスを選ぶということには、以下の4つのメリットがあります。

2-1.収益性の高さ

シェアハウスでは、他の一般的な賃貸物件(ワンルームマンションや戸建を貸す場合)に比べて収益性が高くなることが期待できます。

なぜなら、シェアハウスはトイレやバスルーム、キッチンなどの共用スペースが数人に1つで済むため、同じ面積でもワンルームよりも多くの入居者が入り、その分多くの家賃収入を得られるからです。

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例えば、上記の画像の例で考えてみましょう。※少し極端な例にはなりますが、実際に存在します。
左のワンルームが4部屋なのに対し、右のシェアハウスで同じ面積で10部屋作れます。

そのため、家賃が安くても多くの部屋を作れる=多くの入居者から家賃が得られるため、高い収益性が期待できるのです。

2-2.安定性

不動産投資では、入居者がいない空室状態になってしまうと家賃収入が入らなくなってしまいます。

この点、シェアハウスは部屋数を分割し複数の入居者と契約しますので、「入居者ゼロ」という状態が起きにくく、安定して家賃収入を得ることができるのです。

2-3.入居者のきまりやすさ

先に書いた通り、不動産投資では入居者がいなければ家賃収入が得られません。この点、シェアハウスは対応できるニーズが多い(リーズナブルな物件に住みたい、保証人がいらない、入居者同士の交流が欲しい、外国人でも可能、など)ので、比較的入居者が決まりやすいといえるでしょう。

また、近年では審査などの関係上、一般物件に住むことにハードルがある、非正規雇用者の増加もあって、シェアハウスのニーズが増え続けているのです。

1990年以降の長期的な推移をみると、1990年に881万人だった非正規雇用者数は、2014年に1962万人と2倍以上になりました。正規の職員・従業員(以下「正規雇用者」という。)数は、1990年代半ば以降、ほとんどの年で減少しています

引用:総務省統計局_最近の正規・非正規雇用の特徴

2-4.活用性の広さ

シェアハウスは、他の賃貸物件と比較して物件の活用性が広いといえます。

例えば、自分がオーナーの場合、オーナー自身がその物件に住んでしまうということもできます。こうすることで住宅ローンが適用でき、物件の残存期間に関係なく長期にわたるローンが組めるという新たなメリットも出てきます。

さらに、他の部屋の家賃収入でローンを返済しながら、自分は賃料を払わず住む、ということも可能になります。

また、出張先でよく行くエリアに物件を持っておけば、1部屋を自分が出張した時の宿泊用として活用することもできます。ビジネスホテルを利用するよりずっと経済的です。

3.シェアハウス経営のデメリット、リスク

では反対に、シェアハウスを経営することにはどのようなデメリット、リスクがあるのでしょうか?

3-1.管理の難しさ

シェアハウス経営に関しては、一般的な賃貸物件と比較してまだ管理体制の確立が不十分といえます。

一般の管理業務に加えて、入居者募集や入居者のコミュニティー管理などにもシェアハウス特有のノウハウが必要となります。そのため、全くの素人がシェアハウスの管理をしようとした場合、少しハードルが高いといえるかもしれません。

3-2.管理業者に委託した場合の委託料のコスト

3-1で書いたような管理の難しさから、自身がオーナーになる場合は管理をプロの業者に委託する場合が多いようです。

ただ、この場合の委託料は、マンション等の管理を委託する場合に比べると高くなります。相場がだいたい家賃収入の20%です(マンションの場合の約4倍)。

3-3.入居者同士のトラブル

シェアハウスでは入居者同士の生活が密接になります。

そのため、生活習慣の違いなどから、入居者同士がトラブルを起こしてしまう可能性がどうしてもあります。これらの対応に追われるというリスクは考えられます。

3-4.設備対応

シェアハウスでは、家具・家電といった設備もオーナーの所有となります。そのため、それらが壊れてしまった場合のメンテナンスや修理の対応で費用がかかってしまう場合があります。

4.シェアハウス経営のはじめ方

4-1.初期費用

シェアハウスを始めるのに初期費用はどのようなものがかかるのでしょうか?

これから物件を用意するところから始めようという場合は、初期費用として以下の費用がかかります。

①物件購入(賃借)費用
②家具の調達費用
③リフォーム・リノベーション費用

以下、これらについて順番に説明します。

ちなみに、最も初期費用が少なく始められるのは、すでにシェアハウス物件を持っていて、特に物件をシェアハウス用に改装する必要がない場合です。この場合は数十万円で始められます。今回はこのケースは除きます。

また、シェアハウスを事業として行う場合には、日本政策金融公庫が費用を長期融資してくれる可能性があります。全ての費用を自己負担するのではなく、融資も検討してみるのも有効な選択肢と言えるでしょう。

4-1-1.物件購入(賃借)費用

まず、シェアハウスとする物件を購入するか賃借するための費用がかかります。以下、購入する場合と賃借する場合について、それぞれ順番に説明します。

①購入する場合
多くの場合、物件を購入する時はローンを利用することとなります。ただ、シェアハウスは不動産投資としての認知度がまだ高いとはいえないため、融資を受けるのがやや困難です。
そこで、効果的なローンの組み方として、

㋐コーディネート会社を利用する
㋑住宅ローンを利用する

の2つがあります。以下、順番に説明していきます。

㋐コーディネート会社を利用する
コーディネート会社は、シェアハウス経営をサポートしてくれる会社です。

コーディネート料を払うことで、物件探し、改装業者の紹介、入居者募集などをサポートしてくれます。さらに、ローンを組む金融機関まで紹介してくれるのです。

シェアハウスを経営する場合個人で融資を受けるのが非常に難しいので、ローンについてはコーディネート会社にサポートしてもらうのが望ましいでしょう。

㋑について
自宅の一部をシェアハウスとして活用しようという場合、住宅ローンを利用することができます。住宅ローンを利用すれば、融資を受けられるだけでなく金利も安くなります。

「一部」の割合については、メガバンクを利用する場合は建物面積の半分以上、信用金庫などを利用する場合は建物面積の30%以上、というのが基準になっているようです。

住宅ローンを利用する場合、頭金として物件価格の2~3割が必要になります。

②賃借する場合
物件を賃借するための費用は、前家賃、敷金、礼金がかかります。前家賃としては、通常、
(契約した当月分の家賃を日割り計算して残っている日数分の金額)+(翌月分の家賃)
の金額を払うこととなります。

敷金は家賃の2か月分、礼金は家賃の1か月分が相場となっているようです。ということは、これらを合計すると、物件賃借費用は家賃4~5ヶ月分が必要ということになります。

4-1-2.家具の調達費用

シェアハウスに備え付けの家具はオーナーが用意しますので、購入費がかかります。

共有部分にある冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどは最初から用意されている場合が多いので購入したほうがよいでしょう。

各部屋の机、椅子、ベッドなどに関しては、各自のこだわりがあったり、入居者がすでに自分で用意していたりということがあるので、入居者が決まってから購入した方が良いかもしれません。

4-1-3.リフォーム・リノベーション費用

物件を購入(賃借)したら、その物件をシェアハウス用にリフォーム・リノベーションする必要があります。

このリフォームにかかる費用はまちまちですが、一坪あたり20~30万というのが一つの基準のようです。これを基準に考えると、部屋数が4~6という規模のシェアハウスの場合、合計300~500万円かかる計算になります。

このリフォーム・リノベーションに関しては、どんどん金額が膨らんでしまうおそれもあるので、できれば物件価格の20%に抑えるということを心がけましょう。

4-2.物件選びのポイント

シェアハウスの物件を選ぶにあたって、シェアハウスに向いている間取りのポイントというのがありますので、それをおさえましょう。ポイントは以下の2点です。

1.トイレ・洗面所・風呂がそれぞれ独立している
2.独立した個室が多い

以下、この2点について説明します。

4-2-1.トイレ・洗面所・風呂がそれぞれ独立している

シェアハウスでは、トイレ・洗面所・風呂は入居者が共有することになります。そのため、例えばトイレと洗面所が一緒になっていると、「誰かがトイレに入っている間は洗面所が使えない」ということになり不便です。

これを避けるために、トイレ・洗面所・風呂が一緒になっている物件をシェアハウスにする際はそれらの分離工事を行うのですが、その場合大きな工事費がかかってしまいます。

ですので、物件選びの段階でトイレ・洗面所・風呂がそれぞれ独立した間取りの物件を選ぶのが良いでしょう。

4-2-2.独立した個室が多い

シェアハウスでは、入居者それぞれが個室を持つことになります。ということは、独立した個室が多ければ多いほど入居者を多く募集できるのです。

よって、物件を選ぶ際は、独立した部屋が多いか、リフォーム工事をすれば独立した部屋の作れるといった間取りの物件を選ぶのが良いでしょう。

「独立した」という点について、例えば「廊下などに面していないで、ドアを開けたら別の個室に繋がっている」といった部屋は「独立した」とは言えないので注意が必要です。

4-3.家賃設定

シェアハウスを経営するにあたり、家賃をどのくらいに設定するかというのは大事な問題です。

個室の場合を考えると、同じエリアで似た条件のワンルームマンションの家賃と同等が相場となっているようです。※ただし、部屋の狭さや仕様、新築かどうかなどによって変化するので注意

「シェアハウス=安い」というイメージがあるかもしれませんが、実際には月々の家賃はそこまで安い物件ばかりでもありません。

その分、入居人にとっては「住むための初期費用(敷金、礼金など)が安い(かからないことも多い)」「家具が用意されているので買う必要がない」といったメリットがあるのです。

4-4.許可や資格はいるのか

シェアハウス経営を始めるのに、特別な許可や資格は必要ありません。

ただ、寝具管理を管理者で行う場合、『旅館業』に該当し、保健所に申請が必要になる場合があります。

5.シェアハウス管理・運営の手順と方法

ここからは、実際にシェアハウスを管理・運営するための手順・方法をご紹介します。

自分でシェアハウスの管理・運営までしてみようとお考えの方はこちらを読んで参考にしていただけると幸いです。

5-1.住んで欲しいターゲットのコンセプトを決定する

シェアハウスを運営するには、まずそのシェアハウスに住んで欲しいターゲットのコンセプトを決定します。

代表的なものは、リーズナブルな物件に住みたい人、お洒落な物件に住みたい人、入居者間のコミュニティーを重視する人、外国人との交流を求める人、などです。「料理好きが集まるシェアハウス」や「音楽好きがあつまるシェアハウス」など、独自のコンセプトを設けるシェアハウスもあります。

5-2.コンセプトに合わせたリフォームをする

次に、さきほど決定したコンセプトに合わせて、物件をリフォームします。

たとえば、「料理好きのあつまるシェアハウス」とした場合、キッチン設備を充実させる必要があります。また、「外国人と一緒に住んで英会話を習えるシェアハウス」とすれば、ホワイトボードを完備する必要があります。

さらに、シェアハウスに住むのがはじめてという人をターゲットにした場合は、そういった人たちは家具を自分ですでに持っている場合が多いので、余計な家具は付けない方が良いでしょう。女性専用のシェアハウスにした場合、家具もデザイン性の高いものを用意する必要があります。

5-3.入居者を募集する

コンセプトに合わせたリフォームまでが済んだら、次に入居者を募集します。シェアハウス専用のポータルサイトがありますので、そこで入居者を募集します。

ポータルサイトの具体例として、以下3つをあげておきますので参考にしてください。
○シェア生活.com
http://share-seikatsu.com/

○Share Share
http://share-share.jp/

○colish
https://colish.net/

この時、ポータルサイトに、このシェアハウスが入居者に提供できるライフスタイルをしっかり書くことが重要です。入居者が、住む前に「住むことでどんなことが得られるか」をつかめるよう、しっかりフォローしましょう。

また、できれば応募後、面談をするのが良いでしょう。シェアハウスの掲げるコンセプトに対して、その人が入居者にふさわしいか、しっかり自分の目で確かめることができます。

5-4.運営を開始する

入居者が決定したら、いよいよシェアハウス運営のスタートです。ここからは、実際にシェアハウスを運営するにあたってのポイントをいくつか紹介します。

最も重要なのが、入居者同士のルール作りです。入居者同士のトラブルを避けるためにも、ルールをしっかり設けることが必要なのです。考えられるルールを下にざっとあげます。

・掃除・ゴミ出しは当番制にするか、業者に頼むか?
・入居者の友人の宿泊はOKにするか?
・共同で使用する冷蔵庫や洗濯機の使い方はどうするか?
・ルールを守れない入居者がいた場合は、どう対応するか?
・シェアハウス内を全面禁煙にするか、喫煙所を設けるか?
・入居者からクレームがあった場合はどう対応するのか?

入居者が快適に生活できるよう、これらをしっかりと定めます。

また、管理者が物件を実際に見て回ることも重要です。入居者とコミュニケーションを取りながら、よりよいシェアハウスにするための改善点などをみつけます。自分でこまめに足を運ぶことができない場合は、シェアハウス内に協力者を見つけ、入居者からのフィードバックをまとめてもらうようお願いしましょう。

6.シェアハウス経営のまとめ

シェアハウス経営についてご説明してきましたが、いかがでしたか?

シェアハウス経営には、不動産投資で自分が利益をあげるというだけでなく、入居者に快適な生活を提供できるという醍醐味もあります。

この記事が、少しでもシェアハウス経営に興味がある方の参考になれば幸いです。

  • この記事を書いた人
武田正和

m.takeda

1984年生まれ。イエベスト監修者。宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士。不動産に関する多数の資格を保持し、個人としても複数の不動産投資を手掛ける。複雑な不動産の知識を、初心者でも理解できるように届けることをミッションに、正確で信頼のできる情報を提供している。

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