こんにちは!「イエベスト」の管理人、松崎 サブローです!
使っていない空き家を上手く活用したいとお考えですか?
もしあなたが空き家を持っている場合、それを活用することで利益を上げる方法があります。例えば、空き家を誰かに家として貸し出せば家賃収入を得ることができます。また、もう使わない空き家であれば、壊して更地にしてしまって駐車場にして利用料を得ていく方法もあります。それ以外にも、空き家は様々な活用方法があります。
ススメ先生、この増えていく空き家を活用することはできないのでしょうか?
サブロー君、いい視点じゃな。実は、空き家の活用方法はいくつかあるのじゃ。例えば、空き家を貸し出すことで活用する方法があるが、貸し出し一つをとっても、入居者向けなのか、事業者向けなのか、自治体向けなのか、など、用途は様々じゃ。。
なるほど!自治体に貸し出しするケースもあるのですね・・・!
空き家対策特別措置法が定められたこともあり、空き家の活用方法については知っておいて損はないぞ。
もし空き家が放置状態になってしまっている場合、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称、空き家対策特別措置法)に引っかかると、行政から指導を受けたり、最悪の場合固定資産税が6倍にまで上がってしまったりします。
固定資産税が上がってしまうのは、かなりの負担といえますよね。
以上のことから、もしあなたが利用していない空き家を持っている場合、何かしらの方法で活用すべきといえるでしょう。
目次
1.オーナーとして空き家を貸し出す
空き家の活用方法としては、入居者や事業者などの第三者に貸し出すという方法が考えられます。あなたが空き家のオーナーとして第三者との間で賃貸借契約を結び、毎月家賃収入や利用料を得ていく方法です。具体的な貸し出し先としては、以下の3つがあります。
②事業者に貸し出す
③公共用途に貸し出す
以下、それぞれについて詳しく書いていきます。
1-1.入居者に貸し出す
1つめは、賃貸物件として入居者に貸し出すという方法です。空き家を第三者に住居として賃貸することで、毎月家賃収入を得ていきます。
1-1-1.貸し出す方法は3種類
一戸建ての空き家を貸し出す方法としては、以下の3通りがあります。
②シェアハウスとして貸し出す
③旅行者向けに短期で貸し出す
①一軒として貸し出す
まず、空き家を「一軒の家」として貸し出す方法があります。
多くの場合、空き家をきれいにリフォームした後、入居者を募集して貸し出します。入居者が来れば毎月安定した家賃収入が得られますが、入居者が来なければ家賃収入は得られません。そのため、立地やエリアの賃貸需要などから、どういった層を入居者のターゲットにするかを考える必要があります。
空き家の入居者を募集するにあたって、空き家バンクを利用してみましょう。空き家バンクに登録すると、借主とのマッチングをしてくれるだけでなく、貸し出すにあたってリフォームが必要な場合にその費用を助成・補助してくれます。
②シェアハウスとして貸し出す
シェアハウスとは、複数の入居者が一つの物件の中で共同生活を送る居住スタイルです。それぞれが個室を持ちながら、リビングやキッチン、お風呂、トイレなどは共有して生活します。
自分の空き家をシェアハウス用にリフォームして貸し出す、というのも空き家活用の一つです。若者の間ではシェアハウスの人気も上がってきていますので、地域によってはニーズがあるでしょう。一軒として貸し出す場合と比較したメリットとデメリットは以下のようになります。
メリット | デメリット |
・部屋を分ける分多くの入居者が入るので、収益性が高い ・入居者がいない状態(空室状態)になるリスクが低く、安定性が高い ・対応できるニーズが広く、入居者が決まりやすい ・自分も住んでしまうなど、活用の幅が広い | ・管理が難しい ・管理業者に委託した場合、委託料のコストがかかる ・入居者同士でトラブルが起こるリスクがある ・家具・家電をオーナーが用意する必要があるので、設備コストがかかる |
シェアハウスの経営については、シェアハウス経営の完全マニュアル | メリット、デメリット、始め方で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
③旅行者向けに短期で貸し出す
上で紹介したような長期的な貸し出しが難しい場合、旅行者向けに短期で貸し出す方法もあります。旅行に来た人に対してホテル代わりに貸し出し、宿泊料を得ます。いわゆる「民泊」と呼ばれる方法です。上で紹介した長期貸し出しよりも手軽で簡単な方法と言えるでしょう。
具体的な方法としては、インターネットの宿泊マッチングサイトに登録するところから始めます。サイトに登録すると、その物件を宿泊に利用したいという人との間でマッチングが成立し、貸し出すという仕組みになっています。
代表的なサービスであるAirbnbを例にとると、利用の流れは以下のようになります。
長期貸し出しと比較すると得られる利益は少ないかもしれません。ただ、長期貸し出しほど建物の管理を細かくやる必要はないので手間がかかりません。また、空き家があるのが田舎の場合、賃貸需要が低く長期貸し出しの相手が見つからないということもあるでしょう。その場合でも、近くに観光地があったりすると、旅行の宿泊施設としては需要が高いかもしれません。
短期貸し出しの注意点としては、以下のものが挙げられます。
海外からの旅行者とのトラブルには注意しましょう。具体的には、以下のようなトラブルが想定されます。・宿泊料を支払わない
・家の器物を壊してしまう、家を傷つけてしまう
・貸し出し条件の認識の不一致
・騒いで警察沙汰になるこういったトラブルに対応できるよう、最低限の英語は話せるようにする(または話せる人を探しておく)などの準備はしておきましょう。②法律関係のトラブル
宿泊施設として住宅を提供する行為(いわゆる「民泊」)には、様々な法律が絡んでいます。現段階では法律的にグレーゾーンな部分が多いのも確かです。そこで、法律関係でとらぶるにならないよう、関係する法令をしっかりチェックしておきましょう。具体的には、以下のような法令をチェックしておきましょう。・旅館業法
・住宅宿泊事業法案
・各自治体の民泊条例
1-1-2.賃貸借契約の形式は2タイプある
空き家を貸すにあたって、オーナーであるあなたと入居者の間で賃貸借契約を結ぶ必要があります。契約の形式としては、以下の2タイプがあります。
②定期借家契約
①普通借家契約
普通借家契約は、契約の時に定められた期間が満了すると契約が更新されるタイプの賃貸借契約です。
入居者から退去の申し出をしない限り、原則として契約は更新されます。オーナーが入居者に出て行って欲しいと思っても、正当な理由がなければ退去させることはできません。
もし将来的に空き家を別の目的で使う可能性があるのであれば、オーナーの勝手が効かない普通借家契約は結ばない方が良いといえるでしょう。
②定期借家契約
定期借家契約は、契約の時に定められた期間が満了するとその契約が終了するタイプの賃貸借契約です。
普通借家契約と比較して、オーナーが貸し出し期間をコントロールできるメリットがあります。ただ、入居者からすると、普通借家契約より契約の安定感が低いというデメリットがあります。よって、定期借家契約の場合の家賃相場は普通借家契約の場合よりも低くなる傾向があります。
○「不動産投資」との違いこの方法はいわゆる「不動産投資」と同じですが、1つ一般的な不動産投資とは異なる点があります。それは、一般的な不動産投資は新たな投資用不動産(一戸建て、マンションなど)を購入するところから始まりますが、空き家活用の不動産投資はすでに投資用不動産(所有する空き家がこれにあたります)を持っているところから始まるという点です。
一般的な不動産投資では、ローンを利用して投資用不動産を購入し、家賃収入の中からローンを返済していきます。一方、空き家活用の不動産投資はすでに投資用不動産を持っている状態なので、ローンの返済が必要ありません。つまり、入居者が見つかれば家賃収入が丸々あなたの利益となるわけです。もちろん、リフォーム費用や管理費などがかかるので100%とは言えないでしょうが、購入費用が要らない分一般的な不動産投資より大きな利益が見込めるでしょう。
その他、家を貸し出す時の流れ、ポイント、注意点などについては、自分の家を貸す方法|賃貸から民泊まで全て解説します!で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
賃貸契約に関して、借主負担DIY型の契約も押さえておきましょう。
一般的に空き家を貸し出す際、貸主が空き家をリフォームしてから貸し出します。ただ、これは貸主にとっては大きな負担です。
そこで最近、借主負担DIY型の契約というのが注目されています。借主負担DIY型の賃貸契約とは、「空き家が住むのに支障があるほどの状態であり、大きな修繕を必要とする」というわけではない場合、そのまま借主に空き家を引渡し、借主が自分で修繕しながら住むという形態の賃貸契約です。貸主としてはリフォーム費用を負担しなくて良い、借主が修繕しながら住むので長期契約になりやすいといったメリットがあります。一方、借主としては自分好みに住居を修繕できる、修繕費を負担する分家賃が安くなる、といったメリットがあります。
1-2.事業者に貸し出す
2つめは、ビジネス用の物件として事業者に貸し出す方法です。空き家を第三者に住居として賃貸することで、毎月テナント料を得ていきます。事業の具体例は、物を販売する店舗やカフェ、事務所など様々です。
利益を得る仕組みや契約の方法について、居住用に貸し出す場合と変わりません。ただ、居住用の建物を事業用に利用するということで、以下の点には注意が必要です。
②立地条件がシビアになる可能性がある
③空き家がマンションの場合、事業用の利用が管理規約で制限されている場合がある
④年間の賃料収入が1,000万円を超えた場合、消費税がかかる(居住用に貸し出した場合は非課税です)
1-3.公共用途に貸し出す
3つめは、公共用途のため自治体に貸し出す方法です。収益性というよりは、地域貢献という視点で空き家を活用する方法になります(場合によっては利用料を得ることもあります)。
活用例としては、以下のようなものがあります。
・コミュニティスペース
(文化活動の拠点や集会所などとして活用する例です)
・移住者に向けた体験用住宅
(これから地域に移住しようとする人向けに、その地域の暮らしを体験してもらうための住宅として活用する例です)
・文化施設
(資料館、図書館といった文化施設として活用する例です)
・医療・福祉施設
(デイサービスなどの拠点として活用する例です)
この方法を考える場合、まずは自治体に活用したい旨連絡してみましょう。
2.空き家を解体して土地活用する
空き家を活用するのが難しいという場合、空き家を解体して残った土地を活用するという方法もあります。
2-1.活用方法
土地の活用方法には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
土地には、その上に住宅を建てる以外にも、駐車場にしたり太陽光発電パネルを設置したりといった様々な活用方法が存在します。
2-2.解体費用について
空き家を解体するとなると、気になるのは解体費用がどれくらいかかるかという問題ではないでしょうか。
目安としては、解体費用は木造でも1坪あたり2~3万円と言われます。これはもう使うことがない家に対して支払う費用としては大きいと言えるでしょう。
そこで、自治体による空き家の解体費用補助を利用してみましょう。多くの自治体で、空き家の解体費用を補助するサービスが行われています。この制度が利用できれば、だいたい30万円~100万円ほどの補助を受けられるようです。自分の所有している空き家のある地域の自治体で解体費用補助が行われていないか、ホームページをチェックしてみましょう。
この点に関して、空き家にかかる固定資産税が土地にかかる固定資産税の3.2倍以上であれば、解体しても固定資産税はあがりません。よって、空き家の固定資産税と土地の固定資産税をそれぞれ比較して、上記の条件を満たしている場合は空き家の解体をおすすめします。
3.空き家を売却する
空き家の活用には抵抗があり、解体費用や固定資産税の問題がやはり気になるという場合、空き家を売却してしまうという方法もあります。
空き家を売却してしまえば、空き家に関すること(固定資産税や管理など)から解放されます。また、うまく売れればまとまったお金を手にすることもできます。
○売れるまでは固定資産税がかかる空き家が売れるまでは固定資産税を払わなければならない、という点に注意しておきましょう。売りに出せばもう固定資産税から解放されるというわけではありません。
3-1.売却の流れ
空き家の売却は、以下の流れで進められます。
①物件の売却価格の周辺の相場を調べる
②査定を依頼する不動産会社を選定する
③不動産会社を決めて、媒介契約を結ぶ
④売却活動をはじめる
⑤購入の希望者が見つかれば交渉する
⑥物件の情報を開示する
⑦売買契約を締結する
⑧物件を引き渡す
ちなみに、空き家を中心とした買取サービスというのもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
3-2.売却費用について
空き家を売るのには、以下のような費用がかかります。
①租税公課 | ・印紙税 ・譲渡所得税 ・消費税 ・抵当権抹消登記の登録免許税 (抵当権設定をした場所) |
②その他の費用 | ・不動産仲介手数料 ・金融機関への一括借り上げ手数料 ・司法書士報酬 など |
①租税公課について、あなたの空き家でいくらかかるかの計算は不動産売却前に絶対に知っておきたい税金と確定申告まとめに記載していますので、そちらもあわせて参考にしてください。
②その他の費用について、この中で最も額が大きくなるのは、「不動産仲介手数料」です。不動産仲介手数料とは、売買の仲介をしてくれる不動産会社に対して支払う成功報酬のことです。不動産仲介手数料がどれくらいかかるかについては、無料にもできる?不動産売却時にかかる仲介手数料の仕組みを解説で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
ちなみに「譲渡所得税」について、平成28年税制改正大綱において、以下の条件を満たす空き家に関しては、その家屋や土地を譲渡した際の所得(譲渡したことで得られる利益)の3,000万円特別控除を適用することができることとされました。
・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた者がいなかったもの
・平成 28 年4月1日から平成 31 年 12 月 31 日までの間に譲渡をしているもの
・相続開始の日から3年を経過する日属する年の12月31日までに譲渡しているもの
・譲渡の対価の額が1億円を以下のもの
加えて、「家屋又は家屋と土地を売る場合」と「家屋を解体した後の土地を売る場合」でそれぞれ以下の条件が加わります。
・譲渡時において地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準に適合するものであること
・相続時から譲渡時まで事業や、不動産の貸付け又は居住用に使用されていないこと
4.自分で使用する
空き家の活用に困った時、自分で使用してしまうという方法もあります。
例えば、現在の「空き家」を自宅にして、現在住んでいる家を「空き家」として活用するという選択肢も考えられます。現在住んでいる家の方が空き家としての活用価値が高ければ、そちらを活用して収益をあげるのも手です。
また、セカンドハウス(いわゆる別荘)として使用する方法もあります。セカンドハウスとして管理すれば、国の空き家対策(空家対策特別措置法)における指導の対象外になります。今は使わないけど将来使う余地があるという場合、セカンドハウスとして管理しておくのも手です。
セカンドハウスの管理は、空き家の管理サービスを行っている会社がありますので、そちらに依頼してみましょう。費用の相場は月1回巡回してもらうので約1万円前後のようです。
空き家管理サービスを行っている企業を以下にあげておきますので、空き家を所有していてこうしたサービスを利用してみたい方はぜひ参考にしてください。
空き家管理サービス:大東建託グループ
~ 空き家管理の全国ネット ~【 日本空き家サポート 】
5.まとめ
空き家を活用する様々な方法についてみてきましたがいかがでしたか。
この記事が、現在所有する空き家をどうにか上手く活用したいと思っている全ての方の参考になれば幸いです。