アパート経営は株式投資やFXなどと比べて比較的デメリットやリスクは少ないと言われています。
しかし、アパート経営に全くデメリットやリスクがないというわけではありません。
そこで、この記事ではアパート経営をする上でのデメリットやリスクを8つお伝えしていこうと思います。
また、文末では新築アパートと中古アパートによるデメリットやリスクの違いも紹介しています。
目次
1.アパート経営をする上でのデメリット・リスク8つ
アパートを経営する上でのデメリット・リスクは
- 1.初期費用がかかる
- 2.空室が続くと家賃収入が減少する
- 3.物件周辺の競争が激化する
- 4.修繕費など思っているよりもお金がかかる
- 5.事前災害により建物が倒壊する
- 6.事故物件など予期せぬ事態がある
- 7.売却価格が予想よりも低くなる可能性がある
- 8.金利変動によってローンの金利が上昇する
の8つがありますので順に解説していきます。
1-1.初期費用がかかる
不動産投資は、他の株式投資などと比べてもかなり初期費用としてお金が結構かかってしまう投資方法です。
また、一般的にはアパートは区分マンション経営とは違い1部屋だけ購入するといった方法ではなく、土地を購入して1から建てるか、中古アパート一棟買いになりますので費用が結構かかってしまうことに注意が必要です。
金額としては地域により差はあるものの、5000万円~1億円以上かかる場合も少なくありません。
将来的に家賃収入が発生し利益が出るとしても持っているお金を手放す、もしくはローンを組んで負債をもつということになることはリスクと言えますので、これだけ大きい金額を支払ったとしても余裕のある生活ができる状況で不動産投資を始めることがおすすめです。
1-2.空室が続くと家賃収入が減少する
アパート経営をしている期間ずっと部屋が満室であるとは限りませんので、空室になってしまう期間があります。
この空室であるという状態は家賃収入が無くなってしまう期間ですので、極力避けなければならないリスクです。
しかも、一度空室になってしまうと次の引越しシーズンまで人が入ってこないということもありえますので要注意です。
例えば4万円で貸している部屋が3部屋6ヶ月空室になったとすると72万円も収入が減ってしまいます。
そうなると家賃収入からローンを返済している場合、ローン返済額に満たなかったりして、サラリーマンとしての月収から持ち出して返済するなど予期せぬことが起こったりします。
こういったリスクを減らすためには、立地選びや設備投資などが大事になってきますので注意しておきましょう。
1-3物件周辺の競争が激化する
アパートを購入した周りの環境は、何年も同じとは限りません。
場合によっては、アパート周辺の競争が激化して、綺麗なマンションやアパートが続々とできるなんて可能性もありえます。
そういった場合、他の綺麗な住宅に本来の入居するはずだった人を奪われてしまい収入が減少してしまったり、集客するために家賃を下げることにより収入が減少してしまうということになってしまうのです。
周辺にできた新しい物件に負けないためにも修繕などの設備投資などは抜かりなく行いましょう。
また、物件周辺の競争が激化するということはその土地の値段も上がりますので、売却するという選択肢もありですね。
1-4.修繕費など思っているよりもお金がかかる
アパート経営を始める前にどれくらい儲かるのか利回りなどを提示されますが、その際は老朽化によって汚れたり壊れたりしたところを直すための修繕費用が加味されていないというケースがあります。
また、加味されていたとしても最低限の修繕費で実際にはもっとかかってしまうという場合も少なくありません。
つまり、アパートを購入する時にぎりぎりの経営である場合、予想外にお金がかかり経営が難しくなってくるというリスクが潜んでいます。
ですからアパート経営を行うときは、もしものことがあったとしてもなんとかできるような資金力に余裕があるという状態で始めるのをおすすめします。
1-5.自然災害により建物が倒壊する
日本でアパート経営をする以上、地震で建物が倒壊してしまうリスクはつきものです。
また、近年では集中豪雨などにより川が氾濫してアパートがダメになってしまうということもあります。
そのため、アパート経営をする場合はきちんと損害保険にはきちんと入っておきましょう。
ただし、自然災害によりアパートが倒壊して損害保険でお金が戻ってきたとしても、アパートを建てる場所の選定や建築デザイン選定などにかかった時間は戻ってきませんので、その点は特にデメリットと言えそうです。
1-6.事故物件など予期せぬ事態がある
事故物件とは不動産で殺人や自殺があった物件のことを指しますが、アパート経営をする場合、事故物件には十分注意しましょう。
なぜなら、事故物件は相場よりも30%安く家賃設定をしないと借りる人がいないと言われているからです。
ですので中古アパートを購入する場合、そのアパートが事故物件ではないかどうかはきちんと把握しておく必要があります。
また、新築アパートや中古アパートを購入したのちに事件が起こり事故物件になってしまうという場合も可能性としては0ではありません。
その場合アパートは売却できないか売却できたとしてもかなり低価格になってしまうことになってしまいますので、その点はデメリットと言えます・・・。
1-7.売却価格が予想よりも低くなる可能性がある
アパート経営では最終的に売却して収入を得るという方法がありますが、アパート購入時などに見積もっていた売却価格よりもかなり低い金額でしか売れない可能性があります。
通常購入時などに提示される数年後の売却価格は、日本の今の景気やその土地の周辺状況が今のままだったとしたらという程で計算されます。
しかし、世の中なんて何が起こるかなんてわかりませんので景気が悪くなる可能性もありますし、購入したアパートがある隣の市に巨大なショッピングモールができて人口が流出し、土地の価格が下落するなんてこともありえるからです。
あくまでも売却価格は参考程度にし、売却して利益が出たらラッキーだと思って経営することをおすすめします。
1-8.金利変動によってローンの金利が上昇する
現在政府は日本の物価を上げようとしていますが、物価が上昇したら連動してローンの金利も上昇します。
つまりローンを組んで支払う利息は今後の物価の上昇に伴って変化し、物価の上昇率次第では想定よりもかなり多い利息を支払うことになるのです。
例えば5,000万円のローンを金利1%の30年払いで組んだ場合の利息 →7,894,947円 同じ条件で2500万円支払った後、残り2500万円分が金利2%に変動した場合の利息 →9,783,991円 9,783,991円-7,894,947円=1,889,004円 |
このことから、同じ5,000万円を支払うだけなのに、途中で金利が1%上昇しただけで1,889,004円も払わなければならない金額が増えてしまうのです。
つまり、ぎりぎりのアパート経営で予期せぬ金利上昇により利息が支払えない・・・なんてことにはならないよう、ある程度余裕を持った経営をする必要があります。
またアパート経営の金利には固定金利と言われる、金利が変動しないというローンも存在しますのでそちらを利用するという方法も有効と言えます。
2.新築・中古アパート経営のデメリット・リスクの違い
アパート経営のデメリットやリスクをお伝えしましたが、次に新築のアパートを経営する場合と中古アパートを経営する場合のそれぞれのデメリットやリスクをお伝えしようと思います。
2-1.新築アパートを選んだ場合のデメリット・リスク
新築アパートのデメリット・リスク
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新築アパートはやはり新築ということで初期費用がかなりかかってしまうというデメリットが一番大きいです。
一から建てるという場合も建っている新築アパートを購入する場合も中古のアパートよりかはお金がかかってしまうことは確実です。
また、アパートの購入にお金がかかるということは利回りも低くなってしまいます。
さらに新築アパート特有のデメリット・リスクとして、当初の予定どうりに建物の建設がうまく進まず住民の入居開始が遅れてしまうということがあります。
それも1日や2日などではなく数ヶ月の遅れなども発生する恐れがあり、その場合予定していた家賃収入が入ってこなくなるといったリスクがあるのです。
2-2.中古アパートを選んだ場合のデメリット・リスク
中古アパートのデメリット・リスク
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中古アパートは建ってからある程度経過していることから、老朽化に伴う修繕費がかかってしまうというリスクが潜んでいます。
古くなって新しさを取り戻すためにリノベーションを行なったりすると、さらにお金がかかります。
また、中古アパートは購入時などのローン審査が新築アパートの時よりも条件が悪くなることが多く、融資が認められたとしても金利が高く設定されてしまうなんてことがあるのです。
さらに基本的には中古よりも新築の方が住みたいと考える人が多いため、年数が経つにつれて空室率が高くなっていくというデメリットもあります。
3.アパート経営に過度な期待は禁物!
アパート経営は株式投資やFXなどと比べると比較的リスクが少ない投資方法だと言われています。
しかし、アパート経営にもデメリットやリスクが存在します。
今回お伝えしたようなデメリットが起こるかもしれないということを、知っているのと知っていないのではアパート経営を成功させることができるかどうかに差が出てきますので、きちんと把握しておきましょう。
また、どれだけ対策をとったとしても今の時代は何が起こるかわかりません。
アパート経営に過度な期待はせず、リスクはつきもので、その都度対策を行なっていくことになるということは知っておきましょう。