「マンションの購入に興味はございませんか?」
「頭金0円からでも始めることができますよ」
知らない番号からの着信に出ると、いきなりマンション経営を勧誘する営業トークが始まった・・・という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
しかも、1日おきくらいかかってくるし、仕事中にもかかってきたりしてかなり迷惑ですよね。
ただ、この勧誘電話はきちんと断らないと、これから何度もかかってきますし、最悪の場合違う不動産会社からも電話がかかってくる恐れがあります。
そこでこの記事では、今後電話がかかってこないようにする断り方を紹介、解説していきます。
この記事を読んで、次回電話がかかってきた際に実践してみてください。
うっとうしいあの電話を断ち切ることができますよ。
この記事を読むと分かること
- 勧誘電話がかかってくる原因が分かる
- 勧誘電話の具体的な断り方が分かる
目次
1.なぜマンション経営の業者は個人情報(電話番号)を知っているのか
マンション経営の勧誘をしてくる営業マンは「〇〇様の携帯電話でしょうか?」という感じで電話してきます。
その時点で、名前と携帯電話番号の個人情報が漏れているということになります。
不動産投資をしたこともないのに、なぜ個人情報が漏れているのか不安になりますよね。
実は、不動産会社は名簿業者から個人情報を買うことにより、あなたの情報を手に入れています。
1-1.名簿業社とは?
名簿業者とは、
- 氏名
- 年齢
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
などの個人を特定できる個人情報をファイル化し、販売している事業者のことを指します。
また、名簿業者のホームページを見てみると
- 訪問販売でなにかを購入したことがある人リスト
- 太陽光発電を契約した人リスト
などの、過去に電話営業で購入まで到達した人の名簿なども販売されていました。
どうやら訪問販売などで購入すると何かしらの足がつき、そこから個人情報を入手しているようです。
これらの情報を売ることは、一見違法のように感じますが、きちんと条件を満たして届け出を出していれば合法であり、真っ当なビジネスとして認められています。
1-2.本人の同意がなければ、第三者に個人情報を提供することはできないが・・・
情報を第三者に提供する場合には、本人の同意がなければ違法です。
ですが、名簿業者に直接同意をしたことがある人は少ないのではないでしょうか?
ということは、やはり違法では?と思ってしまいますが、それも違います。
実は、私たちは見知らぬうちに自分で同意してしまっている場合があるのです。
インターネットで何かの会員登録をする際に、利用規約や個人情報の取り扱いについての項目全てに目を通していますか?
実は、その利用規約などに個人情報を第三者に提供するというような内容が書かれており、気づかぬうちに自分で同意するにチェックを入れている場合があるのです。
1-3.グループ会社間での個人情報提供
また、名簿業者によるものではなく、グループ会社に個人情報を提供するというパターンも考えられます。
例えば、百貨店で有名な高島屋のファッションスクエアという会員の利用規約の中に、グループ会社に利用目的の範囲内で個人情報を提供するというものがあります。
大手の高島屋でも、グループ会社に個人情報を提供すると規約に定めているのです。
このような感じで、グループ会社に不動産会社が含まれていれば、本人の同意のもと個人情報がマンション経営勧誘業者に渡る場合もあります。
2.マンション経営の迷惑な勧誘電話を断ち切る方法5選
個人情報の第三者への提供が合法で行われているいうことは、単純に「警察に言いますよ!」と言っても、不動産業者を引き下がらせることができません。
ですが、マンション経営の迷惑な勧誘電話を断ち切る方法はあります。
そこでここからは、勧誘してくる営業マンに効く、断ち切る方法を5つ紹介していきます。
具体的には
- 自分の情報をリストから削除してもらう
- 同業者ですと言う
- マンション経営の知識を少しだけでも知っておく
- 利回り12%以上の物件があるか聞いてみる
- 宅地建物取引業法違反と宣言する
こちらの5つです。
2-1.自分の個人情報(電話番号)をリストから削除してもらう
マンション経営を勧誘してきた営業マンに対して
「不動産投資に興味がないので、私を名簿リストから削除してください。」
と言う方法です。
自分の個人情報ですから、不動産業者はリストから削除してくれと言われたら、削除しなければなりません。
基本的には、名簿から削除してもらうことで、電話がかかってこなくなります。
しかし、
「無作為に番号を押してかけているから名簿がないから削除できない」
と嘘か本当かわからないこと言われて、またかかってくるというケースもゼロではありません。
そのため、不動産投資に興味がないという理由は強調しましょう。
特定商取引法には再勧誘の禁止という規制があり、契約等を締結しない意思を表示した人に対しては、再勧誘してはいけない規制があるからです。
- 不動産投資に興味がない
- 名簿から削除してほしい
これら2つをしっかり伝えることができれば、相当悪質な業者でない限りはこれ以上電話がかかってくることはありません。
2-2.同業者ですと言う
勧誘の電話がかかってきたら、その営業マンに対して
「同業者です」
と一点張りする方法です。
そもそも電話で営業しているような商品は、あまり魅力がない商品で、数打って売れればいいなと考えている商品がほとんどです。
そのため、その真理を知っている同業者に対して営業しても、売れる可能性はほとんどないと判断します。
その流れを利用して、同業者と嘘でもいいから伝えれれば、撃退することができるのです。
少し嘘をついてしまうことになるので気が引けてしまいますが、どの会社で働いているという情報までは漏れていないはずなので、バレる心配はありません。
実際、私が大学生の頃「会社員のあなたにお話があるのですが」と電話がかかってきたため、正確な職業までは把握していないようです。
2-3.マンション経営の知識を少しだけでも知っておく
マンション経営の営業文句でよく使われるのが
「マンション経営をすれば、サラリーマンでも所得税を取り戻すことができるので、節税できますよ」
というもの。
確かにマンション経営をすれば、節税をすることができるのは本当です。
しかし、節税ができるのはマンション経営が赤字になった時です。
赤字よりも黒字の方がもちろん良いですし、節税するために赤字になるとわかっている物件に手を出すのもおかしいですよね。
つまり、冷静に考えて節税ができるというのは、マンション経営を副業程度と考えている私たちにとっては、あまりメリットではないのです。
このような知識を持っていれば、一見マンション経営って良いかもって思えるような営業をされても、落ち着いて断ることができるようになります。
2-4.利回り12%以上の物件があるか聞いてみる
マンション経営の、儲かる基準の1つとして利回りというものがあります。
利回りついては【図で解説】アパート経営の利回り|正しい計算方法と相場・目安の記事で詳しく解説していますが、利回りというのは数値が高いほど儲かるという数字です。
利回り12%以上の物件であれば、きちんと儲かることができる、優良な物件です。
しかし、電話営業してくるような業者が提案するマンションは、せいぜい利回り3%~7%あたりの物件だと言われています。
そのため、マンション経営の勧誘をしてきた営業マンに対して
「利回り12%以上の物件であれば、興味があります。」
と言えば、ほとんどの場合引き下がります。
そのような高利回りの物件は、無いので紹介できないからです。
ただし、この方法を利用して、本当に利回り12%以上の物件が紹介できる業者であった場合、商談に進むことになってしまいます。
この断り方は、高利回りの物件があれば投資をしても良いと考えている場合に使うことをおすすめします。
2-5.宅地建物取引業法違反と宣言する
宅地建物取引業法では
- 不確実な将来利益の断定的判断を提供する行為(法第47条の2第1項)
- 威迫する行為(法第47条の2第2項)
- 私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させる行為(法施行規則第16条の12第1号のヘ)
- 勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称、勧誘を行う者の氏名、勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行う行為(法施行規則第16条の12第1号のハ)
- 相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、勧誘を継続する行為(法施行規則第16条の12第1号の二)
- 迷惑を覚えさせるような時間の電話又は訪問する行為(法施行規則第16条の12第1号のホ)
上記のようなことが規則として存在しています。
簡単にいうと、不動産投資への勧誘電話では
- 断っているのにしつこく電話してはいけない
- 脅迫まがいなこと言ってはいけない
- 電話を切らせないなどの行為はしてはけない
といったことをしてはいけないと決まっているのです。
ですので、もし上記に該当するような行為を電話営業でされた場合は
「宅地建物取引業法違反です。これ以上続くようであれば通報しますよ。」
と宣言しましょう。
通報されてしまうと行政処分を下されてしまうので、さすがに営業マンも引き下がります。
また、法律まで把握しているこの人には、これ以上話してもマンションは売れないと判断するため、勧誘をやめてくれます。
3.断ってもマンション経営の勧誘電話がかかってくる場合
上記で紹介したような方法で断っても、悪質な不動産業者はそれでもしつこく電話をしてくる場合があります。
そのような場合は
- 消費者生活センターに相談する
- 警察に相談する
といった方法で対処しましょう。
3-1.消費者生活センターに相談する
マンション経営の悪質な勧誘販売に悩まされていると言う方は、一度消費者生活センターに相談しましょう。
消費者生活センターは、消費者ホットラインというものを用意してくれています。
消費者ホットライン TEL 188(いやや) 平日:9:00~17:00(相談窓口によって受付時間が異なります) 土日、祝日:10:00~16:00(相談窓口によって受付時間が異なります) ※ IP電話など、一部の電話からはつながりません。 通話料金はご利用の電話会社のサービスによって異なります。窓口へおつなぎする前には、「○○秒ごとに、およそ○○円」というアナウンスが流れます。 携帯電話会社の通話料定額サービス等でも、別途ナビダイヤル通話料が発生します。 |
消費者ホットラインはどんな小さな悩みでも聞いてくれますので、勧誘電話に少しでも悩まされている方は、躊躇せず連絡してみてください。
専門の相談員がトラブル解決を支援してくれます。
また、電話ではなく直接会って相談したいと言う方は、全国の消費者生活センターに直接行く方法もあります。
1つの市に1ヵ所くらいはありますので、お近くの消費者生活センター窓口をご利用ください。
詳しい所在地については、国民生活センター公式ホームページの全国の消費者生活センター等に記載されています。
3-2.警察に相談する
不動産業者による勧誘があまりにも悪質である場合は、警察に相談すると言う方法もあります。
特に、「身内の情報も知っている。どうなってもしらないぞ。」といったような、脅迫をされた場合はすぐに警察へ連絡しましょう。
脅迫罪にあたり、警察による取締りの対象です。
ただし、警察に連絡する場合は、証拠がなければ動いてくれない可能性があります。
- 不動産業者名
- 電話番号
- 脅迫された会話の録音
これらの証拠が揃っていると、警察による取締りもスムーズに行われますので、できるだけ収集しておきましょう。
4.マンション経営の電話営業が無くならないのは何故?
- 電話でマンションの営業をされて、契約する人なんているの?
- 電話での営業ってなんで無くならないの?
マンション経営の勧誘の電話を受けた人の中には、こんな疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。
どうしてマンション経営の勧誘電話が今も昔も無くならず存在し続けているのか、そのカラクリを少し解説します。
4-1.電話営業でもそれなりに儲かるから
マンション経営の電話営業では、1人の営業マンが1日に300件、月に6,000件くらい電話をすると言われています。
実は、それくらい電話をすれば、月に1件くらいは成約まで持ち込めるようです。
一見、月1件という成約では、儲からなささそうだと思う方も多いと思います。
しかし、マンションはかなり高額な商品なため、営業マンの人件費や電話の通信料を含めても、月に1件でも売れれば元が取れるくらいの売上があるため、問題ないのです。
こういった理由から、実は電話で営業をしてくる不動産業者は普通に儲かっているという現状があり、それが電話営業が無くならない理由です。
4-2.営業コストが安いから
また、マンション経営の電話営業は、かなり低コストで行うことができます。
電話があれば、どこでも誰でもできるからです。
しかも、電話であれば座っているだけで1日に数百人の人に営業をかけることができるため、交通費などもかかりません。
- マニュアル通り電話をしてもらえれば良いため、不動産関係の資格を持っている人材を雇う必要がない(人件費削減)
- 電話営業のため、豪華なオフィスを借りる必要はない(テナント家賃削減)
- 直接会う人は、契約できそうな人だけ(交通費削減)
- 電話は月額固定料金のプランを導入する(通信費削減)
これだけ経費を削減して、マンションという高単価な商品が売れれば、利益が出るのもなんとなく理解していただけるのではないでしょうか。
5.もし電話を断りきれず勢いで契約してしまったら
マンション経営の勧誘電話があまりにもしつこく、根負けして契約してしまった・・・という場合、条件が揃えば解約することができます。
契約後の解約方法については
- クーリングオフ制度
- 手付解除
この2つが挙げられます。
5-1.クーリングオフ制度
クーリングオフとは、法律で定められている、契約を解除することができる権利です。
マンションの購入も、この権利を使って解除することができます。
ただし、クーリングオフ制度を利用するためには、いくつかの条件が満たされていないと適用できない場合があります。
満たすべき条件の中から、主なものを紹介します。
売主が宅建業者であること
売主が、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けて、宅地建物の売買や交換をしている業者でなければ適用できません。
売主である宅建業者の事務所等でないこと
不動産業者の事務所へ訪問する時点で、購入する意志があったと判断されてしまうため、事務所で契約をしていればクーリングオフ適用外です。
ポイント
・クーリングオフが適用されない契約場所の例
不動産業者の営業所、モデルルーム、買主の自宅・勤務先(買主側が指定した場合)など
自ら申し出た自宅や勤務先でないこと
あなたの自宅や、勤務先へ訪問先を指定した上で購入に至った場合は、購入する意志があったと判断され、クーリングオフの適用外になります。
ポイント
・クーリングオフが適用される契約場所の例
喫茶店、ファミレス、車の中、路上など
告知を受けた日から8日が経過していないこと
8日もあれば、不要であると冷静に判断できたと見なされるため、それ以上の日にちが経っている場合、クーリングオフの適用外となってしまいます。
意外と制限が多いクーリングオフ制度
少なくとも、これらの条件を全て満たしていないと、クーリングオフを適用することは難しいでしょう。
逆に条件を満たしているのであれば、違約金などが全く発生することなく、無条件で契約を解除することができます。
また、自分が条件を満たしているのかどうか詳しく知りたい方は、先ほど紹介した消費者ホットライン(188)に電話をすれば相談に乗ってもらえます。
5-2.手付解除
契約時には手付金と言って、契約することの証明としてお金を払います。
このお金を放棄することで、契約を解除するという方法です。
クーリングオフは制限があり、しかも内容が厳しいものでしたが、手付解除は相手方が履行に着手する前であれば解除することができます。
ポイント
・履行に着手したと言える例
物件の引き渡し、所有権移転登記など
しかし、手付解除の場合、手付金を失うというデメリットはあります。
また、手付解除されてしまわないように、早め早めに着手する不動産業者も存在するため、手付解除をする場合は1日でも早い行動をおすすめします。
6.(まとめ)マンション経営は本来じっくり時間をかけて決定するもの
マンションの購入は、特急が止まる地区や、近くにスーパーがあるなどの条件を吟味し、時間をかけて購入するものです。
また、惑わされるくらい良い条件を提示してきたとしても、電話営業している時点で、好条件であることはほとんどありません。
そのため、電話でマンション経営の勧誘電話がかかってきた場合は、話を聞く必要はありません。
今回紹介した断り方で、ばっさり断ち切ることをおすすめします。