不動産投資と税金の全て|節税対策や計算方法について徹底解説!

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不動産投資をしている方、またはこれからしようとしている方にとって、気になるのが「税金」のことだと思います。

税金についてまず気になるのが、不動産投資と節税の関係ではないでしょうか?
確かに、不動産投資をすることで、所得税、住民税、相続税を節税することが可能です。ただし、この節税はずっと受けられるわけではありません。

きちんと節税の仕組みを理解しておかないと、「これだけしか節税されないの?」と期待はずれの結果になってしまうかもしれません。
また、もう一つ税金について気になるのが、不動産投資にかかる税金の種類と金額ではないでしょうか。副収入を得るために始めた不動産投資で、多額の税金を取られてしまっていては元も子もありません。不動産投資できちんと利益を出すためにも、かかる税金についてあらかじめ理解しておくということが非常に重要です。
本記事では、不動産投資で節税をする方法と不動産投資でかかる税金について、徹底的に解説していきます。これを読めば、あなたの税金にまつわる疑問・不安がすべて解決することでしょう。

1.不動産投資で節税をする方法

まず、不動産投資で節税する方法をご紹介します。
ここで紹介する方法は、下の3つです。

①所得税・住民税対策
②相続税対策
③グリーン投資減税

以下、それぞれについて解説します。

1-1.所得税・住民税対策

不動産投資により、所得税・住民税を節税することが可能です。ここでは節税の仕組みを簡単に理解するために、所得税についてのみ解説します。

【所得税を節税できる仕組み】
●不動産所得とは
まず、不動産所得という言葉について理解しましょう。
不動産所得とは、マンションの家賃収入からマンションを管理するのにかかる費用(必要経費)を引いた残額のことです。式にすると下のようになります。

不動産所得=家賃収入-必要経費

すると、下のような関係を導くことができます。

家賃収入>必要経費=税務上黒字(不動産所得がプラスになる)
家賃収入<必要経費=税務上赤字(不動産所得がマイナスになる)

ここで、節税になるのは税務上赤字の場合、ということを覚えておいてください。

●損益通算とは
働いて所得を得ている方であれば、所得税を国に納めていると思います。所得税というのは、年収からさまざまな控除を引いた金額(課税所得)についてかかるものです。そして、この課税所得に税率をかけたものが所得税の税額となります。式にすると下の通りです。

年収-各種控除=課税所得
課税所得×税率=税額

先ほど節税になるのは税務上赤字の場合だと書きましたが、不動産所得の赤字は給与所得と合算することができます。この仕組みが損益通算です。

つまり、不動産所得が税務上赤字の場合、赤字の金額だけ「年収」が減ることになります。そうすると、それに伴い「課税所得」も減りますよね。すると、それに応じて「税額」も減るということです。これが、損益通算によって所得税が節税できる仕組みです。

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ちなみに、「減る」というのは、確定申告に記入して提出することで、後から還付金をうけることができるという意味です。

●減価償却費とは
ここまでの説明で、「せっかく不動産投資をしたのに赤字?」と疑問に思われた方もいるでしょう。ここで説明したいのが、減価償却費です。

減価償却費とは、「建物が年々劣化していくだろう」という建前で、必要経費として計算するものです。つまり、実際の支出とは無関係に、必要経費として計算されるのです。

先ほど「節税になるのは税務上赤字の場合」と書きましたが、この時、必要経費の中に実際の支出とは無関係の減価償却費が含まれているので、本当に赤字なのではなくキャッシュフローが黒字にも関わらず税務上赤字という状態なのです。この仕組みを利用することで、所得税が節税できるというわけです

簡単な例で考えてみましょう。不動産投資による家賃収入が年間150 万円あるとします。これに対し、必要経費が年間180万円かかるとします。この場合、不動産所得は「150万円-180万円=-30万円」となります。よって、30万円だけ給与所得の所得税課税額から引くことができます。
この時、必要経費に含まれる減価償却費が80万円だとします。すると、税務計算上は-30万円の赤字だった不動産所得の実際のキャッシュフローは、「150万円-(180万円-80万円)=50万円」となります。つまり、計算上は30万円の赤字が出ていても、減価償却費を除いた実際のキャッシュフローは50万円の黒字なのです。

税務上の不動産所得 キャッシュフロー
家賃収入 150万円 家賃収入 150万円
減価償却費 80万円
その他の費用 100万円 その他の費用 100万円
不動産所得 -30万円 手元に残る資金 50万円

より詳しく節税について知りたい方は、不動産投資による節税はどういう仕組み!?徹底解説します!

ただ、この減価償却費による節税効果は、建物の築年数とともに減少していきます。中古物件で不動産投資を始める場合などは、初めから節税効果が小さいことも多いです。よって、減価償却費による節税だけをメリットに不動産投資を始めることは危険ですので注意しましょう。

※注意

上の計算式から、「必要経費が増やせればそれだけ節税になるのか!」と思われた方もいるかもしれません。それはその通りなのですが、必要経費が増えるということはそれだけ手元に残るお金が少なくなるということなので注意が必要です。
例えば、年間100万円の家賃収入があって税率が30%の時を考えます。この時、必要経費が80万円かかる場合、残るお金は下記のようになります。
不動産所得=100万円-80万円
=20万円
不動産所得税額=20万円×30%
=6万円
残るお金=20万円-6万円
=14万円

これに対し、必要経費が20万円しかかからない場合、残るお金は下記のようになります。
不動産所得=100万円-20万円
=80万円
不動産所得税額=80万円×30%
=24万円
残るお金=80万円-24万円
=56万円

前者の場合、払う税金は少なくて済みますが、手元に残るお金も少ないです。それに対し後者の場合、払う税金は多いですが、手元に残るお金も多いです。
以上から、節税のためむやみに必要経費をかければ良いということではない、ということを覚えておきましょう。

1-2.相続税対策

不動産投資により、相続税を節税することが可能です。結論からいうと、相続対象を現金から不動産に変えることで、課税評価額を大幅に減少できます。その結果、相続税の節税が可能です。

相続税は、現金の場合だとその時価に対して課税される仕組みなのに対して、不動産の場合は売買価格ではなく、不動産評価額をもとにして計算される仕組みだからです。

■不動産評価の計算方法
建物:固定資産評価額×(1-借家権割合)
土地:路線価評価額×(1-借家権割合×借地権割合)

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上記の図のように、2000万円の不動産の場合では約3分の1程度まで評価額を減少させることが可能となります。

不動産を利用した相続税対策について更に詳細を知りたい方は、【保存版】相続税対策として不動産を利用する全方法の記事を参考にしてみてください。

1-3.グリーン投資減税

その他の節税として、グリーン投資減税があります。これは、法人で要件にあてはまる太陽光発電設備を取り付けた場合、税額控除や特別償却を受けられる制度のことです。
グリーン投資減税については、経済産業省のHPに詳細がありますので、ご関心のある方はあわせて参考にしてみてください。
経済産業省 資源エネルギー庁:グリーン投資減税

2.投資用不動産購入時にかかる税金

ここからは、不動産投資をする中でかかる税金について、時系列に沿って

ⅰ)投資用不動産購入時にかかる税金
ⅱ)投資用不動産経営時にかかる税金
ⅲ)投資用不動産売却時にかかる税金
の順に説明していきます。

まず、投資用不動産購入時にかかる税金についてです。投資用不動産購入時にかかる税金は以下の4つがあります。

●不動産取得税
●印紙税
●登録免許税
●消費税

以下、それぞれについて解説します。

2-1.不動産取得税

投資用不動産購入時に、不動産取得税がかかります。
不動産取得税は、土地や建物を購入したり、建物を建築したりして不動産を取得したときにかかる税金のことです。不動産を取得した年のみかかります。

不動産所得税の課税額は、取得した不動産の価格(固定資産課税台帳に登録されている価格、固定資産評価基準による評価額)に税率をかけて算出されます。

不動産所得税額=取得した不動産の価格×税率

①「取得した不動産の価格」について
「取得した不動産の価格」は資産課税台帳に登録されている価格、固定資産評価基準による評価額で、大まかな計算として、土地の評価額は時価の60~70%建物が建築費の50~70%となります。

正確に知りたい方は、市町村の税務課に問い合わせるか、下記のサイトで調べることができます。
全国地価マップ

固定資産税評価基準について、総務省が公式に出している資料は下のサイトからご覧いただけます。
総務省固定資産税評価基準

②「税率」について
「税率」については、下記の表のようになっています。

取得日 土地 家屋(住宅) 家屋(非住宅)
平成20年4月1日から
平成30年3月31日まで
3% 4%

不動産取得税については、それぞれの都道府県のHPでも詳しく解説されていますので、自分の住む都道府県のHPをご覧ください。参考までに、東京都、神奈川県、大阪府のHPを載せておきます。

東京都主税局HP:http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/fudosan.html
神奈川県HP:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f520239/p13774.html
大阪府HP:http://www.pref.osaka.lg.jp/zei/alacarte/fudousan.html

2-2.印紙税

投資用不動産購入時に、印紙税がかかります。
不動産を購入する際、売主と買主の間で不動産売買契約書を作成します。この契約書には、契約書に記載した金額(不動産の売買価格)に応じて収入印紙を貼付するのですが、この印紙代が印紙税になります。

契約書記載金額と印紙税額の対応を表にまとめると、下のようになります。契約書作成時期によって金額が異なるので注意してください。

契約書記載金額 印紙税額
契約書作成時期が
H9.4.1~H26.3.31
契約書作成時期が
H26.4.1~H30.3.31
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
10万円を超え
50万円以下
400円 200円
50万円を超え
100万円以下
1000円 500円
100万円を超え
500万円以下
2000円 1000円
500万円を超え
1000万円以下
1万円 5000円
1000万円を超え
5000万円以下
1万5千円 1万円
5000万円を超え
1億円以下
4万5千円 3万円
1億円を超え
5億円以下
8万円 6万円
5億円を超え
10億円以下
18万円 16万円
10億円を超え
50億円以下
36万円 32万円
50億円を超えるもの 54万円 48万円
契約金額の記載がないもの 200円

金額については国税庁のHPにも記載がありますので、併せてご覧ください。
国税庁HP「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」)。

2-3.登録免許税

投資用不動産購入時に、登録免許税がかかります。
登録免許税は、不動産を建築・購入したときにする登記にかかる税金のことです。不動産を建築・購入した年のみかかります。

登録免許税は、土地・建物ともに固定資産税評価額の2%がかかります。

登録免許税額=土地・建物の固定資産税評価額×2%

固定資産税評価額は、大まかな計算として、土地の評価額は時価の60~70%建物が建築費の50~70%となります。

正確に知りたい方は、市町村の税務課に問い合わせるか、下記のサイトで調べることができます。
全国地価マップ

固定資産税評価基準について、総務省が公式に出している資料は下のサイトからご覧いただけます。
総務省固定資産税評価基準

2-4.消費税

2-4-1.消費税がかかる場合とかからない場合

①土地について
まず、土地の購入金額については非課税です。土地は「消費」されるものではなく資本移転の一種であると考えられるので、消費税は非課税とされています。

②建物について
次に、建物の購入金額についても、売主が個人であれば基本的に非課税です。ただ、その不動産が居住用の自宅(マイホーム)ではなく、投資用のマンションやテナントなどである場合、消費税の課税対象になります。

これらを表にまとめると下のようになります。

非課税 土地、個人がマイホームを売る場合
課税 事業者が不動産を売る場合、個人が投資用不動産を売る場合

2-4-2.費用のなかで、消費税がかかるもの

投資用不動産購入時にかかる費用のなかで、消費税がかかるものをまとめると下記のようになります。

●所有権設定登記を司法書士に依頼した場合にかかる、司法書士報酬
●保険料(火災保険、地震保険など)
●金融機関から融資を受ける場合にかかる、融資事務手数料、ローンの保証料
●不動産仲介会社を利用した場合にかかる、不動産仲介手数料

それぞれにつき、消費税(2016年現在8%)がかかります。

3.投資用不動産経営時にかかる税金

次に、投資用不動産経営時にかかる税金について解説します。投資用不動産経営時にかかる税金は、以下の4つがあります。

●固定資産税
●都市計画税
●所得税・住民税
●事業税

以下、それぞれについて解説します。

3-1.固定資産税

投資用不動産経営時に、固定資産税がかかります。
固定資産税は、毎年1月1日の時点で公的な書類(市町村の固定資産課税台帳や登記簿など)に不動産の所有者として登録されている人に課される税金のことです。不動産を取得した翌年から毎年かかります

固定資産税額は、固定資産評価額に1.4%をかけた金額になります。

固定資産税額=固定資産評価額×1.4%

固定資産税評価額は、大まかな計算として、土地の評価額は時価の60~70%建物が建築費の50~70%となります。

正確に知りたい方は、市町村の税務課に問い合わせるか、下記のサイトで調べることができます。
全国地価マップ

固定資産税評価基準について、総務省が公式に出している資料は下のサイトからご覧いただけます。
総務省固定資産税評価基準

ちなみに、税率1.4%というのは標準税率で、市町村によっては異なる場合がありますので、詳しく知りたい方は市町村のHPを確認してみてください。

3-2.都市計画税

投資用不動産経営時に、都市計画税がかかります。
都市計画税は、毎年1月1日の時点で公的な書類(市町村の固定資産課税台帳や登記簿など)に不動産の所有者として登録されている人に課される税金のことです。不動産を取得した翌年から毎年かかります

都市計画税額は、固定資産評価額に0.3%をかけた金額になります。

都市計画税額=固定資産評価額×0.3%

固定資産評価額は、大まかな計算として、土地の評価額は時価の60~70%建物が建築費の50~70%となります。
正確に知りたい方は、市町村の税務課に問い合わせるか、下記のサイトで調べることができます。
全国地価マップ

固定資産税評価基準について、総務省が公式に出している資料は下のサイトからご覧いただけます。
総務省固定資産税評価基準

ちなみに、税率0.3%というのは標準税率で、市町村によってはこれより低い場合がありますので、詳しく知りたい方は市町村のHPを確認してみてください。

3-3.所得税・住民税

投資用不動産経営で利益(不動産所得)が出た場合、その利益に対して所得税・住民税がかかります。これらは、他の所得(サラリーマンの場合は「給与所得」)と合わせて課税されるので、総合課税と呼ばれています。

まず、不動産所得の計算は、下記のようになります。
不動産所得=総収入金額-(必要経費+青色申告特別控除額)

次に、所得税額・住民税額の計算は、下記のようになります。
所得税額=(総収入金額-必要経費)×税率-控除額
住民税額=(総収入金額-必要経費)×10%+4,000円

①所得税額について
所得税率については、下の表のようになっています。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

出典:国税庁 所得税の税率

②住民税額について
住民税額の計算における「10%」と「4,000円」は一律になります。これらは、下記のように所得割と均等割で算出されたものです。

所得割:市町村税6%+都道府県民税4%=10%
均等割:市町村民税3,000円+都道府県民税1,000円=4,000円

※青色申告特別控除

ここで、不動産所得の計算中に出てくる「青色申告特別控除額」、所得税額の計算中に出てくる「控除額」について説明します。
「青色申告特別控除」とは、不動産所得について確定申告をする際、青色申告をすることで受けられる税金の控除です。具体的には最高65万円又は10万円の控除を受けることができます。65万円の控除を受けるためには、下記の要件を満たす必要があります。

(1) 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2) これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
(3) (2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

引用元:国税庁 青色申告特別控除

上記要件に満たなかった場合、10万円の控除を受けることになります。
なお、確定申告については初心者でも税理士不要!家賃収入がある人の確定申告の方法詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

3-4.事業税

不動産投資の規模が「事業的規模」にあたると、事業税がかかります。

自分の不動産投資の規模が「事業規模」にあたるかの判断基準には、「5棟10室基準」があります。この基準についてまとめると、以下のようになります。

(1)基本単位は、共同住宅(マンション、アパート)1室
(2)戸建ての場合は、1棟につき共同住宅2室と換算する
(3)共同住宅1棟の場合は、「1棟の貸付部屋数が何室あるか」で計算する
(4)(1)~(3)の計算で、合計が10室以上となれば「事業規模」と認められる

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例えば、アパート1棟(6室)と戸建て3棟を経営している場合、6室+6室(2室×3棟)=12室となり、事業規模として認められるということになります。「5棟10室」の「5棟」とは、戸建て1棟につき共同住宅2室換算なので、戸建てを5棟経営していれば共同住宅10室と同じという意味です。

※注意:実質基準もあり

上で紹介した「5棟10室基準」はあくまで形式基準であり、これを満たさなくても不動産経営の状況によって実質的に事業規模と判断される場合があります。これは各税務署の判断により異なり一律の基準はないのですが、具体的には以下のような場合があてはまります。
・一室あたりの賃料が高く、不動産所得が多額になる場合
・収入が不動産の家賃収入のみの場合
・サラリーマンなどの給与所得者ではなく、自営業の場合

事業税の計算は、所得税・住民税で計算した「青色申告特別控除前所得金額(青色申告特別控除を引く前の金額)」から290万円を差し引いて5%をかけるだけです。
事業税額=[青色申告特別控除前所得金額(総収入金額-必要経費)-290万円]×5%

4.投資用不動産売却時にかかる税金

次に、投資用不動産売却時にかかる税金について解説します。投資用不動産売却時にかかる税金は以下の4つがあります。

●印紙税
●譲渡所得税・住民税
●消費税
●抵当権抹消登記の登録免許税

以下、それぞれについて解説します。

4-1.印紙税

不動産売却時、印紙税がかかります。
不動産を売却する際、売主と買主の間で不動産売買契約書を作成します。この契約書には、契約書に記載した金額(不動産の売買価格)に応じて収入印紙を貼付するのですが、この印紙代が印紙税になります。

契約書記載金額と印紙税額の対応を表にまとめると、下のようになります。契約書作成時期によって金額が異なるので注意してください。

契約書記載金額 印紙税額
契約書作成時期が
H9.4.1~H26.3.31
契約書作成時期が
H26.4.1~H30.3.31
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
10万円を超え
50万円以下
400円 200円
50万円を超え
100万円以下
1000円 500円
100万円を超え
500万円以下
2000円 1000円
500万円を超え
1000万円以下
1万円 5000円
1000万円を超え
5000万円以下
1万5千円 1万円
5000万円を超え
1億円以下
4万5千円 3万円
1億円を超え
5億円以下
8万円 6万円
5億円を超え
10億円以下
18万円 16万円
10億円を超え
50億円以下
36万円 32万円
50億円を超えるもの 54万円 48万円
契約金額の記載がないもの 200円

金額については国税庁のHPにも記載がありますので、併せてご覧ください。
国税庁HP「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」)。

4-2.譲渡所得税・住民税

不動産売却時に利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して所得税と住民税がかかります。これらの税金は、給与所得の所得税や事業所得の所得税とは別に計算するので、分離課税と呼ばれています。

譲与所得税の計算式は、以下のようになります。

<計算式>

譲渡所得=不動産の売却価格-(不動産の購入価格+購入時の諸費用+売却時の諸費用)譲渡所得税額=譲渡所得×税率(所得税と住民税あわせて)

①譲渡所得
譲渡所得は、不動産の売却価格から、その不動産を購入した時の価格と購入時・売却時にそれぞれかかった諸費用を引いたものです。

②譲渡所得税額
譲渡所得税額は、譲渡所得に税率をかけた金額です。

③諸費用
不動産購入時の諸費用は、具体的には不動産会社の仲介手数料や、登録免許税、不動産取得税といった税金などです。これに関しては、わからない場合は「売却価格の5%」として計算することができます。
不動産売却時の諸費用は、具体的には不動産会社の仲介手数料や先ほど説明した印紙税などです。

④税率
譲与所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。具体的には、譲渡した年の1月1日において、その不動産の所有期間が5年を超えているか否かで区別をします。
5年を超えている場合は長期譲渡所得として計算し、5年以下の場合は短期譲渡所得として計算します(ちょうど5年の場合は短期譲渡所得です)。
これを表にすると以下のようになります。

期間区分 長期譲渡所得
(5年を超える)
短期譲渡所得
(5年以下)
税率計算式 譲渡所得×20%
(所得税15%+住民税5%)
譲渡所得×39%
(所得税30%+住民税9%)
※シミュレーション

この計算式を使っていくつかシミュレーションを考えてみましょう。
㋐3000万円で購入した物件(諸費用300万円)を10年間(長期)所有し、5000万円で売却(諸費用500万円)した場合、譲渡所得税額の計算は以下のようになります。譲渡所得=5000万円-(3000万円+300万円+500万円)=1200万円
譲渡所得税額=1200万円×20%=240万円

㋑3000万円で購入した物件(諸費用300万円)を3年間(短期)所有し、5000万円で売却(諸費用500万円)した場合、譲渡所得税額の計算は以下のようになります。

譲渡所得=5000万円-(3000万円+300万円+500万円)=1200万円
譲渡所得税額=1200万円×39%=468万円

4-3.消費税

不動産売却時にかかるさまざまな費用につき消費税がかかります。ただ、消費税はかかる場合とかからない場合があるので、以下それぞれみていきましょう。

4-3-1.消費税がかかる場合とかからない場合

①土地について
まず、土地については非課税です。土地は「消費」されるものではなく資本移転の一種であると考えられるので、消費税は非課税とされています。

②建物について
次に、建物についても、売主が個人であれば基本的に非課税です。ただ、その不動産が居住用の自宅(マイホーム)ではなく、投資用のマンションやテナントなどである場合、消費税の課税対象になります。

これらを表にまとめると下のようになります。

非課税 土地、個人がマイホームを売る場合
課税 事業者が不動産を売る場合、個人が投資用不動産を売る場合

4-3-2.費用のなかで、消費税がかかるもの

投資用不動産購入時にかかる費用のなかで、消費税がかかるものをまとめると下記のようになります。

●不動産に抵当権が設定されている場合の抵当権抹消登記を司法書士に依頼した場合にかかる、司法書士報酬
●金融機関のローンが残っている場合にかかる、一括繰り上げ返済手数料
●不動産仲介会社を利用した場合にかかる、不動産仲介手数料

それぞれにつき、消費税(2016年現在8%)がかかります。

4-4.抵当権抹消登記の登録免許税

売却する不動産の登記に「抵当権」が設定されている場合、それを抹消するために抵当権抹消登記の登録免許税がかかります。これは不動産1つにつき1000円です。

詳しく説明すると、まず「抵当権」とは債権などの担保として不動産について設定するものです。代表的なものとして、不動産を銀行などの金融機関からローンで融資を受けて購入した場合、金融機関が自分の債権の担保としてその不動産に抵当権を設定します。この抵当権は、不動産の登記に記録されることになります。

不動産を売却する場合、買主としては購入する不動産に抵当権があったら厄介なことになります。よって、不動産に抵当権が設定されている場合、その抵当権を登記から抹消するための手続きをしなくてはなりません。ここでかかるのが抵当権抹消登記の登録免許税です。

この抵当権を登記から抹消するための手続きについては、自分ですることもできるのですが、手間と時間がかかってしまうことから司法書士に依頼することも多いです。この場合、登録免許税(不動産1つにつき1000円)に加えて司法書士報酬がかかることになります。司法書士報酬は事務所によって値段が異なりますが、相場は1万円前後となっているようです。

不動産売却時の税金については、不動産売却前に絶対に知っておきたい税金と確定申告まとめでも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

5.まとめ

不動産投資で節税をする方法、不動産投資にかかる税金について書きましたが、いかがでしたか?
この記事が、不動産投資をするすべての人の参考になれば幸いです。

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