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不動産投資の税金と節税対策

不動産投資にかかる税金の種類は?計算方法や節税対策も解説【オススメ本も紹介】

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不動産投資を始めようと考えていても、「どんな税金が発生するのか」「税額はどれくらいか」を知らない人は多いかもしれません。

とっつきにくいイメージもあってか、多くの不動産投資初心者は税金の勉強を後回しにしているのが現実です。

しかし不動産投資を行ううえで、税金について知るメリットはたくさんあります。税金について理解していれば、正確な収支を予測できるうえ節税対策も可能です。

今回は、不動産投資にかかる税金の種類や税額、不動産投資で節税ができる仕組みについて紹介します。税金の知識を身につけやすいオススメ書籍も紹介しますので、ぜひご覧ください。

1.不動産投資にかかる税金の種類

1.不動産投資にかかる税金の種類

不動産投資にかかる税金は多数ありますが、物件購入時・管理運営時・売却時の3つの場面に分けて時系列で見ると理解しやすくなります。

それぞれのごとに具体的な税金の種類を見ていきましょう。

1-1.物件購入時

不動産投資を行うために物件を購入した場合、次の3種類の税金がかかります。

  • 不動産取得税: 不動産を購入などで取得したときに課税される
  • 登録免許税: 不動産を登記するときに課税される
  • 印紙税: 契約書などを作成したときに課税される

それぞれの詳細については、以下で詳しく説明します。

1-1-1.不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物を購入したり、新築したりして不動産を取得したときに課される税金です。

物件の取得後6ヶ月〜1年半くらいの間に各都道府県から届く「納税通知書」を使用して金融機関で納付します。

不動産取得税の税額は「課税標準額×税率」で求められます。ここで注意が必要なのが、「課税標準額と物件価格は同じではない」ということです。

課税標準額は、物件の価値を立地や面積、構造や築年数などをもとに各自治体が評価して決めている値です。固定資産台帳に登録されていて、その他の税金の基準となることもあります。

実際のところ、課税標準額は物件価格よりも低い場合が多いでしょう。

税率は原則4%ですが、次のとおり居住用の土地・建物であれば特例措置によって3%に軽減されています。

  • 住宅でない家屋: 4%
  • 土地および家屋: 3%(※2021年3月31日までの特例)

参考:不動産取得税 - 東京都主税局

なお、投資用の一戸建てを取得した場合は、土地の課税標準額を半分にできる軽減制度も利用できます。マンションやアパートには利用できませんが、一戸建てに投資する場合は税額を大幅に減らせるでしょう。

1-1-2.登録免許税

建物や土地を購入した場合、所有権などの権利を明らかにするために法務局の帳簿に情報を登録する「登記」をします。その登記を申請するときに納める税金が登録免許税です。

金融機関や法務局で収入印紙を購入して納付するのが一般的で、登記申請の際にはその領収書が必要です。

登録免許税の税額は不動産取得税と同じく「課税標準×税率」で計算されます。新築したばかりで課税標準額が決まっていない場合は、法務局が特定の基準に沿って決定します。

税率は物件の種類や登記の内容によって異なります。不動産投資で行う登記については、次のとおりです。

  1. 土地を購入した場合の所有権移転: 2.0%
  2. 中古建物を購入した場合の所有権移転: 2.0%
  3. 新築建物を購入した場合の所有権設定: 0.4%
  4. 融資を受ける場合の抵当権設定: 0.4%

参考:登録免許税の税額表 - 国税庁

たとえば中古マンションの一室を購入し、ローンを組む場合は「1」と「4」の登記が必要です。

なお、「1」の土地を購入した場合の所有権移転登記については、税率が2.0%から1.5%に軽減される軽減措置が令和3年3月31日まで適用できます。

1-1-3.印紙税

印紙税は、印紙税法に定められた文書を作成したときに課される税金です。

不動産投資でいえば、物件の売買契約書金銭消費貸借契約書(ローンの契約書)などが対象にあたります。そのほか、建物を新築する場合は工事請負契約書にも印紙税が必要です。

印紙税の税額は、売買金額やローンの融資額など、契約書に記載される金額によって異なります。

契約書の記載金額税額(原則)
500万円超~1,000万円以下1万円
1,000万円超~5,000万円以下2万円
5,000万円超~1億円以下6万円
1億円万円超~5億円以下20万円

参考:印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで - 国税庁

なお、令和4年3月31日までに作成された書類には、税率が2分の1となる軽減措置が適用される可能性があります。軽減措置の対象は10万円を超える売買契約書、100万円を超える工事請負契約書などです。

1-2.管理運営時

物件を管理運営する段階になると、次のような税金がかかります。

  • 固定資産税都市計画税: 不動産を所有している人に課税される
  • 所得税住民税: 個人の所得に対して課税される
  • 個人事業税: 個人事業主としての所得に課税される(一定の規模以上の場合)
  • 消費税: 取引で受け取った消費税の納税義務(一定の規模以上の場合)

これらの税金は毎年、定期的に納める必要があります。つまり物件を管理運営するうえでのランニングコストと言えるでしょう。

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

1-2.1固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日の時点で建物や土地などの不動産を所有している人が納める税金です。2つ合わせて徴収されます。

仮に1月2日以降に物件を購入した場合は、固定資産税・都市計画税の納税義務はありません。しかし物件を売買するときは、日割り計算で引き渡し日以降の税額を「清算金」という名目で前の所有者に支払うのが一般的です。

固定資産税・都市計画税の税額は、次のとおり計算できます。

  • 固定資産税: 課税標準額×1.4%
  • 都市計画税: 課税標準額×各自治体が決定した税率(上限0.3%)

参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋) - 東京都主税局

先述したとおり、課税標準額は各自治体が独自に決定している不動産の評価額です。物件の価格そのものではない点に注意が必要となります。

ちなみに、固定資産税・都市計画税ともに軽減措置を利用することで土地にかかる課税標準額を下げることができます。たとえば東京23区内の物件に関しては、次のとおりです。

  • 固定資産税の軽減措置:1戸につき200㎡以下の住宅用地は課税標準額が1/6(200㎡を超える部分は1/3)
  • 都市計画税の軽減措置:1戸につき200㎡以下の住宅用地は課税標準額が1/3(200㎡を超える部分は2/3)

このような軽減措置は各自治体によって異なる場合があるので、詳しくは各市町村の役場での確認が必要です。

1-2-2.所得税・住民税

所得税・住民税は、不動産を運営するなかで所得が発生した場合に支払う税金です。

個人の場合は、サラリーマンの給与収入など不動産投資以外の所得も合算してから課税されます。

具体的な税額は、次のようなステップを踏むことで計算できます。

  1. 不動産所得を求める:不動産投資での収入-必要経費
  2. 課税所得の計算:不動産所得+他の所得-各種の控除額(医療費控除や社会保険料控除など)
  3. 具体的な税額の計算:課税所得×税率-税額控除額

税額控除額や税率については、次の表のとおりです。

課税所得所得税率住民税率税額控除額
195万円未満5%10%0円
195万円以上330万円未満10%10%9万7,500円
330万円以上695万円未満20%10%42万7,500円
695万円以上900万円未満23%10%63万6,000円
900万円以上1,800万円未満33%10%153万6,000円
1,800万円以上4,000万円未満40%10%279万6,000円
4,000万円以上45%10%479万6,000円

参考:所得税の税率 - 国税庁

上記のとおり、所得税は課税所得が増えるほど税率が上がる仕組みですが、住民税は一律で10%です。

1-2-3.個人事業税

個人事業税は、個人事業主が納める税金です。

ただし、すべての個人事業主に納税義務があるわけではなく、特定の業種で一定の所得を超えた人に対して課税されます。

不動産投資の場合は、事業とみなされる規模(おおよそ10室以上の保有が基準)の場合、個人事業税を納める義務が発生します。

個人事業税の金額は、「(不動産投資の収入−必要経費−事業主控除290万円)×5%」の計算式で求められます。

上記のとおり控除290万円があるので、実際のところ課税所得が290万円以下であれば納税する必要はありません。

1-2-4.消費税

消費税は必ずしも納税義務が発生する税金ではないものの、売上が増えて「課税事業者」になると納税義務が発生します。

おおまかには前々年の「課税売上高」が1,000万円を超える場合は「課税事業者」となり、取引などで受け取った消費税を納める義務が発生します。

ただし課税売上高はすべての売上を含むわけではありません。

たとえば次のように、収入の種類によって課税売上高に含まれるものと、含まれないものがあります。

課税売上高に含まれる家賃収入(店舗など居住用以外の物件)
家賃に含まれない公共料金
建物の売買収入
課税売上高に含まれない家賃収入(居住用の物件)
家賃に含まれる公共料金
受け取った礼金
土地の売買収入

1-3.売却時

最終的に所有している物件を売却した場合は「譲渡税」として所得税・住民税が課税されます。

先述のとおり、所得税・住民税は物件の運営中に発生した所得に対しても課される税金です。

その場合との違いは、売却での損益は給与所得など他の所得と合算できない点にあります。つまり物件売却の祭の損益は単独で申告する必要があるのです。

譲渡税の税額は、次の順序で計算できます。

  1. 譲渡所得の計算: 売却収入-(取得費用+売却費用)
  2. 税額の計算: 譲渡所得×税率

取得費用は、土地や建物を購入した原価から減価償却費を引いたものです。減価償却費とは、不動産などの固定資産を少しずつ分割して経費として計上した金額です。

売却費用は、仲介手数料や収入印紙代などがそれに当たります。

税率については、次のとおり売却次点で物件の保有期間が5年を超えているかどうかで異なります。

  • 短期譲渡(保有5年以内): 39%(所得税30%+住民税9%)
  • 長期譲渡(保有5年超): 20%(所得税15%+住民税5%)

参考:短期譲渡所得の税額の計算 - 国税庁
参考:長期譲渡所得の税額の計算 - 国税庁

1-4.個人と法人で税額が変わる?

分かりやすさを重視するため、ここまでは個人が不動産投資を行った場合の税金について説明してきました。

しかし、「法人化したほうが節税できるのでは?」と考えている人もいるでしょう。

結論から言えば、不動産投資の収入が大きい場合は、法人化することによって節税できる可能性が高いと言えます。

たとえば次のような点で、法人が有利だからです。

  • 所得税は累進課税だが、法人税の税率は一定
  • 経費として計上できる項目が多い
  • 売却で損が出ても他の黒字と相殺できる

法人化した場合は、所得税の代わりに法人税を納めることになります。所得税は所得が増えるほど税率が上がる累進課税ですが、法人税は税率が一定です。そのため収入が増えるほど節税効果が高くなります。

また、法人の場合は経費として認められる範囲が個人よりも広いうえ、家族を法人の役員にして給料を支払うこともできます。

物件の売却損に関しても個人と違って他の収入と損益を通算できます。その結果、売却で損が出た場合でも他の課税所得が下がるので節税できるのです。

このように法人にはメリットが多いのですが、必ずしも法人化が正解とは限りません。個人しか使えない控除もありますし、経費として計上する項目が少なければ法人のメリットを活かし切れない可能性もあるからです。

一般的には「課税所得が1,000万円以上なら法人化するほうが得」と言われますが、個別のケースによると言えるでしょう。不動産投資で法人化するときは、よくシミュレーションしてみることをおすすめします。

2.不動産投資を節税対策に利用する方法

2.不動産投資を節税対策に利用する方法

最近では、不動産投資を節税に利用する人が多いことも事実です。

具体的な方法としては、他の所得と合算して確定申告することで「損益通算」をします。

たとえばサラリーマンで給与所得を得ている場合、不動産投資の赤字分を給与所得から引くことで合計の課税所得が減ります。その結果、支払うべき所得税や住民税が軽減されるという仕組みです。

サラリーマンとして給与から天引きされていた住民税や所得税が納めすぎの場合は、還付される場合もあります。

個人事業主として青色申告をした場合は、赤字を3年間繰り越せるうえ、65万円の控除が受けられる点も節税メリットです。アパートやマンションを経営する場合は10室以上、貸家なら5棟以上の場合は、個人事業として認められる可能性が高いでしょう。

そのほか、不動産を所有していれば相続税対策としても役立ちます。現金を相続する場合はその金額に対して相続税が課税されますが、不動産を相続する場合は不動産の「評価額」に対して課税されます。

この評価額は、「路線価」や「固定資産税評価額」といったものを元に計算されるため、実際の物件価格よりも安くなることが多いのです。

2-1.税金控除シミュレーション

ここで、サラリーマンとして給与収入のある人が不動産投資を行った場合の節税効果を簡単にシミュレーションしてみましょう

たとえば年間給与600万円で、専業主婦の妻1人、未就学の子ども1人がいるサラリーマン。不動産所得がマイナス50万円の赤字だった場合で考えてみます。

配偶者控除・社会保険控除(平均的な値で計算)など最低限の控除を適用させて課税所得と納税額を割り出すと、次のような値になります。

  • 所得税: 納税額16万7,500円 (課税所得:265万円)
  • 住民税: 納税額27万7,500円 (課税所得:275万円)

それぞれの課税所得から不動産所得の赤字分50万円を引くと次のような値になります。

  • 所得税: 納税額11万7,500円 (課税所得215万円)
  • 住民税: 納税額22万7,500円 (課税所得225万円)

結果として、所得税と住民税をそれぞれ5万円ずつ、合わせて年間10万円の節税ができる計算となりました。

なお、厳密な節税効果は細かな条件によって変わりますので、このシミュレーションはおおよその目安としてご覧ください。

2-2.節税の注意点

不動産投資を利用して節税ができるとはいえ、過度な節税はデメリットが多くなります

なぜなら不動産投資を利用した節税は、不動産投資の収益が赤字であることが前提だからです。

不動産投資を始めた当初は、利益よりも経費のほうが多くなり、赤字になるのが一般的です。しかし、その赤字状態が長期的に続けば「利益を出す」という投資本来の目的から逸れてしまうばかりか、さまざまなリスクが伴います

たとえば家賃収入の利益が大きくなった場合に無理やり経費を増やして赤字にすれば、キャッシュフローが悪化するだけでしょう。

赤字経営が続けば、家賃の値下げせざるを得なくなった場合や、金利の上昇によってローンの返済負担が増加した場合などにも困ります。ほどよい赤字だったはずが、急激に収益が悪化するリスクもあるのです。

そのほか、赤字経営が続くと金融機関からの信用度が低下し、所有物件を増やそうと思ってもローンの審査に通りにくくなる可能性も考えられます。

これらのリスクを避けるには、健全な不動産経営を行うことが一番です。不動産投資本来の目的を忘れずに、可能な範囲で節税に利用するべきでしょう。

3.不動産投資の税金について学べる本【勉強方法】

3.不動産投資の税金について学べる本【勉強方法】

ここまでに紹介したように不動産投資を行ううえでは、さまざまな税金について勉強する必要があります。

具体的な勉強方法としては、まずは分かりやすく解説された本を読むと良いでしょう。おすすめの書籍は次に紹介する2冊です。

3-1.2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ 吉澤 大

不動産投資に関わる税金の基礎を学ぶなら、『2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ』がおすすめです。

深堀りするほど複雑になりがちな税金の知識を、「どの場面でどんな税金がかかるのか」「節税で有利になる境目の見極め」などのポイントに絞って分かりやすく解説しています。

著者は税理士や宅地建物取引主任者の資格を持ち、会計事務所の代表でもあることから内容の信頼性も担保されています。

不動産投資家として最低限知っておきたい税金の知識は、この本で効率的に学べるでしょう。

3-2.不動産投資のお金の残し方 裏教科書 税理士大家さんがコッソリ教える 石井彰

より実践的でリアルな節税方法を知りたい場合は、『不動産投資のお金の残し方 裏教科書 税理士大家さんがコッソリ教える』がおすすめです。

著者はサラリーマンとの兼業で不動産投資を始めたあと、税理士資格を取得したという経歴の持ち主。15年以上の投資経験があり、セミナー講師としても活躍しています。

本の中では「いかにキャッシュフローを改善してお金を残すか」に主眼を置いて、節税だけではなく物件選別の秘訣まで解説しています。著者いわく、せっかくの節税も「儲かる物件」でやらなければ意味がない、とのことです。

そのほか裏技的な節税テクニックも掲載されていて非常に参考になる内容です。不動産投資の「税金本」としてロングセラー書籍であることもうなずけます。

4.「不動産投資 税金」のまとめ

不動産投資を行うときは利益を出すことに目が行きがちですが、税金の知識も大切な要素です。税金について知っていれば節税ができ、結果として総合的な収益を増やすこともできます。

とはいえ税金の知識は複雑なため、全てを一度に理解することは難しいものです。

今回紹介したように、そのつど場面別に必要な税金について調べても良いでしょう。少しずつでもかまいませんので、ぜひ理解を深めていってください。

  • この記事を書いた人
武田正和

m.takeda

1984年生まれ。イエベスト監修者。宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士。不動産に関する多数の資格を保持し、個人としても複数の不動産投資を手掛ける。複雑な不動産の知識を、初心者でも理解できるように届けることをミッションに、正確で信頼のできる情報を提供している。

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