こんにちは!「イエベスト」の管理人、松崎 サブローです!
早速ですが、賃貸併用住宅を知っていますか??
今日は、意外に知らないメリットがたくさんある「賃貸併用住宅」について学びましょう。
ススメ先生、今日は賃貸併用住宅についていろいろ教えてください!
賃貸併用住宅はマイホームを建てたいけど住宅ローンの問題が心配、という方にまずおすすめできるぞ。マイホームの代わりに賃貸併用住宅を建てることで、賃貸住宅の部分から得られた家賃収入を住宅ローンの返済に充て、ローンの負担を減らすことができるのじゃ。
不動産投資のローンについてもメリットがあると聞いたことがあります!
そうじゃな。賃貸併用住宅では、自宅部分が50%を超えた場合、不動産投資で一般的な「投資ローン」よりも金利の安い「住宅ローン」で融資を受けることができるぞ。つまり、不動産投資のローン負担を減らすこともできるのじゃ。
賃貸併用住宅と聞いても、あまり聞き馴染みがないのでよく分からない、という方も少なくないと思います。ですが、賃貸併用住宅には、意外と見落としている多くのメリットがあるのです。この記事では、賃貸併用住宅について基礎から徹底的に解説していきます。これを読めば、これからマイホームを建てる、または不動産投資を始めることを考えているあなたの悩みの解決の一助になるかもしれません。
目次
1.賃貸併用住宅とは?
まず、「賃貸併用住宅」とはどんな住宅のことか、普通の住宅や投資用の賃貸住宅と何が違うのかという点から解説していきます。
1-1.賃貸併用住宅とは?
賃貸併用住宅とは、自宅の建物の一部を賃貸住宅にした住宅のことです。こうすることで、1つの建物内に自分が住むだけでなく、一部を他人に貸し出して家賃収入を得ることができます。
1-2.賃貸併用住宅のメリット
普通に住宅(マイホーム)を建てる、不動産投資を目的として賃貸住宅を建てる、といった場合と比較して、賃貸併用住宅を建てることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、賃貸併用住宅を建てるメリットとして、以下3点をご紹介します。
①ローンの負担を軽減できる
②節税につながる
③将来の備えになる
1-2-1.ローンの負担を軽減できる
1つめは、ローンの負担を軽減できるという点です。
賃貸併用住宅を建てれば、賃貸部分から家賃収入が得られます。それをローンの返済に充てることができますので、ローンの返済を負担することができます。よって、普通に住宅(マイホーム)を建てるよりローン負担を軽減できるのです。
賃貸併用物件を建てた方が、普通に住宅(マイホーム)を建てるより建築費がかかるように思った方もいるかもしれません。確かに賃貸併用住宅の方が建築費はかかります。ただ、家賃収入でまかなえば月々の返済額が普通の住宅を建てた場合より軽減されることが多いのです。ただ、ここについては注意すべき点もあります。詳しくはデメリットのところで紹介します。
また、家賃収入を得ようと思って賃貸住宅を建てた場合、不動産投資ローン(事業ローン)で融資を受けることになります。一方、賃貸併用住宅の場合、自宅としての居住スペースが50%を超えれば、住宅ローンの適用になります。
不動産投資ローンと住宅ローンの金利を比較すると、住宅ローンの方がずっと金利が低いです。不動産投資ローンの金利が2~4%なのに対し、住宅ローンの金利は1%を下回ることもあります。
よって、普通に賃貸住宅を建てるよりも、賃貸併用住宅を建てた方がローンの負担の軽減になるのです。
その他、住宅ローンと不動産投資ローンの比較を表にすると、以下のようになります。
住宅ローン | 不動産投資ローン | |
金利 | 1%未満 | 2~4% |
どれくらい融資を受けられるか | 年収の7~8倍の金額 | 年収の約5倍も金額 |
自己資金はどれくらい必要か | 0円(フルローン)も可能 | 物件価格の5~10% |
年収の基準 | 年収300万円以上 | 年収500万円以上 |
勤続年数の基準 | 1年以上 | 3年以上 |
住宅ローン控除 | 適用可能 | 適用不可能 |
建物の規模とそれに対応するローンや収支、自己資金などの一例をあげておきます。1つの目安にしてください。例①
規模:都内で、自宅部分80㎡、賃貸部分20㎡+5戸
費用(土地+建物):1億円
自己資金:1,000万円
収支(家賃収入-(住宅ローン+管理費)):プラス2万円例②
規模:郊外で、自宅部分100㎡、賃貸部分20㎡+5戸
費用(土地+建物):8,000万円
自己資金:500万円
収支(家賃収入-(住宅ローン+管理費)):プラス3万円
1-2-2.節税につながる
2つめは、節税につながるという点です。
以下のような税金の節税につながります。
①固定資産税が節税できる
固定資産税は、毎年1月1日に土地や家屋といった固定資産の所有者に対し市町村が課する税金です。不動産を所有している人は必ず支払わなければいけません。
この固定資産税に関して特例が設けられており、「住宅用地で住戸1戸につき200㎡までの部分」は「小規模住宅用地」として固定資産税の負担が軽減されます。
参考:固定資産税 - 東京都主税局((4)をご覧下さい)
例えば、300㎡の敷地に1世帯の住宅を建てた場合、上記特例を受けることができません。一方、同じ敷地に賃貸併用住宅として「自宅(1世帯)と賃貸住宅(1世帯)」を建てた場合、上記特例を受けることができます。敷地内に2世帯が住んでいるとみなされるため、200㎡×2世帯=400㎡まで固定資産税の減額の対象となります。
②所得税が節税できる
サラリーマンで賃貸物件を経営している場合、「減価償却」という仕組みによって所得税を節税することができます。
この仕組みについては、以下2つの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
参考:不動産投資による節税はどういう仕組み!?徹底解説します!
参考:不動産投資の必須知識!マンション減価償却費の計算方法と利用方法
③相続税が節税できる
不動産(土地や建物)を相続する場合、相続税が発生します。この時、土地に自宅が建っている場合よりも、土地に賃貸住宅が建っている場合(「貸家建付地」)の方が、土地にかかる相続税額が低くなるのです。賃貸併用住宅の場合、この減税を受けることができます。
参考:国税庁-No.4614 貸家建付地の評価
1-2-3.将来の備えになる
3つめは、将来の備えになるという点です。
家賃収入が得られれば、将来の年金代わりとすることができます。また、今賃貸併用住宅を建てておいて、将来的にそこを二世帯住宅にするなどの活用方法も可能です。
1-3.賃貸併用住宅のデメリット
ここまでにご紹介したメリットの一方で、賃貸併用住宅を建てることにはデメリットも存在します。
ここでは、賃貸併用住宅を建てるデメリットとして、以下3点をご紹介します。
①空室リスク
②大きな利益をあげることは難しい
③入居者とのトラブル
1-3-1.空室リスク
1つめは、空室リスクがある点です。これは、住宅(マイホーム)を建てる場合と比較した時のデメリットになります。
賃貸併用住宅を建てれば賃貸部分から家賃収入が得られますが、それはあくまで「賃貸部分に入居者が入った場合」の話です。賃貸部分に入居者が入らなければ、家賃収入は得られません。
加えて、賃貸併用住宅であれば普通の住宅より建築費が高くなりますので、ローンの借入金額も大きくなります。家賃収入が得られればそれをローン返済に充てることができますが、家賃収入が得られなければそれができません。ということは、月々のローン負担が大きくなってしまう危険があるということです。このリスクは、普通の住宅を建てた場合は発生しないものです。
1-3-2.大きな利益をあげることは難しい
2つめは、大きな利益をあげることは難しい点です。これは、不動産投資目的で賃貸用物件を建てる場合と比較した時のデメリットになります。
賃貸併用物件の半分以上は「自宅」です。よって、建物まるごと賃貸用にした場合より、得られる家賃収入は半分になります(自宅部分から家賃収入は得られません)。
以上より、「家賃収入を得る」という視点でみたとき、建物をまるごと賃貸用物件にした場合と比べると、賃貸併用物件は大きな利益をあげられないと言わざるをえません。
1-3-3.入居者とのトラブル
3つめは、入居者とトラブルが起きるリスクがある点です。
自分たちとは生活リズムの異なる世帯が賃貸部分に入ることで、生活音が気になるなどのトラブルが発生する危険があります。防音や間取りを工夫するなどの対策を打っておく必要があるでしょう。
1-4.どんな人が賃貸併用住宅を利用すべき?
以上のように、賃貸併用住宅にはメリットとデメリットがあります。よって、賃貸併用住宅を建てるかどうかは、利用の目的を明確にした上で決めるべきです。
そこで、賃貸併用住宅を検討すべきなのはどのような人なのか、まとめると以下のようになります。
○老後の備えにもなるマイホームを建てたい
○将来的に二世帯住宅にもなるようなマイホームを建てたい
○現在の二世帯住宅を上手く活用したい
○相続税対策として住宅を建てたい
上記のそれかに当てはまった人は、ぜひ賃貸併用住宅を建てることを検討してみてください。
2.賃貸併用住宅で考えておきたいこと
ここからは、実際に賃貸併用住宅を経営していく上で考えておきたい以下2つのポイントについて解説していきます。
①自宅部分と賃貸部分をどう分けるか?
②賃貸併用住宅をどう取得するか?
2-1.自宅部分と賃貸部分をどう分けるか?
考えておきたい1つめのポイントは、自宅部分と賃貸部分をどう分けるかです。
同じ建物内に他人が住む、ということに抵抗を覚える人もいるかもしれません。その場合、建築の工夫でそのストレスを減らすことができます。
例えば、自分たちの玄関と入居者用のエントランスを分けるということが考えられます。
また、生活音が気にならないか心配という場合も、建築を工夫することで不安を解消することができます。
2-2.賃貸併用住宅をどう取得するか?
考えておきたい2つめのポイントは、賃貸併用住宅をどう取得するかです。
①土地を購入し、そこに賃貸併用住宅を建てる
②持っている土地の上に、賃貸併用住宅を建てる
③実家を自宅と戸建貸家に建て替える
④二世帯住宅を建て、将来的には賃貸併用住宅として利用する
⑤中古の賃貸併用住宅を購入する
2-2-1.土地を購入し、そこに賃貸併用住宅を建てる
1つめは、土地を購入し、そこに賃貸併用住宅を建てるというものです。最初から賃貸併用住宅を建てることを目的として土地を購入するパターンです。
本当は注文住宅でマイホームを建てたいけれど、予算の都合であきらめて建売やマンションにしてしまうことも少なくないでしょう。そんな時、賃貸併用住宅なら家賃収入によってローンの負担を軽減させることができますので、注文住宅を実現することができるかもしれません。
2-2-2.持っている土地の上に、賃貸併用住宅を建てる
2つめは、すでに土地を所有している場合、その土地の上に賃貸併用住宅を建てるというものです。
賃貸併用住宅なら家賃収入が得られますので、普通に住宅を建てるよりローン負担が少なくて済みます。また、建てた賃貸併用住宅を、将来的には二世帯住宅にするという選択肢もあります。こうすることで老後の安心につながるでしょう。
2-2-3.実家を自宅と戸建貸家に建て替える
3つめは、実家の土地が広く土地の建ぺい率や容積率に余裕がある場合、庭の一部に戸建貸家を建てるというものです。
戸建貸家はファミリー層の賃貸需要が高く、安定した経営をすることが期待できます。余った土地を賃貸物件として活用する方法もあるのです。
2-2-4.二世帯住宅を賃貸併用住宅として活用する
4つめは、二世帯住宅を賃貸併用住宅として活用するというものです。
現在二世帯住宅に住んでいる方は、将来その親世帯の部分を賃貸併用住宅として利用することを検討してみてください。また、実家を二世帯住宅に建て替えれば、土地代がかからない分のコストを削減できます。
将来賃貸住宅として活用できるようにしておけば、将来の安心にもつながります。
2-2-5.中古の賃貸併用住宅を購入する
5つめは、中古の賃貸併用住宅を購入するというものです。すでに建てられた中古の賃貸併用住宅を購入し、そこを利用していくというパターンです。
3.賃貸併用住宅のまとめ
賃貸併用住宅について書いてきましたが、いかがでしたか。
この記事が、賃貸併用住宅の利用を検討している全ての方の参考になれば幸いです。