「不動産投資には興味があるけど、なにから始めればいいの?」
不動産投資は株式投資のように、すぐに始めることができません。また失敗したくない、不動産家さんに騙されたくない、どの物件を選べばいいのか、入居者は入るのかなど悩みはたくさん出てきますよね。
不動産投資は知識を学び目的をしっかり持てば、失敗するリスクは減らせ、安定した収益を得ることが可能です。
そこで今回は、不動産投資を始めたい方に事前準備(目的・勉強方法)〜本番編(物件を購入する)と順番に分かりやすく説明しています。失敗しないためにも目的を持って計画する方法・勉強方法についても解説しています。
最後まで読むことで、不動産投資のリスクや注意点も紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
1. 不動産投資の始め方【事前準備編】
不動産投資の事前準備はとても大切で、ここを省いてしまうと思っていたより儲からない、家賃収入より支出の方が多くなるケースがあります。
失敗しないためにも事前準備は丁寧に行いましょう。
1-1. 目的を決める
不動産投資をなぜ始めるのか目的を決めましょう。始めた人に多い理由は、「不労所得を得たい」「税金対策したい」などあります。まずはざっくりと決め、次に以下の目的を決めましょう。
- 所有するのは1軒だけなのか、2軒以上なのかを決める
不動産投資は融資で購入します。1軒目購入した時点で、与信をいっぱい使ってしまうと、2軒目3軒目と買い進められません。1軒目に与信を使い過ぎないためにも、自己資金の割合などシミュレーションし、2軒目以降買う計画を立てましょう。
- 出口戦略を立てる
物件を売却する際に大事なのが出口戦略。いつ売却するのか、もしくは相続するのかを決めましょう。売却の場合は、周辺の似たよう物件をポータルサイトで、いくらで売りに出されているか確認しましょう。
また法定耐用年数を過ぎた物件は、買い手が付かない場合もあります。法定耐用年数とは、4mm以下の鉄骨は27年、木造は22年と決められています。融資期間=建物の耐用年数となり、耐用年数を過ぎると融資が引きにくいため、買い手が付かない可能性があります。売却する場合は、法定耐用年数も考えておきましょう。
- 収支計画表を作成する
不動産投資は『不動産賃貸業』という事業です。会社経営では、収入に対し支出をいくらまで抑えるか、いくらの利益が必要かなどの計画をします。不動産投資も同じく、事前の収支計画が必要です。いくら儲けたいのか、節税はどれくらいしたいのかは収支計画表を作成し数字に落とし込みましょう。
1-2. 基礎知識を学ぶ
不動産投資で騙されないためにも、基礎知識はしっかり学びましょう。まずは株式投資や他の投資と大きな違いについて説明します。不動産投資のメリットは融資で購入できる、価格変動がしないため安定した収入が受け取れることです。
投資のリスクとリターンは比例します。
- 預貯金はリスクも低く、見返りも少ないためローリスク・ローリタン
- 株式投資は株価の動きが激しいため、ハイリスク・ハイリターン
- 不動産投資は、物件の価値が落ちる、または災害などで破損するリスクはあるが、安定した収入を得られるので、ミドルリスク・ミドルリターン
不動産投資の利益は、家賃収入が入る『インカムゲイン』と、売却益が得られる『キャピタルゲイン』です。バブルのような不動産が高騰することは少なく、近年では売却益で儲かるのではなく、家賃収入で長期的な運用を行うのが主流です。
そのほかにも不動産投資を学ぶには以下の知識が必要です。
- 指標となる利回り
- 融資を引く方法
- 融資の返済比率
- 税金対策
- 物件の管理方法など
幅広い知識が必要になるのが分かります。
知識の調べ方は、本・セミナー・ブログ・YouTubeなどがあります。
1-2-1. 本
本については成功体験や基礎知識が多いが、年度によっては参考にならないものもあります。
たとえば融資に対して、平成31年の投資用不動産向け融資に関するアンケートを見ると2018年9月ごろから急に低下しています。
[引用元:平成31年 投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果]
それまでは金融機関は融資に対して前向きでしたが、現在は厳しく参考にならないものも多いです。成功体験の書籍はできれば2019年以降の本をおすすめします。最低でも3冊以上を読みましょう。
※勉強本選びで迷ったら「不動産投資をする人におすすめの本を5冊紹介!稼ぐ秘訣を学べる本とは?」もご覧ください。2019年版の本を紹介しています。
1-2-2. セミナー
本・ブログ・YouTubeでは、見るだけの知識になります。一方セミナーでは、不安や疑問を質問することで、その場で解決できるのがメリット。不動産投資の最新情報や、公開していない裏話など聞ける場合もあります。
セミナーには無料・有料があり、テーマも細かく分かれています。無料でも学べることも多いが、個別相談会などで物件の営業をされる場合もあるので気をつけましょう。
※セミナー選びに迷ったら「【初心者向け】不動産投資セミナー|本当におすすめを厳選」で、全国の不動産投資セミナーを比較し、選ぶ基準も記載していますのでご覧ください。
1-2-3. ブログ
ブログは個人の成功体験・失敗体験が見られます。体験談はとても貴重で、とくに失敗談を参考にしましょう。
成功談は元々資産家だったり、元営業マンでトークがうまかったりと参考にならないこともあります。一方失敗談は、なぜ失敗したのか、また失敗に対しての対処法も教えてくれます。ブログから失敗を学ぶと「気をつけよう」とリスク回避にもなるので、多くの失敗談を参考にしましょう。
※ブログ選びに迷ったら「不動産投資おすすめブログ10選!初心者サラリーマン・主婦でも失敗しない方法とは?」で、あなたに合ったブログを見つけてくださいね。
1-2-4. YouTube
本やブログとは違い文字を読まなくても、YouTubeは見るだけで簡単に情報が得られます。
YouTubeでは注意する点・なぜ失敗するのか、物件の見極めなど幅広く学べます。
不動産投資におすすめのYouTubeを2選紹介します。
楽待
- 東証一部上場の株式会社ファーストロジックが運営
- 動画コンテンツが豊富
- 収益物件も探せる
- 『五十嵐未帆の「愛の説教部屋」』
不動産投資に失敗しないように丁寧に教えてくれます
もふもふ不動産
- チャンネル登録数26万人超え
- サラリーマン時代から不動産投資をはじめ、現在は脱サラし家賃年収1,000万円超え
- 不動産投資で失敗しない方法、素人がすると破産するなど豊富なコンテンツ
2. 不動産投資の始め方【本番編】
ここからは、不動産投資の始め方の本番になります。物件を買うために必要な情報を説明しています。物件選びを失敗しないためにも確認しましょう。
2-1. 会社を選ぶ
不動産会社から物件を購入します。不動産会社は多数あり、素人にはどの会社を選べばいいか分かりませんよね。
また会社を選び間違えると、入居者が入らない物件を買わされて、気づけば不動産会社がなくなっているケースもあります。物件を買うには、信頼できる会社を選ぶのがとても重要です。
不動産会社をなるべく比較して、あなたに合った営業マンのいるところを選びましょう。
※「不動産投資おすすめ会社ランキング【2020年最新版】」では、不動産会社を選ぶポイント5つと、おすすめの不動産会社を紹介してるので、ぜひ参考にしてください。
2-2. 物件を選ぶ(比較検討)
物件を選ぶ際に、まずは物件のエリアを決めます。ここで悩むのが地方にするか、都心にするかです。
地方 | 物件価格は安い 人口が減少しているため、入居者に苦戦するおそれがある 満室運営に成功すれば高利回りになる |
都心 | 物件価格は高い 都心に人口が集中しているため、入居者には困らない 物件価格が高いため利回りに期待できない |
エリアを決めたら物件の種類です。ワンルーム・アパート・マンション1棟・戸建てがあり、新築・中古か選びます。
※物件選びについては「投資用マンションとは?リスクと利回り・失敗しない物件の選び方を解説」にて、物件種類ごとの特徴・メリット・デメリットを紹介しています。ぜひ参考にしてくだい。
物件選びは、不動産投資の成功を左右します。妥協せずにあなたに合ったエリア・種類・新築か中古を選びましょう。
2-3. 物件を購入する
物件が決まれば、次は現金か融資で購入を決めます。物件は高額なため融資を利用する人が大半です。取引先は銀行・信用金庫・日本政策金融公庫などから決めましょう。
融資の頭金は最低でも物件価格の10%以上は必要ですが、理想は20%です。仲介手数料、融資の保証料など必要な諸経費が発生するため、少しでも多く頭金は残しましょう。
また頭金1,000万円あればいいのか?とよく聞きます。融資に有利ですが、購入する不動産の種類・価格・築年数によって異なります。たとえ1,000万円あっても返済能力がないと融資は却下されるでしょう。頭金だけでなく、個人の返済能力も大事です。
※融資について詳しくは「不動産投資用ローンの金利相場を金融機関ごとに紹介!」をご覧ください。低い利率のローンを組むコツも紹介しています。
3. 不動産投資の始め方【リスク・注意点】
どんな投資でもリスクはありますが、事前にリスクを知ることでリスク回避にもなります。また注意点は不正融資についても紹介しています。自己破産の恐れもあり、不正融資のマネはしないでおきましょう。
3-1. 表面利回りの高さの理由を考える
ポータルサイトに表示されている利回りは「表面利回り」です。
表面利回りの計算は「家賃収入 - 物件価格」で、年間のメンテナンス費、物件の諸経費などは含んでいません。
また空室率も算出していなく、ずっと満室の計算です。表面利回りの高さだけで判断すると、物件を購入後、思わぬ補修やメンテナンス費用が発生したり、退去が重なったりして、毎月の返済が家賃収入だけでは払えず、給料から持ち出すケースもあります。
表面利回りが高いだけの理由で買ってはいけません。必ず空室率・諸経費・メンテナンス費を計算に入れて「実質利回り」で確認しましょう。
※実質利回りについては「不動産投資の利回りとは?計算方法・種類・目安・最低ラインを解説」で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
3-2. 諸費用を理解する
不動産を購入する際に諸経費が必要です。どんな諸経費が必要なのでしょうか?
不動産会社に支払う仲介手数料 | 400万円以上だと売買代金×3%+6万円が必要 不動産会社が売主なら仲介手数料不要 |
印紙税 | 契約書に必要な税金 契約書に記載の金額により異なる 5,000万円であれば6万円は必要 |
登録免許税 | 登記のときに発生する税金 固定資産税評価額の2%、土地は令和3年3月まで1.5% |
不動産取得税 | 不動産を購入後、6ヶ月ほどで納付書が届く 土地・建物ともに固定資産税評価額×3%(令和3年4月より4%に戻る予定) |
固定資産税 | 毎年1月1日時点で所有者の場合に年に1回支払う 固定資産税評価額×1.4% |
他に火災保険代も必要です。10年一括か1年払いを選べます。補償内容・物件種類・築年数により費用は変わります。
また火災保険を入るだけでは地震保険には対応していません。必ず火災保険と地震保険のセットで加入しましょう。
3-3. 貯金して自己資金を貯める
不動産投資をはじめる前に、まず自己資金を貯めましょう。融資を組む際にも自己資金は最低でも融資額の10%以上は必要です。
また融資の際に自己資金を全て使い切るのはよくありません。物件購入後に補修が発生したり、災害など発生したりと思わぬ出費があります。補修ができない状況になると、入居者は住めません。最悪全て退去になり、破産する可能性もあります。
※では自己資金はいくら必要でしょうか?詳しくは「不動産投資の自己資金は300万円?それとも1,000万円?ゼロでもできる?」にて説明しています。参考にしてください。
3-4. 不正融資を受けない
近年、不正融資が問題になりました。
【自己資金がないのに地銀側が通帳を改ざんし、融資をうける】
地銀側が行なった不正行為であるが、自己資金もないので毎月の返済額が大きくなり過ぎて返せなくなり自己破産したケース。
【マイホーム専用の融資「フラット35」で投資物件を買う】
フラット35で買うスキームが横行していました。軽い気持ちで行ったために不正がバレ、一括返済を求められます。
不正融資はいずれバレます。そのときに一括返済など対応できなければ、自己破産する可能性があります。不正融資はリスクしかないため、受けないようにしましょう。
4. 不動産投資の始め方のまとめ
不動産投資の始め方について説明しました。以下にこの記事をまとめます。
- 不動産投資は事前準備を省略しない
- 不動産投資をなぜするのか目的を決める
- 知識がないと騙される恐れがあるため、基礎知識を理解しましょう
- 不動産会社、物件選びは慎重に行いましょう
- 融資に必要な自己資金は10%以上
- 表面利回りに騙されない
- 物件を購入するときの諸経費を理解しよう
- 不正融資は自己破産を招く恐れがある
失敗しないためにも、まずは目的と基礎知識から学びましょう。